【SONY】G Masterで捉える冬の光
SONYSONY G Master/G lensα7R Vα9III 120コマ/秒対応カメラの楽しみ方スタッフおすすめ機材冬の煌めき単焦点を楽しむ
冬の光と夏の光、厳密に言えばそれらの太陽光となりますが、その違いを意識した事はありますでしょうか。
夏は高い位置に太陽が昇り、相対的に距離も近くなるためほぼ真上からの強い光となります。
そのため生まれる影も濃くコントラストが高くなります。
対して冬は太陽が高い位置まで上がり切らず、比較的低い位置から斜めに入ってきた光が届くため、
夏の太陽よりも距離が遠い事で光自体がやや弱く、生まれる影は夏程濃くはなくなります。そのためコントラストがやや低めな状態になります。
どちらにも良さはあると思いますが、私個人としては冬の光の柔らかさがとても好みです。
今回はその冬の光をG Masterレンズで捉えて参りました。よろしければご覧ください。
α7RV + FE135mm F1.8 GM ss1/1000 ISO100 F1.8
教室へ注ぎ込む麗らかな光を捉えてみました。
廊下から教室が覗ける窓があったので、中望遠の圧縮効果を利用しつつその窓越しに室内を撮影致しましたが、窓に反射する景色が良い前ボケとなってくれたと思います。
α7RV + FE135mm F1.8 GM ss1/1000 ISO100 F1.8
お次は教室の中、窓辺から差し込んだ光です。
窓を1枚抜けているからというのもあるとは思いますが、光が回っている部分の影は輪郭がおぼろげで強くありません。
夏であれば床に当たっている光はハイエストライトとして完全に飛んでしまうと思われますが、冬であれば心地良いハイライトを作り出してくれました。
α7RV + FE 50mm F1.4 GM ss1/2500 ISO100 F1.4
窓際に佇む結われたカーテンが柔らかな光を帯びて印象的でした。
光と影、カーテンのシルエットを見せたかったのでモノクロで仕上げます。
α7RV + FE135mm F1.8 GM ss1/320 ISO200 F1.8
写真右サイドには窓があり、そちらから直射ではない光が射し込み仄かに室内を明るくしていました。
ふすまに仄かな光が当たる事で浮かび上がった木目をパシャリ。侘び寂びを感じる一枚になりました。
α7RV + FE135mm F1.8 GM ss1/250 ISO200 F1.8
ピントを置いている部分も滲んでいますが、実はこちらはガラス戸越しの一枚となっています。
古い建築だったため、使われているガラスも今ほど平坦ではなく、ところどころがうねる事で光がランダムに屈折しているのでしょう。
使用しているレンズはパキパキと写る中望遠ですが、ブラックミストやソフト系のフィルターを使用したような柔らかさと、優しいコントラストの写真となりました。
α7RV + FE 50mm F1.4 GM ss1/400 ISO100 F1.4
こちらは画角を変えてガラス戸を通さずに一枚。こういう光って無限に撮りたくなってしまう魔力があると思います。
α7RV + FE 50mm F1.4 GM ss1/640 ISO100 F1.4
庭に差し込む光に照らされたツバキが印象的だったのでパシャリ。
このくらいの距離感でも前後共に嫌味なボケ方になる事もなく、ピント面はスパッと立ち上がっている事が分かる良いレンズです。
野外でも強く影が落ちることはなく、どこかアンニュイな雰囲気があるのが冬の光といった印象。
α7RV + FE135mm F1.8 GM ss1/800 ISO100 F1.8
同じシーンを中望遠に切り替えて撮ってみます。画角が変わる事で同じ位置から撮影してみても異なる印象の写真に出来るとは思いますが、せっかく70cmまで寄れるレンズなので、最短に近い距離で手前のツバキを前ボケにしつつ奥のツバキにピントを置いて捉えます。
α7RV + FE 50mm F1.4 GM ss1/500 ISO100 F1.4
夏であれば完全に飽和してスコーンと抜けてしまいそうなハイライト部分も、冬であればギリギリ踏みとどまってくれるラインに収まっているかと思います。
ハイライトからシャドウまで、無理なく収めやすいのも冬の光の特徴ではないでしょうか。こちらは奥へとピントを送る事で、視線の誘導するように構図を作ってみました。
最外周部は口径食で少し巻く様な印象のあるボケになっていますが、絞りを開けているのであれば仕方のない事。画面中心部から周辺部へかけての前ボケは非常になだらかで違和感のない描写です。この辺りもボケと解像力の両方を兼ね備えたG Masterならではの写りと言えるでしょう。
冬の光を2本のG Masterレンズで捉えてみましたがいかがでしたでしょうか。
その時々で表情を変える光を可もなく不可もなく、余すことなく写し取っている印象を受けました。誇張するような味付けもなく、素直で使いやすいレンズ。
これを使えば間違いないという安心感から、やや無茶な構図や露出での撮影も行っていましたが懐の広さを感じる2本でした。
今回はこの辺りで。