『Leica Q3』が発売になってから来月で1年が経とうとしています。
発売当初から今でも人気でお問い合わせが絶えないカメラです。
普段、レンズ交換式カメラを使うことが多い筆者がレンズ一体型カメラである『Leica Q3』に触れてみて感じた魅力についてお伝えします。
気持ちが良い青空と雲が目に入りシャッターを切った1枚。
28mmF1.7のズミルックスのレンズが付いていますが、レンズ一体型のため、
さっとカバンから出して撮り終わったらすぐしまえる手軽さが、カメラを持ち出す意欲を向上させます。
576万ドットのEVFは色味がとても自然で、小さな内蔵式とは思えない見やすさです。
天気が良い日だと背面液晶モニターでは構図や露出、色等が分かりにくいですが、
『Leica Q3』の見やすいファインダーがあるので快適に撮影できました。
奥に細長く続く、抜けが良い道がお気に入りの筆者。
普段50mmのレンズで絞り開放で撮ることが多い習慣で開放F1.7で撮った1枚。
ピントは手前の標識に合わせて撮影しましたが、PCのモニタで拡大してみて驚きました。
開放F1.7から葉っぱの1枚1枚を鮮明に解像しながら、画面中央奥の人と車は筆者の思惑通りアウトフォーカスになっています。
6030万画素のフルサイズセンサーとズミルックスレンズの描写力の高さに感心いたしました。
ライカの最新画像処理エンジンである「Maestro IV」が作り出す色味は自然で肉眼で見た印象に近いと感じます。
今回『Leica Q3』で多用したのは撮影時のトリミング機能であるクロップです。写真は75mmの画角で使用しています。
背面に2つ、上部に1つ好きな機能を割り当て可能で、筆者は背面左のボタンにトリミング機能を割り当てました。
元の28mmの画角から35mm、50mm、75mm、90mmと1回ボタンを押すごとに画角を表示するフレームの幅が狭まっていきます。
フレームの外を見ながら構図をその場で整えられる機能はM型ライカのレンジファインダーゆずりで、
初めてQシリーズを使用される方にも違和感なく使えると感じました。
クロップと『Leica Q2』からの進化点であるチルト液晶を使った写真です。
主にファインダーをのぞいて撮る方も、一度使うと改めてその便利さに気付くと思います。
この日は都内のバラが綺麗な庭園で撮影したのですが、今が見頃で鑑賞している方も多く、
撮影できる道幅も狭いのでなかなかしゃがんで撮るのが難しかったです。
中腰の状態で撮るにも暑さと合わせてなかなかハードなので、チルト液晶のありがたみを感じました。
28mmの単焦点だと花壇にさえぎられ、なかなか寄れませんが、カメラ内トリミングで75mm相当で撮影ができました。
ファインダーをのぞく時と普段のきき目が違う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
かくいう筆者も普段は右目がきき目で、ファインダーをのぞく時は左目がきき目です。
ですので、縦位置にカメラを構えた時でもちょうど左目の位置にファインダーがくるので
のぞきやすく撮影に集中することができました。
ファインダーは被写体への没入感を高め、構図に集中できるメリットがあります。
レンズをMACROモードに切り替え、できる限り近づいて撮影した1枚。
通常時でも最短撮影距離が30cmとだいぶ寄れますが、マクロモードに切り替えると17cmまで接写可能です。
マクロレンズに交換することもなく、クローズアップレンズを付ける手間なく、
リングを回すだけで接写できるのでとても便利です。
28mmと画角が広いレンズで、なおかつ寄れるのでテーブルフォトにも最適で普段使いから旅行にも最適です。
上から28mm、75mm、90mmと画角を変え撮影しました。
90mmになって画素数が落ちても葉っぱの質感や解像感は損なわれず、十分鑑賞に堪えうると思います。
ベースが28mmのレンズなので開放F1.7で90mm相当のトリミングで撮影しても
90mmの単焦点レンズほど背景がボケすぎないのも良いところです。
いかがでしたでしょうか。
発売から多くのお問い合わせを頂いている『Leica Q3』。
手に入りにくいものだからこそ欲しくなるのが人の性ではありますが、
筆者はレンズ一体型のカメラに対してどこか一歩距離をとって見ていました。
ところが今回、初めて『Leica Q3』に触れ、その使い勝手の良さと画質、
気軽に持ち運べ、鞄から出し入れできるサイズ感に欲しくなるのもうなずけると身をもって実感しました。
カタログスペックをながめたり、作例を見ているだけでなく
実際に持ち歩いてフィールドで撮影してみて良さが分かるカメラだと改めて思いました。