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【Leica】SL2-Sの動画画質/記録形式による違いを比較してみる

【Leica】SL2-Sの動画画質/記録形式による違いを比較してみる

動画も静止画もマルチに使えるLeica SL2-SがVer.2.0にアップデート。
動画機能が拡張され、より使いやすくなった印象です。
そこで今回は、SL2-Sの実力を試すべく、Leica担当スタッフが実際に使用して感じた使いやすさや機能について徹底解説していきたいと思います。

さて、Vol.2の本記事で検証するのは、SL2-Sの動画記録方式による画質の違いです。
ファームウェアVersion2.0から、Long GOP の10bitコーデックHEVC動画圧縮(H.265)での録画ができるようになり、選択の幅が広がった事はとても喜ばしいのですが、「どの記録方式を選べば高画質なの?」という疑問もわいてくるかと思います。
MOVで記録する方なら、Long GOPかAll-Intraか。
MP4で収録する方なら、H.264かH.265か。
それぞれの比較をしてみましたので、よろしければお付き合いください。
(※圧縮方式の違いにより、様々なメリット・デメリットがありますが、本記事ではそれぞれの画質の違いにのみ触れます。)

・・・

それではまず、Long GOPの画質から検証していきましょう!
ライカの資料には「All-Intra方式と同じ画質で、データ容量が半分未満になります」という魅惑のフレーズが躍っており、これが本当なら使わない手はありません。
一般的に、十分なビットレートが与えられていればAll-Intraが画質最高の圧縮方式なのは間違いありませんが、この度搭載されたLong GOPは、どれほどそれに肉迫できるのでしょうか。

ISOやシャッタースピード、絞りは全て同数値に設定し、
・MOV 29.97fps/ALL-I/400Mbps/4:2:2/10bit 
・MOV 29.97fps/L-GOP/150Mbps/4:2:2/10bit
の画質比較をしましたので、動画をご覧ください。

※本来であればAll-IntraとLong GOPそれぞれの動画を一つにまとめず、単体同士で見比べて頂くべきものです。
しかしながら、大量の細切れ映像になってしまい大変見づらく、一度違うページを挟むと違いも分かりづらいものになったため、一本の動画に編集しました。

 

確かにライカの言う通り、違いがほとんどわかりません!
動画の容量を減らしたい時は、積極的にLong GOPを使っていけそうです。
しかしながら細かいところに目を向けていくと、ほんの僅かな違いに気づきました。

 

①雨が池に落ちるカットでは、Long GOPだと水しぶきが揃い過ぎているようにみえる
動きの量と方向だけを記録したフレームが増えるせいでしょうか。水しぶきの速度やサイズにランダム性が無いというか…。
撮影時の雨の量はどちらも変わっておりません。
分かるか分からないかの小さな違いですが、個人的には少し気になりました。

 

②波に揺れる船のカットでは、白トビ耐性に違いがある
露出関連は全て揃えましたが、ハイライト部を交互に見比べれば、明らかにALL-Iが色情報を残しています。
また、色味に関してはL-GOPの方が黄色っぽくなっています。
しかしそんなばかな。クロマサンプリングも一緒なので差は出ないはずです。
オートホワイトバランスのせいでしょうか・・・?

 

いまいち思うような違いが出ませんでした。
ポストプロダクションでカラーコレクションをしたり、フレームレートを変えてレンダーするとまた変わってくるのかもしれません。
このあたり、ぜひまた検証してみたいと思います。

 

・・・

次は新搭載のH.265H.264の比較をしてみましょう。
こちらの比較は、H.265を再生できる端末の普及率を鑑み、MP4の4k動画からの切り出し画像で行います。
ISOやシャッタースピード、絞りは全て同数値に設定しています。

H.264/59.94fps/L-GOP/150Mbps/4:2:0/8bit

 

H.265/59.94fps/L-GOP/100Mbps/4:2:0/10bit

空の白トビに大きな差がありますが、H.264H.265の差と言うより、8bit10bitの差と思われます。

 

 

 

 

H.264/59.94fps/L-GOP/150Mbps/4:2:0/8bit

 

H.265/59.94fps/L-GOP/100Mbps/4:2:0/10bit

この比較では、H.265の方が彩度控えめでコントラストも弱く見えます。
動きの滑らかさにはほぼ差がありませんでした。

 

H.264/59.94fps/L-GOP/150Mbps/4:2:0/8bit

 

H.265/59.94fps/L-GOP/100Mbps/4:2:0/10bit

 

H.264は空にトーンジャンプとブロックノイズが目立ちます。
また、全体的に低彩度でコントラストも低め。
元動画での「動き」は、どちらも非常に滑らかです。

 

 

…こうして見てみると、H.265H.264の比較というよりも、8bitと10bitの比較になってしまったような気がします。
実際の所、元動画はH.265H.264も非常に綺麗であり、上に書いた違い以外には大きな差を見つけられません。
しかしながらH.265は圧縮率が上がった為、ファイル容量は大きく減っていますので、編集環境さえ整っていれば積極的に利用出来ると思います!

・・・

 

さて、いかがでしたでしょうか。
記録方式による画質の違いは、思ったより大きくありませんでした。
比較記事としては少し寂しいですが、逆を返せばどれを選んでも高画質という事。
圧縮率を取るか、編集耐性を取るかは撮影者次第。フレキシブルに選択できるのは素晴らしい利点です。
やはりSL2-Sは、素晴らしいカメラでした。

 

 

Ver.2.0にアップデートされたSL2-Sの連載記事はこちら

 

[ Category:etc. | 掲載日時:21年08月15日 11時00分 ]

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