1:1のスクエアフォーマットとモノクローム写真。
いつもと少し気分を変えて写真を撮ってみる【Square & Monochrome】
前回はこちら
今回は【SONY DSC-RX1RM2】と共にハイコントラストモノクロを試してみました。
ハイコントラストモノクロとは、ピクチャーエフェクトの項目から選択することができ、通常のモノクロよりも明暗をさらに強調するモードとなっています。
一言で言うと【荒々しい感じ】になります。
コントラストが非常に強く出るので、ハイライトとアンダー部の差が通常のモノクロモードよりも強烈に出ます。
通常のモノクロ撮影においてもコントラスト差は非常に重要で、注目して撮影すべきですが、
ハイコントラストモノクロではより強調されてしまうため、より意識して撮影する必要があります。
少し難しいようにも聞こえますが、そこはミラーレスカメラの特徴である【仕上がりを確認しながら撮影できる】と言う点を大いに生かして、
モニターやファインダーでコントラスト差を調整しながら狙った画作りをすることが簡単にできます。
因みに、ピクチャーエフェクトにはもう一つ【リッチトーンモノクロ】と呼ばれるモードもあります。
今回のハイコントラストモノクロとは真逆の効果を得られるモードです。
2種類のモノクロモードを被写体やその日の気分で使い分けることができるのは非常に嬉しいです。
それでは、ハイコントラストモノクロで撮影するとどのように仕上がるのか、さっそく見ていきましょう。
喫茶店の前に大型のコーヒーミルがオブジェとして置いてありました。
この一枚はまだ、ハイライトとシャドーのコントラスト差はそこまで大きくない状態と言えます。
当日の天候は快晴。この場所は日陰になっていたので、ハイコントラストモノクロでもそこまで強烈な効果は得られませんでした。
ただし、シャドー部がグッとしまって立体感が非常に出ています。これは通常のモノクロモードと比べるとハイコントラストモノクロの優位点と言えます。
この一枚はまさに【ハイコントラスト】と言えます。
倉庫の屋根に天窓があって、そこから強烈な日差しが差し込んでいました。天窓は透明なガラスではなく、すこし光が拡散するような素材だったので、程よく散った光が、ハイライトを強調しつつも白飛びを防いで、階調を残しています。
倉庫の奥は日陰になっていますが、ハイコントラストモノクロで表現すると、コントラスト差が強くでるので、より奥行き感が強調されています。
石塔が強い日差しを受けていました。
右側からの光線状況なので、綺麗に石塔の側面がハイライトになり、正面がアンダーになっています。
背景の木の葉もハイライト部はかなり飛んで、アンダー部となっている木の葉との差が大きくなっています。
まさに【ハイコントラスト】と呼べる状況です。
通常のモノクロ撮影だとここまでコントラスト差が大きくはならないので、ハイライト部の諧調もまだ残るかと思いますが、ハイコントラストモノクロだとくっきりと明暗差がでて、非常に立体感が強調されます。
被写体の光線状況により注意が必要となりますが、印象的な画づくりはしやすいと言えます。
お寺の入り口を真正面から撮影しました。
スクエアフォーマットの写真の中にまた、真四角な切り取りがある面白い構図になりました。
時刻はお昼過ぎくらいでしたので、太陽はほぼ垂直の状態です。門の正面はアンダーになっていましたが、ハイコントラストモノクロだと完全にシャドーになってしまいます。ここまでいくと一種切り絵のように見えてしまうのは私だけでしょうか。
ハイコントラストモノクロで撮影をしていると、普段の撮影よりも【影】に注目することが多くなります。
【撮影】という文字が示すとおりに【影】を【撮】るのが写真でもあります。
自分の見ている光景の中で、どのような光線が降り注いでいて、どのような影を落としているのか。
捉えるアングル、カメラの高さや被写体との距離、どの範囲を切り取るかといったレンズ焦点距離の選択。様々な要素を関連付けて一つの画を作り上げます。
この構図はわざと水平を崩すことによって、柵の影が構図の奥へ直線状に延びるように構成しました。
あたかも地面から延びる電柱のようにも見えます。
強烈なコントラストを体感できる【ハイコントラストモノクロ】
かなり明暗差がはっきりとでるモードなので、光線や被写体により注意を払う必要がありますが、良い条件がはまるとかなり印象的な画づくりができるので非常におすすめです。
是非、みなさんもいつもと違う雰囲気【Square & Monochrome】で撮影を楽しんでみて下さい。