【FUJIFILM】新製品 XF 70-300mmと X-S10 の組み合わせが最高だった5つの理由
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望遠レンズの王道といえば「70-300mm」を挙げる方も多いのではないでしょうか?
フィルム時代から各社が軽量超望遠レンズとしてラインナップに入れ、キヤノンからは白レンズ(ハイエンド機)として採用される、プロユースにも用いられる焦点距離です。
フジフイルムではフルサイズ換算で70-300mm相当となる「フジノン XF55-200mm F3.5-4.8 R LM OIS 」がその位置を担っていたのですが、ついに70-300mmのレンズ「フジノン XF70-300mm F4-5.6 R LM OIS WR」が登場しました。
待ち望んでいた方も多いと思われる本レンズ、「フジノン XF55-200mm F3.5-4.8 R LM OIS 」と同じ重さである「約580g」に収められていることは称賛に値します。
この軽量ボディを最大限生かすべく、今回はX-S10に装着して撮影に向かいました。
X-S10を発売日に購入した筆者、望遠レンズは所有しておらず(邪道ですが、フリンガー FR-FX20にEF 70-200mm F2.8にて代用)今回のレンズには興味津々でしたが
いざ使ってみると非常に使いやすく、これも発売日当日に買ってしまいたい!!と思ってしまいました。
X-S10はグリップがしっかり設けられており、望遠レンズを装着しても安定感は抜群。非常に持ちやすい組み合わせに感じました。
X-S10オーナーの方はもちろんのこと、フジフイルム機を使っている方に是非お勧めしたい、本レンズの魅力を紹介していきます。
①最短撮影距離が短く、ハーフマクロレンズのように使用できる
レンズを購入したときに、まず試してみるのは自宅というパターンが多いと思います。
しかし望遠レンズの場合、部屋の中で試すのは難しいので、次の休みに撮影で使おう!となるのですが、本レンズは違います。
私も自宅で初めてX-S10に本レンズを装着し、適当にピントを合わせてみたのですが
「お!?想定以上に部屋撮りでも使える!」
という驚きが、このレンズの第一印象となりました。
試し撮りにはぴったりのモデル、我が家の猫を70mm側で撮影してみました。
35mm判換算で105mmと部屋撮りでは扱いにくい焦点距離ですが、少し離れることで寝ている全身の姿を入れる事ができました。
寝ている姿をこっそり覗くなら、望遠レンズ&サイレントシャッターで撮影すれば、自然な姿を収めることができます。
そして本レンズ、最短撮影距離が83cmと比較的短いのが特徴。
こちらは70mm側 最短撮影距離 83cmにて撮影した写真です。
よりクローズアップされ、中望遠単焦点レンズのように扱うことができます。
F7.1と若干絞り込みましたが、毛一本一本まで綺麗に解像していました。
軽いだけが取り柄ではなく、解像力にも期待できそうです。
では、このままテレ側300mmまでズームしてみます。
もちろん最短撮影距離は変わらないので、そのままの位置でズーム可能です。
手元の可愛らしい肉球をググっと寄って撮影することができました。
300mm側で83cmまで寄ると、最大倍率「0.33倍」まで大きくすることができます。APS-C機ですので、この値を35mm判換算にすると約「0.5倍」。
一般的なハーフマクロレンズの性能が「0.5倍」ですので、簡易マクロレンズとしても実用レベルだということが分かります。
本写真は更にX-S10に搭載しているクラシッククロームにて撮影を行い、肉球のプニプニ感と暖かい雰囲気に仕上げてみました。
マクロ撮影では安定性が求められますが、X-S10の大きなグリップに加え、しっかりとファインダーを覗いて撮影することでしっかりと被写体を捉えることができました。
②AF性能も申し分なく、X-S10に装着すればAF性能に不満なし
望遠レンズといえば鳥の撮影!
