先日、東京都港区にある「世界貿易センタービルディング」が、2021年6月30日をもって閉館したというニュースを目にしました。
最寄りの浜松町駅に直結しているアクセスの良さと、眺めの良い展望台があったことで、度々撮影にお邪魔していた事もあり、少し寂しい気持ちになります。しかも近く解体作業が始まるとの事でしたので、最後の姿を見に出掛けてきました。
本日の機材はLeica M10-Pに、ニコンのレンジファインダーレンズ28mmとの組み合わせ。所有しているライカレンズの広角寄りが35mmまでしかなかったので、より広い画角のレンズをアダプターを介して装着しました。
結果、駅側の好立地という記録を残しながらビル全景を収めることができましたが、1952年頃に製造されたオールドレンズのため少々甘い描写に。手前にN700系新幹線を入れてなかったら、大昔に撮った写真と言われても分かりません。
世界貿易センタービルディングは1970年に当時、日本一の高さで建てられたビルです。
最近では駅と接していない面を別の高層ビルに囲まれてしまい、展望台からの魅力は半減してしまいましたが、真下を走る鉄道を俯瞰で眺めるには最高のポイントでした。
自宅のPC内を探すと、展望台から撮影した沢山の写真が出てきました。
走っている新幹線は500系、使用したカメラの「Nikon D300」を見て思わず、いつ?と思い日付を確認したらなんと13年前の写真でした。
続いてはN700系。当時は300系、500系、700系、N700系と形状の異なる4種類の車両が走っていて、時間を忘れて眺めることができたのを覚えています。
さて突然ですが問題です。
写真の構図は異なりますが、1つ上のカットとほぼ同じ場所からNikon D750で同様にN700系を撮影した写真です。背景に大きく変わっている箇所があります。お気づきになられますでしょうか?
答えは高速道路先の方向にスカイツリーが見える事です。調べてみたらスカイツリーの完成が2012年2月。13年前の写真には写っていない訳です。
世界貿易センタービルディングからの眺望で忘れてはいけないのが、東京タワーです。
東京タワーを眺めるだけでしたら背景に見える六本木ヒルズの森タワーからでも可能ですが、森タワーからの視線は高すぎて東京タワーの高さが霞んでしまうのです。
世界貿易センタービルディングの高さは東京タワーのメインデッキの高さとほぼ同じ152m。眺めるのに丁度良い高さだったのです。
展望台には「シーサイドトップ」という名前が付いていて、その名の通り東京湾も綺麗に眺めることができました。
また窓ガラスのラッピングなど、季節の装飾も楽しみの1つでした。
最後の撮影は2015年に撮影したNikon D810での夜景カットでした。写真の量にも驚きましたが、自身の機材遍歴にもビックリです。
以降、2019年に東京タワーを隠すかのように隣に日本生命浜松町クレアタワーが完成。自然と足が遠のいてしまいました。
数年後には新たなビルが建設されるとのことですが先にも記したとおり、既に周囲には高層ビルが建てられおり、また展望台が設けられるかも分かりません。
この景色が見納めだったかと思うと寂しく思いますが、大量に残した画像データを振り返りながら、また思い出に浸りたいと思います。