【徹底比較シリーズ】常用ISO102400の世界。EOS R6 vs α7SⅢ
CanonCanon L lensEOS R6SONYSONY G Master/G lensα7S IIIスタッフおすすめ機材ズームレンズを楽しむ厳選アイテム徹底比較シリーズ春日和
ー 皆さんが感じるISO感度の限界はどれくらいでしょうか ー
現在、デジタル一眼カメラの世界では一眼レフからミラーレス一眼へと進化し様々な機能が向上しています。
その中でも特に被写体認識精度が飛躍的に向上し、フォーカス関連はカメラに任せておけば自動で合わせてくれて、あとは好きな画角でただただ思うがままにシャッターを切るだけで写真を撮ることができるようになりました。
これは言いすぎかもしれませんが誰でも写真家になれると言っても過言ではないと思ってしまうほどです。
ただ進化はそれだけではありません。そうです。ISO感度の進化が凄まじいのです。
デジタル一眼レフ時代は大体のカメラの常用ISO感度が12800~25600前後になっている場合が多かったのですが、現在のミラーレス一眼カメラは51200~102400まで利用できるようになっております。
所謂、ノイズ耐性がかなり向上したということなので写真のクオリティも上がったと言えるでしょう。
ここで今回は驚愕の常用ISO感度102400のスペックを持つ下記の2機種でノイズ耐性であったりスペックの違いなども含めて比較をしていきたいと思います。
- Canon EOS R6…約2010万画素(2020年8月27日発売)
- SONY α7SⅢ…約1210万画素(2020年10月9日発売)
まずそれぞれのカメラですが、Canon EOS R6はミラーレス一眼カメラのNEW STANDARDを謳ったベーシックモデルで、SONY α7SⅢは高感度性能と広いダイナミックレンジによる表現力の豊かさと動画機としての一面も持つα7Sシリーズ新世代モデルとして登場しました。
このコンセプトの違う2機種には常用ISO感度102400という共通点がありますが、画素数や色の特性、機能面でも様々な違いが確認できましたので順番にチェックしていきたいと思います。
今回はホワイトバランスをオートの「雰囲気重視」設定にし、それぞれのメーカーのホワイトバランスの特徴も確認していきたいと思います。
上の2枚も同じ設定でできる限り同じアングルで撮影を試みてみました。
手前のバラの色はあまり変わりませんが後ろの黄色のチューリップの色がかなり変わっているのが分かるかと思います。
本当の色は黄色でしたのでこちらの写真の色再現性はCanonの方にありそうです。
念の為もう1セットISO12800で確認をしてみましたが色味に関しては同一の結果となりました。
ただRAW現像すればどちらも色味はある程度に整えられますのでシンプルに好みの話になるかと思います。
そして注目すべきはISO8000やISO12800でこのノイズの少なさです。
やはり両機種共に素晴らしい高感度耐性を持っており、暗所での撮影も怖くありません。
この日は風も強く被写体ブレを起こす可能性が非常に高い環境でしたのでシャッタースピードを上げざるを得なかったのですが、ある意味高感度耐性チェックには最適な日でした。
本来ならISOをできるだけ下げたいのでシャッタースピードをブレないギリギリに設定したいところですが、ここはしっかり1/400の設定で撮影していきます。
少し画角が変わってしまいましたが皆さんの目から見てISO20000のノイズ感はいかがでしょうか。
背景のボケの部分にはノイズ感が目立つようにはなってきておりますがピント面の花びらのディテールは崩れることはなく両者ともにしっかり描写してくれていると個人的には感じます。
ノイズ処理の仕方が上手くなっていることにより、撮影環境が悪くても安心してISO感度を上げて撮影できるので夜間撮影も難なくこなせるでしょう。
今回、高感度時の色味の違いも比較してみようと思い5000Kに固定してISO40000で撮影してみました。
ご覧の通り色味が全く違うのがお分かり頂けるかと思います。
ある程度レンズの特性もあるかとは思いますが、α7SⅢは緑の色情報をしっかり残し写し取れていることがよく分かります。
EOS R6のセンサーはEOS R6 MarkⅡよりもマゼンタ寄りの色味が強く出る印象で、ISOが上がる事でより顕著に現れる場合がありますので色味の違いはISO40000という数字も原因の一つかもしれません。
そして改めて他の写真も比較して見てみると黒の締まりが早いのはEOS R6の方だと感じます。
この違いはα7SⅢの画素数が少ないことによるダイナミックレンジの広さのおかげかもしれません。
ただ流石にISO40000まで上げると両機種共にノイズ感がかなり目立ってきておりますので、実用可能かどうかは利用者側で判断がそれぞれ必要になりそうです。
そして、高感度耐性以外にもこの二機種では動画性能の面で大きく違いがあります。
EOS R6は4K60pまで撮影が可能ですが、映像圧縮形式が容量を小さくするIPBのみとなっており細かい動画編集の際は処理が重たくなる傾向にあります。(Full HD120pのみALL-I対応)
しかしα7SⅢは4K120pまで撮影可能で、IPBも対応しつつもALL-Iという容量はIPBの3倍近くになりますが動画編集などに向いている形式に対応しております。
そのためEOS R6はSDカードのダブルスロットですが、α7sⅢはCFExpress TypeAが対応しており大容量のデータのやり取りが必要な動画形式も問題なく利用できるようになっております。
そしてα7SⅢは最新のファームウェアにアップデートするとブリージング補正も利用できるようになりますので更に動画機としての魅力を感じさせてくれます。
常用ISO感度102400という圧倒的な高感度耐性を提供するためにできる限り低画素でセンサーを作るという事が必要となっておりますが、実は低画素が故の弱点もあります。
これはα7sⅢのみで言える事なのですがAPS-C用のレンズを取り付けると4K撮影ができないのです。
4K動画というのは約800万画素なのですが、約1210万画素をAPS-Cクロップすると動画の16:9で約410万画素程度になります。
EOS R6はAPS-C用レンズを付けても4K撮影が可能ですので、このあたりもボディ選びの一つのポイントとして見て頂くと良いと思います。
ただレンズによっては動画撮影時の手ブレ補正を“アクティブ“に設定することにより、設定でクロップせずにフルサイズのままAPS-Cレンズを利用すると動画撮影時に周辺のケラレが軽減され実用可能レベルになる場合があります。
そうすれば4K撮影をAPS-C用レンズで利用いただくくことも可能となりますので、欲しいAPS-C用レンズが実用可能レベルのケラレなのか確認してみて頂ければと思います。
ここまで語り尽くして参りましたがいかがでしょうか。
ISO感度を気にせず撮影できるようになったと言っても過言ではないほどの高感度耐性を持った昨今のカメラ達は素晴らしい写真のクオリティを提供してくれます。
個人的に筆者はEOS R6を利用しているのですが、一眼レフ時代から考えると高感度ノイズを気にする事が少なくなりかなりストレスフリーになりました。
もし高感度耐性にお悩みの方がいらっしゃれば是非この2機種を触ってみていただき、より良い快適な写真撮影体験をして頂ければと思います。
今回ご紹介しきれなかった機能や特徴などについてもMapTimesでは様々な記事でご紹介しております。
他に気になるカメラやレンズがございましたら右上(スマートフォンは右下)の虫眼鏡マークから検索していただき役立ち情報をゲットして頂ければと思います。
最後まで御覧いただきありがとうございました。
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