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【etc.】”もう一つの復刻ノクチ” Light Lens Lab M NOCTILUCENT 50mm F1.2 ASPH.を考える

【etc.】”もう一つの復刻ノクチ” Light Lens Lab M NOCTILUCENT 50mm F1.2 ASPH.を考える

Noctilux M50mm F1.2といえば世界初の非球面使用レンズとして発売され、
現在では希少な為なかなか手が出せない値段になりました。
Leicaでも復刻レンズとして同レンズのブラックアルマイト版が販売されています。
しかしお値段は復刻でも100万を超えてしまう訳で、なかなか考えてしまうもの。

今回新たに発売された「もう一つのNoctilux」、Light Lens LabのM NOCTILUCENT 50mm F1.2 ASPH.は
同社のレンズとしては高価ながらもノクチ50mm F1.2と思えば破格の内容で発売されました。
所謂「周八枚」や「周エルカン」等のシリーズの最新作。通称「周ノクチ」と呼ばれるものです。
使用した感想は非常に使いやすいレンズ。開放もクセはあれど描写の味と実用性を上手く両立しています。

開放、ほぼ最短撮影距離での撮影です。
滲み具合やボケのクセっぽさは良く出ており、ピント部分はしっかりと写っています。

こちらも開放です。周辺減光の大きさや落ち着いた描写です。
大口径レンズは非常に光の状況によって露出もかなりバラつく事があり、露出補正で上手く制御します。
特に滲み等も目立たず硬すぎず柔らかすぎない絶妙な描写。筆者としてはこの位の写りが非常に好みです。

少し絞って見ると現代的な写り。このレンズはやはり開放から半段絞り位で使っていきたいものです。
M11と使用していたのでコントラストがもう少し高くなると思っていましたがやや落ち着いた色調。
非常に使いやすく、コレ1本で様々な表情が楽しめます。

作られたのは現代であっても、設計は1966年のものを再現している事から周辺の収差等はかなりのもの。
オールドレンズっぽさがしっかりと出ており、若干渦を巻くようなボケが特に示しています。

 

少し距離を離して撮影すると描写もかなり安定するので3-10m辺りで撮影してみると、
使っていて違和感を感じずF1.2という開放値ながらもピントが掴みやすく苦労する場面は殆どありませんでした。

日本でスナップをしているはずが、何だか異国情緒があります。
初夏の湿度の高い雰囲気がなんとなく伝わってくる1枚。風情のある写りで夏休み等にもこのレンズを
積極的に使っていきたい気持ちになっていきます。

一番撮影した中で綺麗だと思ったのはこの写真。
周辺減光の落ち具合やハイライトがはっきりと明るくない描写に品の良さを感じます。
実は開放での撮影、思い切り拡大するとフリンジや滲みも見られるのですが総合的に見て
非常に良く纏まっています。

F1.2という明るさだから撮影できる1枚。
周りの情報を落として絞りたい対象を浮き上がらせるのは大口径レンズのメリット。
但し看板の白い部分にパープルフリンジが発生しています。光源の強さや対象の明るさ等で発生しやすく、
モノクロームで使用するというのも潔い選択です。

夜間に撮影すると街灯の光源にはほぼ確実にパープルフリンジが発生…
ここはレンズの特性上致し方ないところ。強い光源をできるだけ構図から外して使うのがこのレンズを
快適に使う方法の1つだと感じました。

ライカボディとの組み合わせで暗部の階調もかなり粘っています。
反射するビンの質感も良く夜にも積極的に持ち出したくレンズ。撮れば撮るほど様々な表情を見せるので
流石に短時間ではその全貌が掴み切れません。

夜の散歩に東京タワーをぶらり。
オールドテイストのレンズという事で、しっかりとゴーストやフレアも発生。
使っていて発生したのはこの1回のみだった為、どこまで逆光に耐性があるのかは確証はありませんが
ズマリットや同年代付近のズミルックスと比べると少しは耐性がありそうです。
「むしろこの位がちょうどいい」となんだか頷きながら撮影してしまいます。

 

 

オリジナルを踏襲したイエローコーティングのレンズですが、実際に撮影するとカラーバランスは
やや寒色寄りです。最後に周ノクチと復刻版ノクティルックス M50mm F1.2 ASPH.ブラックアルマイト、
そしてオリジナルのノクティルックス M50mm F1.2の画像を比較してみましょう!

Light Lens Lab M NOCTILUCENT 50mm F1.2 ASPH.(周ノクチ)

Leica ノクティルックス M50mm F1.2 ASPH.ブラックアルマイト

Leica ノクティルックス M50mm F1.2(非球面) オリジナルモデル

こうして見て見るとぱっと見では何がどう違うのかいずれのモデルも判別がこのサイズでは難しい程。
よく見るとボケ方等が少し異なります。周ノクチがややボケ味が大きく、ライカのノクティルックスは少しボケが
硬いのかボケている部分のディテールが周ノクチよりもハッキリしている印象です。

M11のオートホワイトバランスの影響によるものかもしれませんが、
周ノクチ→オリジナル→ブラックアルマイトの順番で寒色から暖色へ変わっていく傾向もありました。
なかなか全容の見えないレンズです。それほどにまで奥が深いレンズなのかもしれません。
鏡胴の大きさもちょうど良い事も含め、使いやすく尚且つ実用性と趣味性のバランスが取れた優秀な1本。
お値段はおよそ本家復刻モデルの1/3でありながら、オリジナルの雰囲気を持たせつつ使いやすくなっています。

そろそろボーナスシーズン。試してみたい方は店頭でお試しいただけます!
ちなみにこの周ノクチ、全カラー併せて世界限定800本。気がついた時には既に完売…という事も。
ご検討はお早目に!




[ Category:etc. Leica | 掲載日時:24年06月24日 19時00分 ]

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