2023年 11/8に発表。同月の16日から予約開始となり、今月1月26日に発売を控えた「α9III」
刻一刻と迫る発売日を前に「α9」ユーザーとして個人的に思うことを書いていこうと思います。
※本記事に掲載されている「SONY α9III」の作例は『α SPECIAL EVENT 2023』にて撮影を行った写真となります。
以前、このような形でフラグシップ機の登場について自身の気持ちを執筆しました、
私自身、当時はフラグシップの立場を「α1」に取られるような寂しい気持ち反面、日々進化していくミラーレスカメラの情勢に心を躍らせておりました。
そして今回新たに登場した「α9III」
「α1」の登場の時よりも心が躍ってしまうことは想像に難くありません。
まずは、ざっくりとスペックから。
静止画
・有効約2460 万画素メモリー内蔵フルサイズ積層型CMOSイメージセンサーExmor RS
・高速処理が可能な画像処理エンジンBIONZ XRとグローバルシャッターを搭載
・ブラックアウトフリーでAE/AF追随、最高約120コマ/秒の連続撮影が可能
・「リアルタイム認識AF(オートフォーカス)」で、高精度かつ多種類の被写体を認識
・専用のフラッシュで1/80000 秒まで同調可能
動画
・グローバルシャッター搭載によりイメージセンサーが歪みのない映像を実現
・αシリーズ初、4K/120pでもクロップなしの動画撮影
・編集の自由度を高める16bit RAW外部出力
・グレーディングを前提とした本格的な動画撮影が可能な「S-Log3」搭載
α9ユーザーからしてみれば、この変化は大きすぎます。進化したところをあげるとキリが無いくらいの進化。
特に私が注目した進化した点を挙げますと・・・
【連写】20fps→120fps
【AF性能】瞳AF(人物/動物)のみ→AIプロセッシングユニットにより多くの被写体(人物/動物/鳥/昆虫/車/列車/飛行機)を自動検出可能
【ストロボ】1/250→全速同調
【動画】4K/30p→4K/120p
筆者が良く使う機能だけ書き出しても、初代α9とは全く別物である事が分かります。今回は特に皆様にもご紹介したいα9IIIの特徴をピックアップしてご紹介します。
・有効約2460 万画素メモリー内蔵フルサイズ積層型CMOSイメージセンサーExmor RS
・高速処理が可能な画像処理エンジンBIONZ XRとグローバルシャッターを搭載
「積層型センサー」これは上位モデルに与えられた言わば「特権」のようなものだと個人的には思っており、多くのカメラでのメリットとして認識されているのは電子シャッターでもローリングシャッター歪みが抑えられ、従来では出来なかった領域の撮影ができるようになった点だと思います。
高速シャッターや連写を頻繁に使う筆者は連写コマ数の増加も相まってこの特権であるセンサーを積んだ「α9」を発売日の当日に喜んで購入に至りました。その後「α9II」と続き、2021年に新たなフラグシップモデルとして「α1」が登場。「α1」にも「α9シリーズ」の特徴であった積層型センサーが搭載されました。
それにより今後のフラグシップや積層型を搭載した新しい高速読み出しに対応したカメラは「1」が冠されると思っていました。
その矢先にこの「α9III」の発表は凄く衝撃で「9」にも新型が出る事実に感動したのと同時に、どういうスペックで発表されるのか非常に気になっておりました。
待ちに待ったα9の新型が出るという衝撃。そして実際発表されたスペックを見てみたら2度の衝撃を受けました。それは「グローバルシャッター」の搭載です。
グローバルシャッターって?と思う方もいるかもしれません。聞きなれないシャッター方式だと思いますし、普段カメラの話題にはほとんど出て来ないワードだと思います。筆者自身もふわっと聞いたことある程度でした。
このグローバルシャッターに関してものすごく簡単にまとめますと
今までのシャッター方式は、メカ・電子関係なく「ローリングシャッター」というシャッター方式で、仕組みとしましてはセンサーを上から下に順番に読み込んでいく方式です。
メカはシャッターユニットに組み込まれたシャッター幕が物理的に動く事で、電子は物理シャッターではなく上から下に電気的に読み込みを行い撮影をする方式です。
それに対してグローバルシャッターは、センサー全体で同時に読み出しを行うシャッター方式。
センサー上下の読み取り誤差が全く発生しない革新的な技術です。
グローバルシャッターを搭載することにより、従来のローリングシャッターのデメリットであった1/8000を超える高速シャッターを用いた際に起こりうる動体の歪み・フリッカー現象、電子シャッター利用時のストロボとの同調速度が下がる、これらが全て解消されます。
フルサイズイメージセンサーとして世界初の偉業です。
・ブラックアウトフリーでAE/AF追随、最高約120コマ/秒の連続撮影が可能
α9ユーザーにとってα1の秒間30コマというだけでも、当時は「もう動画の領域。」とか「撮れない被写体は無いんじゃないの?」思っていたのですが、そのさらに上の上を行く秒間120コマ。秒間60コマを飛ばして120コマ、実質120fpsということなのでこれは「もうスチルで撮るスロー動画じゃないか。」なんて思ってしまいました。
今までだとバーッと連写してデータを確認する時、「今回は上手くいったかも」とか「今回はちょっと微妙かも」みたいなのが感覚的にあったのですが、秒間120コマだともう目に見えているスピードのその上の領域。自分が思ってもみない当たりカットが入っていてもおかしくないレベルなのではないでしょうか?
