昨年の2021年10月1日に登場したNikonの「NIKKOR Z 40mm F2」。
発売から1年が経ちましたが、今でもご好評をいただいております。
フルサイズ用ながら小型軽量のフォルムはお出掛け用のレンズとしてもカメラにつけっぱなしのレンズとしてもとても便利です。
飛行機やバス、鉄道を使って遠方へ出かけることの多い筆者。
Nikonの「Z6II」と複数のレンズを所有していますが、日頃から装着しているのは本レンズです。
レンズの重さは170g。
無駄のないそのデザインはカメラに装着していても良い意味で存在感がありません。
機内などの狭い場所でも手荷物として気兼ねなく持ち込みでき、眼下に広がる景色を眺めながらその時々を撮ることができます。
地上から見る雲は大きさや形が様々あり見ていておもしろいですが、その雲を上から見るとまた違った様子が分かります。
一般的に雲の底は水蒸気の凝結のおこる高さが水平に揃うために平らに見えることが多いです。
そのため、下から雲を見ると形は様々ありますが、のっぺりと見えることが多いのです。
ところが上から見た際には雲の高さは不均一にあるのでより立体的に見えるのです。
上層雲と下層雲の間を飛んでいます。
上層雲の間から抜ける日差しが岬の突端を照らしている様子が分かります。
地上で太陽が雲に隠れたと感じる時も上から見るとこのようにその全体像が見えるのです。
開放F値がF2と明るくボケ感を出しやすいレンズですが、絞り込むことで全体にピントを合わせることも可能です。
飛行経路によっては海岸線をたどることがあり、その変化のバリエーションを楽しむことができます。
車で走ると勾配やカーブの連続で意外と時間がかかりますが、飛行機であればあっという間に過ぎ去っていきます。
到着後は馬の町を巡りました。
数々の名馬と再会したり、乗馬をしてみたり。
澄み渡る青空の下、筆者もリラックスできました。
その移動中はもちろんZ40mmを携えて。
そして厩務員の方のおすすめでミニチュアホースと触れ合える牧場へ。
広い放牧地の中に入り、ミニチュアホース達と同じ目線の高さになって思う存分癒されました。
牧場内の写真の絞りはいずれも開放のF2.0で撮影しております。
開放時、周辺部は若干ピントが甘かったり流れてしまったりするものの、やはりこの大きさ重さに勝るものはないです。
性能を追い求めるのであればNikon ZマウントのS-Line単焦点レンズも数多くラインナップしているので、付け替えれば済むのです。
とはいえ、中心部はしっかりと写ってくれるので被写体を中心に置くか、絞り込めばそれらは解消します。
また、最短撮影距離が29cmなので引くだけではなく寄ることもできるので表現の幅を広げてくれます。
コンパクトながら開放F2としっかり明るい本レンズ。
明るさによる大きなボケ感に加えて、絞り羽根が9枚なのでそのボケが自然なボケ感として表現できます。
AF駆動には、新開発の小径・高トルクのステッピングモーターを採用しています。
そのためAFは静音で素早いので狙ったところにスッと合い、ストレスフリーで撮影を楽しむことができます。
あっという間に日が暮れて帰りの時間。
お土産でいっぱいになったカバンを持っていても、レンズのおかげでカメラが荷物になりません。
首や肩にかけていても重心がカメラボディ側にあるのでブレることがないからでしょう。
今回は愛用しているFXフォーマット(フルサイズセンサー)の「Z6II」との組み合わせをご紹介しました。
40mmの画角は人の目に映る範囲に近く自然な構図づくりが容易なので、狙った瞬間だけでなく、ふとした瞬間に構えても迷うことなく撮り切ることができます。
一方で、ニコンDXフォーマット(APS-Cセンサー)のカメラにつけても楽しく撮影が行えます。
35mm判換算60mmとなり、中望遠レンズのように広すぎず狭すぎない画角としてポートレート撮影等でも活躍します。
ニコンミラーレスカメラの機動力を最大限に活かせる、小型・軽量の「NIKKOR Z 40mm F2」。
どこに持ち出すのも苦ではないそのサイズ感は、お散歩レンズとしても、つけっぱなしのレンズとしても何にでも使いやすい万能レンズそのもの。
多くの方におすすめでございますので、是非一度お手に取っていただければと思います。