【Leica】SL2とアポズミクロン SL90mmF2.0 ASPH.で冬の穏やかな午後を歩く
2023年も残すところあと僅か。筆者は主にLeica M11を使って当ブログを書いてきましたが、今年最後のブログなのでいつもと違う気分で撮影に臨むべく
『Leica SL2』と『アポズミクロン SL90mm F2.0 ASPH.』を持ち出して撮影に行って参りました。
普段はM型ライカで街や自然公園を撮ることが多い私ですが、今回は機材の大きさや重さが違うSLシリーズを使用した所見を綴ります。
逆光耐性を見るべく撮影した1枚。
このレンズは開放~F8まで絞っても最周辺部以外はMTF曲線がほぼ変わらず、解像度、コントラストが良好なことはライカ公式サイト確認していたので、あえてF2開放で撮影してみました。
太陽がビルの窓に強く反射してまぶしいシーンでしたがゴーストやフレアもなく質感、解像感ともに満足のいく仕上がりになりました。
続いてはF5.6で撮影した1枚。フルサイズセンサーのカメラで風景や建築物を撮る場合、
F11から16まで絞るのが定番ですが小絞りボケで解像感が下がることを避けるためF5.6に抑えました。
繊細な線の描写、明部と暗部のコントラスト、立体感に圧倒されました。
この日は雲が特徴的に見えたので空を構図に入れた写真を多く撮りました。繊維のようなキメ細かさが筆者のお気に入りです。
開放F2で最短撮影距離(60cm)での1枚。
アポクロマート仕様のおかげでハイライトの部分に紫や緑の色収差が出ることもなく硬質な金属を美しく描写することができました。
こちらも絞り開放で最短撮影距離で撮りました。90mmのレンズで60cmの最短撮影距離は短い方で
ポートレートのクローズアップショットだけでなくお花や食べ物の撮影にも使えるなと思いました。
前ボケや後ボケが素直で色再現も良くLeica SL2のJPEG撮って出しの画作りに舌を巻きます。
秋の残りを楽しむべく記念に撮影。イチョウの黄色と青い空のコントラストが映えます。
手前真ん中辺りの枝に開放でピントを合わせ奥のイチョウが後ボケとして引き立て役になることを狙いました。
自然な解像感とフィルムモード”STD”の画作りは何も手を付け加えることなく、筆者には満足の仕上がりとなりました。
人懐っこく都会の街でよく見かけるハクセキレイ。
普段Leica M11を使ってMFで撮影している筆者がAFを使える喜びから思わずチャレンジしたカット。
スポットAFで何枚も撮ってなんとか横顔をとらえることができました。
2枚目の写真は特大トリミングしただけですが羽毛の繊細さや細く硬そうな足の質感が伝わってきます。
ライカSLシリーズのマエストロエンジンの画作りとSLレンズの描写力の高さを実感いたしました。
今回、屋外で短い間使用して感じた事は、
SL2の厚みがあるグリップと内側のくぼみがカメラをホールドしやすく、ネックストラップを手に巻き付けて片手で街を歩きつつ気になった時に撮影するスタイルが合うということです。
重量はありますが、ボディ内手振れ補正と合わせて構図作りが安定して行え、EVFも気持ちが良い見え味で写欲を高めます。
現代設計のSLレンズと、アダプターを使い独特の雰囲気が魅力的な往年のMレンズも味わえる、ハイブリッドなLeica SL2。
まだまだその魅力を深掘りしたくなるカメラであることは間違いなさそうです。