【Canon】動画撮影でのシャッタースピードを比べてみる
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ついに登場となったEOS R3。(EOS R3の先行レポートはコチラ)
Canonのスチル機としては初の30分以上の連続動画記録を実現し、6K 60P RAW動画の内部記録が可能となるなど、まさに映像の新時代を表すボディ。
(本記事ではCinema EOSを除くEOSシリーズに焦点を当てています。)
EOS 5D Mark IIでのFull HD動画の撮影から始まり、EOS R5での8K RAW動画の内部記録等、常にあっと驚かされるEOSシリーズの動画機能。
EOS Rシステムにより、EOSムービーの可能性はさらに拡大しました。
RFレンズと、アダプターを使用することで70種類を超えるEFレンズの組み合わせで多様な映像表現が楽しめます。
本記事は、以前投稿した記事の続きとなります。
記事はコチラ
前回の記事では、シャッタースピードが基本的に定まっている動画撮影において、
光量調整に大きく貢献するNDフィルターの重要性についてご説明いたしました。
本記事では、なぜシャッタースピード(シャッター速度, SS)が動画撮影時に定まってしまうのか、
実際に撮影した映像と共にご紹介いたします。
以前の記事でもご紹介したように、動画撮影のシャッタースピードはフレームレートの設定と関係があります。
フレームレートはfpsとも表され、1秒間に何枚の静止画から構成をするのかという設定になります。
しかし、ただ静止画を並べただけでは連続写真に見えるだけで、静止画をつなぐ”繋がり”がありません。
この繋がりを補完するのが、「ブレ」「残像」になります。
1枚でパシッと撮りきる静止画、スチルでは敬遠されがちな「ブレ」が動画では重要なのです。
シャッタースピードの調節はそのブレ具合に直結します。
まずは一般的に推奨されるフレームレートの約2倍のスピードで撮影した映像をご紹介いたします。
本記事でご紹介する動画は全て23.98fpsで撮影しておりので、ご覧いただくのはシャッタースピード「1/50s」で撮影したものになります。
画面左下付近の通過していく車体を見ると窓枠などがブレていることが分かるかと思います。
普段あまり残像を残像として認識している方は少ないと思いますが、実際に人の目で見てもこのようにブレて見えています。
そのブレ方がおおよそ人の目を通して見ていた時と違いがないので、映像が自然に見えるのです。
つまり、そのブレ方が自然と見えているものと乖離すればするほど違和感として残る事になるのです。
はじめにシャッタースピード、1/25s。
ブレだけでなくコマ数も減っているので、若干カクついているような印象を受けます。
かくつきをはっきりと認識できる上、車体もブレすぎており、奥の車体と手前の車体とで違和感を覚えます。
走っている路線が違いますが、ターミナル駅を出発して次の駅までは共に距離があるので、速度は同じようなスピードで走行しております。
しかしながら、車体のブレが大きくなりすぎているためにものすごい速さで通過しているように見えてしまいます。
画面を横切っている時間はそう変わらないのでこれもまた違和感を覚えます。
まずはシャッタースピード、1/125sです。
一見、滑らかに見え、違和感はないように思えるかもしれないですが、車体にぶれがないのでスピード感がなく、妙な感じです。
動画自体は滑らかなのですが、車体にぶれがないので、走行しているのに停まっているように見えてはきませんでしょうか。
それなりにスピードが出ているはずなのですが、強い力で押し戻されているのかの様に「ゆっくり」とはまた違う何か引っかかりを感じます。
ここまでくると、ブレが全くなく”繋がり”もないのでカクついてしまっているのがうかがえます。
そして、最後にそれぞれの違いを一気に比較してみましょう。
一つ一つではあまり大きな違いが分からなくても、並べて比較してみると大きな違いがある事がわかりやすくなったのではないでしょうか。
前回の記事に続いて本記事は「EOS R5」と「ドロップインフィルターマウントアダプター EF-EOS R 可変式NDフィルターA付」を介して、
「EF24-70mm F2.8L II USM」 を装着して撮影しております。
カメラによっては、23.98fpsや24fpsだけでなく、30fpsから60fps、さらには120fpsまで撮影できるものも出ております。
しかしながら例えフレームレートが変わった場合でも、このシャッタースピードの関係は変わりません。
基本的な事ではございますが、これらを知っていることで撮影や映像の幅が広がるかもしれません。
様々動画についてご紹介して来ましたが、
動画を始めてみようという方は難しく考えずに、ぜひお手持ちのカメラでオート設定でも良いので撮ってみて下さい。
写真は勿論ですが、その場の音や雰囲気をそのまま残す事ができる動画もなかなか楽しいものです。
長々とご紹介した後で恐縮ではございますが、ぜひ「難しいもの」として始めるのではなく、「楽しいもの」として動画を始めて頂ければと思います。
撮影に使用した機材はコチラ