ローライと共にご近所を彷徨う
まだまだ遠出の旅行が難しい状況下、とはいえ家の中にじっと籠っているのも精神的につらいものがあります。
特に休日、妻と二人で家でじっとしてるのも…
…勿論、つらくはありませんが、会話は少なくなりがちです。
そんなときは、二人でご近所の散歩に出かけます。
人の多そうなところは避け、あちらの路地、こちらの小道と渡り歩いているうちに予期せぬところに出たり、思いがけない風景に出会ったりします。
春から初夏に移りゆくこの時期、様々な花々も二人の目を楽しませてくれます。
「わぁ、きれい…」
妻はポーチから愛用のアイフォンを取り出し、パチリ…
私はバッグから愛用のローライを取り出し、首から掛け、撮影レンズにフードを取り付け、露出計で明るさを測り絞りとシャッタースピードを調整、ウェストレベルのファインダーを覗きながら構図を決め、ピントを合わせ、パチリ… ふぅ…
Rolleiflex 3.5E2(Schneider-Kreuznach Xenotar 75mm F3.5) FUJIFILM PRO160NS
前ボケを入れながらの撮影。雪柳は散歩で知った植物。なんとも可憐でお気に入りの花になりました。
そう、散歩のお供はローライ二眼レフカメラです。
フィルム中判カメラで一眼レフ機のハッセルブラッドと人気を二分する二眼レフのローライ。
その独特のフォルムは、これぞザ・クラシックともいえるレトロ感満載の佇まいです。
縦に並んだ2つのレンズ、上はフォーカス用レンズで下は撮影レンズ。
一眼レフカメラのように内部でミラーがパタパタしない、極めて簡単な構造のカメラです。
「ブローニーフィルム」と呼ばれる中判用フィルムを用い、スクエア6×6サイズの写真が1本につき12枚撮影できます。
たった12枚! 12枚撮ったら、裏蓋を開けフィルム交換をしなければなりません。
なんとも手間がかかり効率の悪いカメラです。
ですが、露出合わせやピント合わせの手間は被写体と向き合う時間を楽しませてくれ、12枚しか撮れない効率の悪さはじっくりと構図を決めシャッターを切る緊張感を与えてくれます。
そうやって撮影した1枚1枚は、デジタルカメラで撮った時とは異なる趣があり、より深い思い入れが込められている気がします。(あくまで個人の感想ですが…)
後で写真を見返したとき、その時の情景がくっきりと蘇り、妻と交わした会話も一言一言思い出すことができます。(あくまで個人の感想ですが…)
そんなわけで、今日もローライと共に、(勿論、妻とも)ご近所を散歩に出かけます。
Rolleiflex 3.5E2(Schneider-Kreuznach Xenotar 75mm F3.5) FUJIFILM PRO160NS
東京都大田区矢口にある「新田神社」のご神木。3月中旬に訪れました。
『パワースポット』に行って何やらパワーをもらいたい!という妻の要望により、大田区内で検索をかけたら出た神社。散策できる距離だったので出向いてみました。
破魔矢発祥の地としても知られているとか。また「LOVE神社」なるモダンなオブジェがあったり、「石の卓球台」があったりと、それほど広くはない境内ですが見どころ満載。
Rolleiflex 3.5E2(Schneider-Kreuznach Xenotar 75mm F3.5) FUJIFILM PRO160NS
中でもご神木のケヤキは、かつて雷に当たって引き裂かれてしまったが奇跡的に枯れず、今でも新緑のころには若葉が茂るとして、触れると健康長寿や若返りの霊験があるとのこと。
妻が幹に両手をつけたまま、しばらく離れませんでした。
Rolleiflex 3.5E2(Schneider-Kreuznach Xenotar 75mm F3.5) FUJIFILM PRO160NS
「新田神社」には1ヶ月後にも再訪。といっても、この時は特に目的地を決めず道をあちこち曲がりながら進んでいくうちに「あれ、なんか覚えがある道だな…」なんて話しているうちに神社にたどり着いてしまいました。
ちょうど新緑のころ、前回と同じような構図ですが、空がほとんど見えません。本当に若葉が生い茂っていました。
妻がまた手をつき離れませんでした。心持ち、前よりもさらに長いような…
Rolleiflex 3.5E2(Schneider-Kreuznach Xenotar 75mm F3.5) FUJIFILM PRO160NS
フォーマットの大きな中判写真は、35mm判より被写界深度が浅くなります。今回も手前のしめ縄が大きくボケました。
でも一眼レフと異なり絞り込みの画面確認ができない二眼レフ。勘が頼りの撮影となります。
Rolleiflex 3.5E2(Schneider-Kreuznach Xenotar 75mm F3.5)+ Rolleinar 1 FUJIFILM PRO160NS
近接撮影用の「ローライナー 1」を装着。今度は近い所にピントを合わせ、後ろをボカシてみました。
Rolleiflex 3.5E2(Schneider-Kreuznach Xenotar 75mm F3.5) FUJIFILM PRO160NS
ちょっと額縁のようになっているのが面白くて撮影。
もう1枚、妻を中に立たせて撮ろうかと思いましたが、最近妙に察しの良い妻は、すでにかなり先にいっていました。
Rolleiflex 3.5E2(Schneider-Kreuznach Xenotar 75mm F3.5) FUJIFILM PRO160NS
小学校のプールです。この夏は子どもたちのはしゃぐ声が聞こえるか…
Rolleiflex 3.5E2(Schneider-Kreuznach Xenotar 75mm F3.5) FUJIFILM PRO160NS
私の住んでいる地域は本当に細い路地が多く、複雑に入り組んでいます。
他スタッフが掲載しているような美しい風景を探すのは至難の技なのですが、こういう被写体には事欠きません。
クラシカルなローライを携えて歩くには、ちょうど良いかもしれません。
Rolleiflex 3.5E2(Schneider-Kreuznach Xenotar 75mm F3.5) FUJIFILM PRO160NS
細い道のあちこちに小さな公園が点在しているのも、この地区の特徴。
住みだして結構経ちますが、未だにどこにどの公園があるか把握しきれていません。
去年の非常事態宣言中は多くの人が休憩に訪れていましたが、今は以前のように閑散としています…
色鮮やかな花(名前は知らないのですが…)が人知れず咲き誇っている様子に、何か寂しさを感じ撮影。
クセノタールレンズは、植物の瑞々しい色合いを美しく再現してくれます。
Rolleiflex 3.5E2(Schneider-Kreuznach Xenotar 75mm F3.5) FUJIFILM PRO160NS
皆さんも、ローライと共にご近所散策いかがですか⁈