【Voigtlander】Z5で使う2つのAPO-LANTHAR
APO-LANTHER。
Voigtlanderのレンズの中でも特に高性能のレンズに与えられる称号です。
軸上色収差など、収差を徹底的に抑えたレンズです。
同じAPO-LANTHERでもマウントの違う場合、写りはどれくらい違うだろう…ふと思いました。
いつものようにZ5にMマウントのAPO-LANTHERを付けてみようと思いましたが、今回は今年の5月に発売されたZマウントAPO-LANTHERでも撮影してみます。
それぞれ別の日に撮影しているため厳密な比較にはなりませんが、ISOはどちらも200固定、開放F2で撮影しています。
同じ名前の2本のレンズをZ5に付けた時の雰囲気の違いをお楽しみいただけたらと思います。
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まずは、APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical(ニコンZ用)です。
まさかここまで梅雨が早くあけるとは思ってもいなかった6月中旬。紫陽花を見に出かけました。
紫陽花の花びらがすこしシワシワしているところや、葉のザラザラしているところ、2つの違いがはっきりと表れています。
隅の隅まで見ればすこしレモン型にはなっていますが、背景の玉ボケもほとんどきれいな丸をしています。
これがAPO-LANTHAR。
寒色系の紫陽花も写真を撮りました。
どんな色でもはっきりした鮮やかな発色です。
紫陽花、とひとくくりにしても花びらに見える部分の大きさによって品種が違います。
確かに一枚目の紫陽花の方が花びらが大きいように思います。ただし、色の違いは土壌の成分の違いで変わるようです。
紫陽花に少し詳しくなりながら進んでいくと、花手水がありました。
この時期に合わせて色とりどりの紫陽花が浮かび綺麗でした。不動明王も心なしか穏やかに見えます。
紫陽花のカラフルさと不動明王のモノクロのコントラストの鮮やかさにまず驚かされました。
そして、彫刻の立体感もあります。
規則正しく並んだ鳥居が圧巻でした。
このレンズを使ってみて一番に思った事は発色の鮮やかさです。
もともとどんな色でも素直な発色になることがNikonの持ち味だと思いましたがAPO-LANTHERを使うとより鮮やかになるように思いました。
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またあくる日、APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical VMをZ5につけてみました。
どちらかというと、Zマウントのものに比べてZ5で使用した場合は落ち着いた発色になるように思います。
特に、黒がZ用のアポランターと比べるとしっとりとした味わいがあるように思います。
次にこのレンズらしいところだと思ったところは、周辺減光です。四隅が大きく減光しているのが分かります。
この日は青空の広がる晴れの日でしたが、見たよりもあっさりとした色味になっていました。
壁のレンガの色が部分部分によって異なるのは、レンガの年代の違いです。
黒くなっているレンガはこの建物が建てられた当時に使用されていたままのものです。
昔と今に明確な線引きをせず、一緒になっているところが良いなと思いました。
この建物は、日本で最初の近代下水道施設です。
今からちょうど100年前の大正11年の3月に運用が開始されました。
中の見学も可能で当時の下水道処理の様子を学ぶことができます。
若干ではありますが、VMのアポランターの方が、ザワザワするようなボケになっているように感じます。
他のVMレンズではそのままピント面も柔らかったり、ゴーストやフリンジが出てくるレンズもありますが、そのようなことはありません。
また、ボケているところ以外はパッキリと写り、コンクリートのざらざらした段差などの描写も細かくできています。
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同じ名称で異なるマウントのレンズ2つを同機種で撮り比べてみました。
色味の鮮やかなAPO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical(ニコンZ用)と、
落ち着きのある穏やかなAPO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical VM。
2つのレンズで性格の違いがでて面白いと思いました。
次回はどのレンズをつけようか今からワクワクしています。