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【FUJIFILM】苔のむすまで。

苔が好きです、鑑賞用の苔が家にあるわけではありませんが好きです。道端で見つけると少しテンションが上がります、そのくらいに好きです。とはいっても苔の写真はあまりありません、緑に囲まれ幸せを感じていた時の写真です、苔好きの皆さんごめんなさい。題名は国歌からきていますが、スポーツイベントの際に海外選手が全力で歌っているのを見るとなんだかグッときます。涙を流す方もいらっしゃいます。愛国心なのか誇りなのか、日本人である筆者には希薄な感情なのかもしれません。平和だし、紛争もないし、生まれてよかったとは思います。さて、何が違うのでしょうか。

 

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FUJIFILM GFX 100S + FUJIFILM GF32-64mm F4 R LM WR

運動不足の足を文字通り引きずりながら山道を散策、足元ばかりを見ていると一粒の煌めき、美味しそうです。緑と茶の世界に輝く赤はより一層美味しそう。味は…と言いたいところですが食し忘れました。小学生の頃に食べた覚えがあります、若干の甘酸っぱさを感じたはず。撮って満足、モニターを見て満足、当時の自分が満足していたならまあいいか。一口にヘビイチゴといっても実に艶があるかどうか、葉の形や色で見分けることができ、こちらはヤブヘビイチゴです。

FUJIFILM GFX 100S + FUJIFILM GF32-64mm F4 R LM WR

まだ苔は出てきません。針葉樹を見るとちょっとだけテンションが上がります、日常から少し離れた感じがいいです。長い年月を経て高く高く、太く太くなった幹、深呼吸をすると澄んだ空気とともに木々の香りが染みわたってくるようです。右手を高く上げパワーをいただく、桧だったか杉だったか、パワーをいただくことができる木って決まっていましたっけ。大切なのは気持ちです、感じた者勝ちです。

FUJIFILM GFX 100S + FUJIFILM GF110mm F2 R LM WR

お待たせしました苔です、苔石です。1億画素の解像力もさることながら立体感も良くでています。苔のむすまで、苔が生えるまで、ずっとこの位置にあったと思うと途方もないことです。自分で苔を石に着生させようとすると相当の時間がかかるそう、持って帰ってくればよかった…!と言っても写真に収めたからまあいいかと思う自分もいるのです。そういえば写真を始めてから出先でお土産を買うことが減りました。楽しかったなと振り返り、こんなところに行ったよと共有する、安上がりといえば安上がり。初期投資は別として。

FUJIFILM GFX 100S + FUJIFILM GF32-64mm F4 R LM WR

葉の表面にあるツブツブ、ここには長くて細いトゲが生えています。その名も刺草、イラクサと読むそう。この角度からでは確認できない程の細いトゲ、そりゃもう痛いです。5分間くらい痛みが持続していたと思います。調べてみるとトゲには毒があるそうですが人体に影響はないはず、用法容量を守れば(用法容量も何もないですが…)。また、葉の汁は蛇の毒消しに使うことができるそうでまさに『毒を以て毒を制す』というやつです。皆様も散策の際は十分にご注意ください。

FUJIFILM GFX 100S + FUJIFILM GF110mm F2 R LM WR

蛙です。動いているものに対する反応に比べ静止しているものがあまり見えない蛙の目、拡大すると既に視野に入っているようにも見えます。案の定この後すぐに逃げられてしまいました。おたまじゃくしが蛙になる過程で尾が無くなります。何故なのかと調べてみると、ある遺伝子がもたらす免疫機能によって尾が異物と判断され消失していくそう。普段当然のように起こっている現象にも理由があるわけです、ふむふむ。写真の方は後ボケが大変なことになっています。中判のF2、コンタックス645用のプラナー80ミリもそうですが最高です。F2万歳。

FUJIFILM GFX 50R x CONTAX 645 Planar T* 80mm F2 x Fringer FR-C6GF

ということでGFX 50RにCONTAX 645用のプラナー80mm F2を付けた時の写真です。ハイライトが少し柔らかくて玉ボケが綺麗、文句なし、最高。Fringer FR-C6GFはAF操作が可能で、撮影時の情報もしっかり残るので良心的、レンズによって挙動に差が出ることがありますが、概ね最高。フィルムはポジをじっくり、デジタルはプリントしてじっくり、中判の世界を筆者は違った楽しみ方で味わっています。この楽しみ方の唯一の欠点は持ち出すカメラが決められないこと、自分だけで楽しむならフィルム、誰かと共有するならデジタルといったところでしょうか。

FUJIFILM GFX 100S + FUJIFILM GF32-64mm F4 R LM WR

いやはや緻密です。不安定な足元を思い出します。見えづらいですが中央に動物のフンが転がっています。結局出会うことは叶いませんでしたが野生動物の気配にはいつもワクワク。横長もいいけどスクエアもいい、せっかくの1億画素なのに全てを使い切らない、贅沢な遊び。森の匂い、冷房では生み出すことのできない清涼感、何より自然の中で人間がどれだけ無力であるかを感じる瞬間が好きです。もしかしたら出られないかもしれない、熊に襲われるかもしれない、毒蛇に噛まれるかもしれない。コントロールできないものはできないのです、特に自然の摂理には敬意を持たなくてはなりません。

 

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苔の写真、結局1枚しかありませんでした。少しでも森に行ってみようかなと思ってもらえたら幸いです。想像以上に美味しい空気、感動します。さて、「苔のむすまで」できることってあるのかと考えてみるとこれがまた難しい。写真を撮ることかもしれないし、そうじゃないかもしれません。それを探すことなのかもしれません。いくら考えてもわからないから写真を撮る、今はそれでいいかなと思っています。「苔のむすまで」できること、もしよければ考えてみてください。

 

 

 

 

 

夢が広がるアダプター、往年の銘玉をお楽しみください。

 

 

 

[ Category:FUJIFILM | 掲載日時:21年11月09日 18時00分 ]

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