【FUJIFILM】GFX 100Sとマウントアダプターで拡がる1億画素の世界
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関東は梅雨入りしたことを忘れるぐらいの暑さの中、『GFX 100S』にSHOTENのマウントアダプター『LM-FG IV』と
『HELIAR CLASSIC 50mm F2 VM 250周年モデル』を組み合わせて出かけて参りました。
今まで筆者はM型LeicaやSLシリーズで当ブログの記事を投稿してきたのでフジフイルムのカメラを使用するのは初めての機会になります。
また、35mmフルサイズ用のレンズを、よりセンサーサイズの大きい中判デジタルに付けるという遊びも今まで敬遠してきましたが、
新たな世界を開き知見を拡げるため挑戦してみました。
カメラのマウント部分は一般的にバヨネットやスクリュータイプを採用しているものが多いです。
今回使用したアダプターも何も考えずにレンズのマウントを試みたらレンズが回りません。
「あれ?」と首をかしげていたらなんとスピゴッドタイプでした。
マウントアダプター外周部にLOCKと記載がある意味がようやく分かりました。
『HELIAR CLASSIC 50mm F2 VM』を今回使用したマウントアダプターに装着すると、開放F2からF5.6あたりがオールドレンズの開放付近で出る周辺減光レベルのケラレですが、F8以上に絞るとレンズの絞り羽根が物理的にケラれ、やや大きく周辺が暗く落ちます。
そのためF4付近のケラレが写真に丁度良いアクセントになると思い使用しました。
この日の天気は快晴で、青空と白い雲をバックに鮮やかなピンクの花のコントラストがパッと目についたので思わず撮りました。
柔らかなボケ感とわずかにアウトフォーカスになった葉のシルキーな質感が『HELIAR CLASSIC』らしいオールドテイストの味わいを感じます。
『GFX 100S』は1億画素をもつラージフォーマットのカメラであり、中心から周辺部まで解像感を味わうためには
純正の高性能レンズを使うのが妥当な選択です。
しかし今回撮影した日は東京の最高気温が34℃と、真夏かと思うぐらいの暑さで
高性能、高画質を追求した大きく重たいレンズを付けて撮影に出歩くのは心理的なハードルがあがります。
その点MマウントのMFレンズはそんな気温の中でも気軽に持ち出そうと思えるサイズでこれも性能の一つといえます。
いざ撮影してPCの画面で写真の中心部を拡大していくと、肉眼では見えなかった
ディティールがどんどん溢れてきてラージフォーマットセンサーの実力を垣間見ることができました。
普段M型ライカやSLシリーズを使う時に色味の設定はスタンダードモード固定で、他のモードに設定を変えて撮ることはほとんどありません。
ライカのスタンダードモードが個人的に目で見た色に近いと感じることが多いからです。
ただ、今でもフイルムを製造しているメーカーが作るデジタル一眼のフイルムシミュレーションモードは
多くの種類がプリセットされており、中には筆者の好みにハマるモードもあるかと思い試してみました。
写真1枚目がデフォルトのPROVIAモードで2枚目がクラシックネガに変えて撮ってみました。
自転車の配置や隣の洗濯機、室外機がどことなく田舎の1シーンを想起させクラシックネガがぴったりハマったと思います。
鮮やかな原色の緑と黄色が少し色褪せた感じになり、背景の青空の色も抜かれ淡さが表現できました。
公園に行くと何かしら季節の花を撮りたくなります。
紫陽花が多く咲いているスポットがありましたが、猛暑のせいかシーズン終わりを思わせる状態だったため、アガパンサスの花を撮りました。
小さな花一つ一つが放射状に勢いよく咲いている様子や、キレイな薄紫の色を
『GFX 100S』の描写力によって花の質感やみずみずしさと共に、ありのまま記録してくれました。
ちなみにアガパンサスはヒガンバナ科の植物ですが、お彼岸の季節に咲く赤い彼岸花とはだいぶ印象が違います。
等間隔に並んだ三つのベンチと青空、手前のシロツメグサが敷き詰められた芝生のコントラストがとてもメルヘンチックだと感じて撮った1枚。
ピントは中心のベンチに合わせ、拡大して見てみるとその奥の岩もとてもリアルに解像していました。
岩の傍に咲いているシロツメグサも自然に描き切ってくれています。
フルサイズのカメラではまだ1億画素のモデルは存在せず、一見オーバースペックすぎると思われる方もいらっしゃるかもしれません。
実際、JPEG最高画質のSUPER FINEモードで撮るとファイルサイズは1枚あたり平均45MB程度にもなります。
ただ実際、撮影した写真の画質を見るとフルサイズ用のレンズを、より大きなセンサーを持つカメラに付けるのも十分有りと感じました。
それほどGFX 100シリーズの1億画素のCMOSセンサーは懐が深いと思える描写力です。
フルサイズ一眼カメラのその先の世界の描写をお手元のレンズで感じてみてはいかがでしょうか。