120コマあれば、こういったスポーツ撮影ではほぼ狙ったシーンで止めることが出来てしまいます。
これほどのスペックがあれば、普段からスポーツの撮影をされない方でも撮れてしまうのでは・・・?と感じてしまう程でした。
・専用のフラッシュで1/80000 秒まで同調可能
このグローバルシャッターの恩恵が受けられる撮影って自分にとってあるのでしょうか?そう考えた時に真っ先に思い浮かぶのは筆者の場合だとストロボを用いた撮影だと思いました。
現状では純正の対応機種のみではありますが、ストロボ同調が1/80000まで対応しているところです(※F1.8より明るいレンズは1/16000まで)
最初1/8000と見間違えてしまいました…。正直1/8000でも驚きなのに、1/80000までの同調なら屋外のピーカンでも空に露出を合わせる為にNDフィルター類を持ち出すことなくカメラだけで完結してしまいます。
とは言え、NDならバリアブルを持ち出せば、ある程度の濃度幅であれば1枚で間に合うと思います。しかし、バリアブルNDにはケラレとX(クロス)ムラという明確なデメリットが存在します。特に広角レンズを使うとこの2つは顕著に表れますので使うレンズを制限されます。
従来の運用でもHSS(ハイスピードシンクロ)も使えば、最大で1/8000までは対応出来るケースもありますが、HSSはストロボ本体に非常に大きな負荷がかかります。ストロボによっては、表面の発光部が溶けてしまったり熱で一時的に使えなくなってしまう事もあります。もっと言えば、チャージサイクルが通常発光よりも長くなるためレスポンスが悪くなります。
こういったトラブルはストロボ撮影においてはよくある事象となっており、撮影が止まってしまったりで非常にストレスになります。これが1/80000まで通常発光での使用が出来るので結果としてストロボ本体の負荷を抑えることが出来ます。
さて、ここからは筆者が特にいいなぁと感じた従来機との外観の比較・変更点を書いていこうと思います。それはAF-ONボタンの大型化です。画像を見ていただくと分かる通り、実はα9IIから今の世代と同じような非常に押しやすい形状になっています。α9IIの頃からこの変化はかなり気になっており、触ってみた結果グッと押し込まれてくれるのでとても押しやすく、当時この為だけα9Ⅱに買い替えたいと感じたほどのAF-ONボタンでした。これが今回のα9IIIにも使われているのが分かります。細かい操作感の部分の話ではありますが、α9IIやα9IIIの形状だと親指の腹で押し込んでおけるので、α9よりもグリップをしっかりホールドしたまま押し続けることが出来ます。
α9IIの頃は、α9と比較とした時に劇的な変化というよりは、フリッカーレス撮影に対応したりインターフェイス周りが強くなったりと痒いところに手が届くと言いますか、プロの方が使っていて物足りないと感じたポイントを解消するような形でリリースされました。
その為、アマチュアである筆者にとってメリットとなりうるであろう操作性の向上だけでは買い替える動機としてはちょっと弱かったので今もなおα9を愛用するに至ったわけです。
現状、自分がα9で撮影する被写体は人物や動物が中心です。
数年前に一度修理をして以来、プロユースの方ほどガシガシ使っているわけではないからかもしれませんが、特別不具合なく今もなお現役で初代α9を使えているのは我ながら驚きです。
しかし、カメラ好きとして大きく自身の機材のグレードアップができるならしてみたいと思ってしまうのが性。
グローバルシャッターは自身の中でオーバースペックかどうかなど気にならないくらい待ちに待った念願の「9」シリーズの新型。スペック云々よりもまず嬉しかったの一言。
α9登場時は世界初の積層型フルサイズセンサー、α9IIIで世界初のフルサイズグローバルシャッター搭載と9の系譜は世界初を2度も生み出しているシリーズ、フラグシップにも匹敵する高水準の本体性能!
「世界初」!「フルサイズグローバルシャッター」!これはとてつもなく欲しい…!
α9IIIは世界初のグローバルシャッターが搭載されている「唯一無二」の存在として1月26日に爆誕します。
唯一無二の存在こそが、今後のミラーレス一眼の可能性を広げる先駆者となるのです。その最初の存在として現れたα9IIIは歴史に名を残す一台となるのは間違いありません。
以上、α9ユーザーの独り言でした。次にお会いする時はα9IIIユーザーになっているかもしれません。
▼先行体験レポートはコチラから確認できます!▼
【SONY】α SPECIAL EVENT 2023 で「α9III」「FE 300mm F2.8 GM OSS」を体験!
▼「α9III」にお勧めのレンズ特集はこちらから!▼
▼絶賛発売中!ネット注文で2年間保証付!!▼
▼歴代「9」シリーズの中古はこちら!▼