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【Leica】365日後にレンズを買うスタッフの冒険記 第2話「ズミクロン M50mm F2 1st編」

【Leica】365日後にレンズを買うスタッフの冒険記 第2話「ズミクロン M50mm F2 1st編」

本連載は、勢い余ってM型ライカ(M-E Typ220)を買ってしまった著者が、自身の理想のレンズを探し求める旅に出掛けると共に、その過程を読者の皆様に楽しんで頂きつつお客様の今後のレンズ選びの一助になればと思い開始致しました。ブログのタイトルは”365日後”としておりますが、今後どうなるかは全くの未定。中古のレンズは一期一会、1年以上かかってしまう可能性もあれば時を待たずして完結してしまう可能性も否めません…。どうぞ完結までお付き合いいただけますと幸いです。

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前回までのあらすじ

「エルマーに始まり、エルマーに終わる」この言葉に導かれ、第1話に選んだのはエルマーL50mm F3.5。クセが少なく素直な描写で価格も比較的手ごろ…。一話完結になってしまいそうでしたが、沈胴式である事が著者の使用方法に合わずに断念することに…。

前回の記事はこちら

【Leica】365日後にレンズを買うスタッフの冒険記 第1話「エルマー L50mm F3.5 編」

 

第2話 「ズミクロン M50mm F2 1st (固定鏡筒) 編」

 

「8万円の洋服を買ってしまいました…。」

あれ、その金額でエルマー買えたのでは?と思われた方、ごもっともです。第0話にて「身に纏えるシーズンが限られている洋服よりも撮影機材を買う方がコストパフォーマンスが良い」などと言っていたにも拘わらず、気付いたら自宅のクローゼットに招き入れておりました…。

さて、今回お借りしたレンズはズミクロン M50mm F2 1stです。1954年に発売され、最初期のものは沈胴式Lマウントのものですが、第1話の通り沈胴式は避けたい……。という事で選んだのは固定鏡筒(Rigit)です。固定鏡筒のモデルには前期/後期と大きく分けて2種類のモデルがございますが、大きな違いはピントリングと距離指標の表記。

ピントリングについては前期は幅が狭くローレットの加工部は凸側に滑り止めの加工がされており、後期は幅が広くローレットの加工部は凹側に滑り止めの加工がされております。距離指標については前期がfeetもしくはm(メートル)表記のみに対し、後期はfeetとmが併記されております。後期モデルの方が使い勝手が良いかと思いますが、前期モデルのピントリングの幅は指で摘んだ際の感触が心地良く、距離指標の文字がシンプルな故に全体のデザインもすっきりしており著者の好みでした。

静岡方面にドライブに出掛けてきました。こちらは帰路の真鶴にて。ここ数日の休日は天候に恵まれず、この日もあいにくの曇天。それも台風が近付いていた影響もあり、海は大時化でした。波が崩れる直前、一瞬だけ波がエメラルドグリーン色になる瞬間をおさめるべく波打ち際まで向かって撮った一枚。この数秒後に右足がずぶ濡れになるとはつゆ知らず、果敢に攻め込みました。

こちらはいずれも最短撮影距離の1mにあわせて撮影。F2まで明るくなると、ボケを活かした写真も撮りたくなるところですが、ここにきて最短撮影距離1mというのがなかなか寄れない事を思い知ります。第1話のエルマーの際は被写体の多くが桜だったこともあり、1mという最短距離の難しさをあまり感じておりませんでした。

「この辺りからならピント合わせられるかな…」と思って少し離れた場所にしゃがんでみるものの、そこからもう半歩下がらないとピントが合わないといった感覚(あくまで著者の主観ですが…)。今まで愛用していたLeica Qのマクロモードが最短17cmという事もあり、体内の距離計が随分とズレている事を実感しました。慣れというものは怖いものです。

いずれも絞り開放での撮影ですが、後ボケは適度に輪郭が残りつつ、若干回るといったところでしょうか。クセは少ないですがオールドレンズらしさもあり、使っていて楽しかったです。エルマーがうすしお味ならこちらはのりしお味。定番として使い勝手の良いレンズです。

立川にて。この日の気温は20℃を越えており、半袖Tシャツでも過ごしやすいような暖かさでした。青紅葉に生じたうっすらとしたフレアにオールドレンズらしさを感じます。桜が咲いていたと思えば新緑のシーズンです。早くも夏の到来を予感してしまうような気候でした。

前ボケを入れた写真がなかったのでここで数枚。やわらかく癖のない前ボケです。”ズミクロン”という名前からコントラスト高めの写実的な描写をイメージされた方もいらっしゃるかと思いますが、やはり60年以上前のレンズだけあってコントラストは低め。個人的には少し露出をオーバーにして撮りたくなるレンズでした。

今回お借りした個体は後玉にクモリがあり、当店の評価基準で並品となるものでしたが、ヌケの良い描写を楽しむことができました。当店の中古品の価格は178,000~288,000円(投稿日時点)、第一話のエルマーと比べてしまうと割高ですが、ライカのレンズの中ではこちらも比較的手ごろな価格帯ではないでしょうか。レンズを買う場合は基本的に良品以上のランクの個体を買うことが多い著者ですが、並品ランクの個体でもここまで写してくれるなら「並品でも良いかな…」と思えてしまいます。(オールドレンズはランクによる価格差が大きいのが悩みどころです……。)

2話連続でオールドレンズを楽しんだので、そろそろ現行品のレンズを試してみようかなと思います。

 

レンズ購入まであと335日。それでは、次回の投稿をお楽しみに。

 

次のお話はこちら

【Leica】365日後にレンズを買うスタッフの冒険記 第3話「ズミクロン M50mm F2 4th編」




[ Category:Leica | 掲載日時:22年04月19日 17時30分 ]

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