ということで、早速野鳥に挑んでみました。
X-S10はX-T4と同じオートフォーカス性能を有しており、ここ数年で出たフジフイルム機に比べるとかなり高速なAFが可能になっています。
本レンズでもその性能を遺憾なく発揮、ストレスなく撮影することができました。
このヒヨドリもX-S10とXF 70-300mmの組み合わせで撮影したものです。
写真をよく見ると、くちばしの先から蜜を吸うための舌がしっかりと写っており、AFと共に解像力に関しても納得のいく性能です。
近くの木にはメジロも蜜を求めて飛び跳ねていました。
顔が暗くなってしまったのは筆者の実力不足。久々に野鳥を撮影するとその難しさと奥の深さに改めて気づかされます。
しかしながらAF性能はカメラを構えてピントを合わせることができるので、ここぞというとこにピントを外すこともあまりなく、快適に撮影することができました。
③X-S10との組み合わせで1100gに満たない軽量システムながら最大563mm相当の超望遠撮影が可能
X-S10にはシャッター方式をES電子シャッターに切り替えることで、秒間30コマの超高速連写が可能です。
上記のメジロの写真も、本機能を用いて撮影を行いました。
ES電子シャッターの高速連写の制約として1.25倍クロップされてしまうのですが、この機能、野鳥などの撮影では逆にメリットとして捉えることが出来ます。
本レンズであれば300mm×1.5倍(APS-C)×1.25倍(クロップ)=35mm判換算で563mmとなり、超望遠レンズとして機能し、X-S10とボディと合わせても1100gに満たない超軽量望遠システムの完成です。
このリスの写真もクロップ機能を使用した写真です。
画素数は1660万画素相当と若干落ちてしまいますが、細くてふわふわした毛並みまでしっかり解像されており、十分な画質を維持していることが分かります。
本来であればメニュー画面よりクロップ機能のON/OFFがあるとベストなのですが(今後のバージョンアップなどで変更されることを期待します)、是非この機能を活かして撮影してみてください。
ちなみに、一般的に電子シャッターで撮影すると歪みが気になると言われていますが、今回の撮影では特に問題ありませんでした。
④スナップ撮影レンズとしても優秀
被写体に寄ることができ、しかも軽量な「XF70-300mm F4-5.6 R LM OIS WR」は、旅行中に首から下げても疲れを感じにくく、スナップレンズとしても活躍します。
望遠レンズ特有の圧縮効果を活かした撮影や、最大倍率を活かして花などのネイチャーフォトの撮影にも適しています。
切り取りたい情景があればサッとカメラを構えて撮影することができ、標準レンズとはまた違った楽しみ方が出来ます。
フジフイルムの特徴であるフィルムシムレーションを用いてスナップ撮影を楽しんでいる方も多いと思いますので、是非望遠レンズでもスナップ撮影にトライしてみてください。
⑤強力な手ブレ補正搭載が搭載され、安定した撮影が可能
上記動画はファインダーではなく、バリアングル液晶を見ながら手持ちにて300mm(換算450mm)での撮影を行った動画です。
ファインダーを覗かず、バリアングル液晶を使った撮影ではどうしても手元が震えてしまい、ブレが気になってしまいますが
細かなブレが抑えられ、安定したフレーミングを維持しています。
X-S10の特徴である大きなグリップでしっかりと構え、ファインダーを覗いて撮影すればより一層手ブレも抑えられ、安定した撮影を行うことが可能です。
今回作例には出していませんが、0.5秒~1秒までシャッター速度を落としても手振れを起こさずに撮影することができ、夕暮れや夜景などの撮影にも活かすことが出来そうです。
今回はX-S10を用いていますが、本レンズにはレンズ内手振れ補正が搭載されているので、X-T3やX-T30、最近発売されたX-E4などでもブレを気にすることなく撮影を行うこと出来ます。
以上、いかがでしたでしょうか。
今回X-S10との組み合わせで非常に使いやすいレンズだと感じましたが、もちろんフジフイルムすべての機種にオススメの1本です。
XF100-400mmはちょっと大きくて値段も…という方には、この「XF70-300mm F4-5.6 R LM OIS WR」は良い選択肢になるかもしれません。
望遠レンズに悩んでいる方には是非お勧めしたい一本です。