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【Leica】宵に沈め、モノクローム 前篇

【Leica】宵に沈め、モノクローム 前篇

腕が、痛痒い。理由は分かっている。
これはお昼に受けたインフルエンザの予防接種のせい。

重いものを持つなと言われた気がする。
激しい運動も控えろと言われた気がする。
重いものは何グラムからだろうか、激しい運動は…。

Q2 MONOCHROM、700グラムそこいらでは重いものとは言わぬであろう。
4~5時間の散歩も、私にとっては激しい運動ではない、筈。

今年ももう立冬を過ぎ、15時にもなろうものなら日は夕方を思わせる傾き具合。
どうやら焼きたてのベーコンエピを、セピア調に脱色したところから今日の撮影がスタート。

目的は未定。
目的地は夜。

Q2 MONOCHROMは、その名の通りモノクロ専用のデジタルカメラ。
28mm F1.7を実現するそれはもう素晴らしいレンズを有しますが、それ故、コンデジというにはやや大きい見た目です。

あまり知られてはいませんが…と言うか、私が勉強不足だっただけですが、写せるのは完全にモノクロだけというわけではありません。
トーニングという項目で「セピア」「ブルー」「セレン」の三種類、濃淡を含めて6パターン選ぶ事が出来ます。
今日は「セピア(濃)」と、「セピア(薄)」で撮影してみました。

セピア調に合った被写体を…とか、そういう肩を張ったテイストではなく、ぼんやりと「良さそうなもの」を撮ります。

いつもは快速でビューンと通り過ぎる各停駅の沿線には、気持ちのいい跨線橋やらススキやら、良いロケーションが幾つも。
ああ、こういう発見をする為に使える時間というものがなんと尊い事か。
急ぐばかりでは人生豊かにならんもんだな、毎朝乗り換えに必死になる朝の自分にもぜひそう言ってやりたい。

跨線橋に登ったはいいものの、高所恐怖症。
下を見るというよりは、同じ目線に高いところにあるはずのものが映る方が怖いです。
きっと理解いただける方は多いはず、だから下向きの写真が多くなってしまうわけです、勝手に納得。

肝心の写真の方も、怯えながら撮った割には良い出来栄え。
普段の写真が7割から8割方カメラ頼りなら、この写真は9割以上カメラ頼りです。
濃淡、繊細な描写、明るさも、完璧です、しいて言うならピント位置を少しずらしたかったのですがそんなの見る余裕はありませんでした。

有刺鉄線の先に見えるススキはなんとも物言いたげですが、特に何かを意識して撮ったわけではありません。
考えた事と言えば、痛そうだな、くらい。

時刻は16時過ぎ。
思い切ってえいやと絞り込めば、少し気の早いマジックアワー。

日常から色を抜き取るだけでこんなにも世界って澄んでいるのかと強く驚かされます。
私の好きな話の1つに「カメラの普及やフィルムの技術革新とともに世界に色が付いて“しまった”」という仮定的な御伽噺がありますが、
私自身も潜在的にそれを肯定するかのような心の動き方をするものですから、強ち作り話でもないのかも…と楽しんでいます。

空は単色のグラデーションに落ちていき、やがて宵に沈む。

都会の鳩はそろそろ帰巣のお時間。
まだ目的地には早いので、今回はここまで。

後篇に続きます。

[ Category:etc. | 掲載日時:21年11月11日 19時10分 ]

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