【FUJIFILM】GFX x あの銘玉。其の三
令和の響きにも慣れ、平成の二文字が懐かしく感じられる今日この頃、
あの銘玉を現代の高性能カメラに装着したらどうなるのか。
100Sの登場で盛り上がるフジフイルムGFXシリーズ、本連載では中判フィルムカメラ用レンズとの組み合わせで新たな可能性を探っていきます。
第3回は『FUJIFILM GFX100』と『HASSELBLAD CF 80mm F2.8』という組み合わせ。
ハッセル・Vシリーズレンズを代表するこのレンズ、プラナー愛好家の筆者にとって憧れの的でした。
簡単にではありますが、使い方もご説明できればと思います。
※本記事内の写真は2021年4月19日に撮影したものです。
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まずは使い方から。
絞り込みレバーが写真の位置のままだと絞り値を変えても絞り羽根は動きません。
シンクロ接点(中央の丸い部分)の左にある絞り込みレバーを、写真の位置からさらに左へと動かしロックします。
ロックをした状態でのみ絞りを操作することができるのです。
絞り込みレバーは左側を少し押し込むことでロックを解除することが可能です。
CFレンズの各部分についての情報はこちらの記事をご覧ください。
【HASSEL BLAD】の使い方 第11回 CFレンズ
もう一点気をつけなくてはならないポイント、それは「レンズなしレリーズ」の設定です。
電子接点のないマウントアダプターを使用するときは、この項目がOFFになっているとレンズの装着が認識されないためにレリーズすることができません。
もしレリーズすることができないという方がいたら一度確認してみてください。
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本家ハッセルブラッドで撮影したときを想像しスクエアで撮影。
F8まで絞ると、流石にフレアは避けられませんが滲みはかなり抑え込むことができています。
軟らかさのなかにある確かなピント、上品で好感が持てる描写となっています。
中央左上に見られるように、CFレンズ特有の絞り羽根の形に起因する五角形のボケが現れます。
本記事の写真は全てフィルムシミュレーション『アスティア』で撮影していますが、ニュートラルな発色も好印象。
ボケに若干のざわつきは見られますが、構図や色のバランスに気を遣うことで避けることができます。
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殆ど初めてのスクエアでの撮影に四苦八苦、結局65:24に頼ってしまいました。
質感描写に優れ無理な味付けもないので『アスティア』との組み合わせが最も気に入っております。
使いやすい65:24、こちらのブログも是非ご覧ください。
【タイムズフェス】横長写真同好会 GFX50Rで65:24
鯉が泳いでいるのが見えますでしょうか。
階調と解像力、GFX100の恩恵も受けながらプラナーの素晴らしさに圧倒されました。
開放絞りのやわらかな風合い、絞り込んだときの解像度、美しいゴースト、ニュートラルな色調
自身が行った操作のひとつひとつが素直にEVFへと反映されていく。
まだまだ一眼レフ派の筆者ですが、レンズの正直さも相まってミラーレスカメラの恩恵を感じざるを得ませんでした。
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憧れのプラナーはいつも期待を越えてゆきます。
次回は定番のディスタゴン、どうぞお楽しみに。