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【SAMYANG】V-AFって何?[前編]洗練された統一感でビデオクリエイターを導く

【SAMYANG】V-AFって何?[前編]洗練された統一感でビデオクリエイターを導く

皆様は『V-AF』という名を聞いたことはありますでしょうか。

こちらはSAMYANGが個人のビデオクリエイターから小規模なプロダクション・映画製作者に向けて作成した小型・軽量のシネAFレンズとなっており、2024年8月現在で全6種類提供されています。

焦点距離は20mm、24mm、35mm、45mm、75mm、100mmがあり、レンズ名がF値ではなく全てT値での表記となっております。
F値はレンズの透過率が100%と仮定した場合の明るさですが実際の透過率は100%ではありませんので、T値は透過率を考慮して算出されたより正確な明るさを表してくれています。
CMや映画の現場では照明などをセッティングし露出を決定した後、レンズ交換する場合に微妙な露出変化が起きると違和感が生まれてしまうため同じ露出条件で撮影できるようにT値を使って計算をするようになっています。

なのでT値は映像制作の現場ではとても重要な数値になるのです。

そして今回は動画撮影にも強いSONY α7SⅢと共に以下の4本を使い撮影を行いました。

・V-AF 24mm T1.9
・V-AF 35mm T1.9
・V-AF 75mm T1.9
・V-AF 100mm T2.3

もともとは動画利用のみをご紹介しようと思っていたのですが、思いのほか写真撮影でも力を発揮してくれたので、前編を動画、後編を写真と分けてご紹介させていただきたいと思いますので後編はこちらから御覧下さい。

【SAMYANG】V-AFって何?[後編]動画撮影のためのレンズと思いきや写真も撮れる万能レンズだった。

では早速それぞれのレンズで撮影した動画をご覧ください。

ご覧いただきありがとうございます。

撮影をしていて感じたことは「とにかく軽くて扱いやすい」「オートフォーカスが静かで速い」ということでした。
手持ちで撮影をしていたのですが負担になる事は全くなく、手ブレの少ない安定した撮影ができました。

75mmで撮影した際に枯れ葉にピントを合わせトラッキングさせてみたのですが、動画でご覧いただくと分かるように素早いオートフォーカスでしっかり追従してくれています。
一瞬ピントが手前に抜けてしまっておりますが、手前に枝が有る悪環境の中でもここまで食い付いているのは素晴らしい性能です。
これはα7SⅢとV-AFシリーズの相性の良さが垣間見えたシーンだったと思います。

更にV-AFは8Kにも対応したレンズ設計のため高画質な撮影が可能となっており、8Kは7680×4320の約3300万画素になるので通常の写真撮影にもしっかり使える解像力を持った万能レンズと言えます。

では、ここからはV-AFをオススメしたいポイントをお伝えしていきますので、まずはスペック表を見てみましょう。

上のスペック表をご覧頂くと、同一スペックになっている項目が多いことが分かるかと思います。

V-AFシリーズはこのように基本設計を同じにすることにより様々な利点をユーザーに提供してくれています。

①大きさや重さなど基本設計の統一

どうしてもレンズ自体の大きさが変わってくると操作性やバランスが変わってしまう懸念点があります。
しかしV-AFシリーズはフォーカスリングやスイッチ類の場所も統一されており、それにより操作ミスを防げるというメリットもあります。

そしてジンバルを使用する際もレンズ交換によるバランスの取り直しが不要な為撮影をスムーズに行うことが可能となっております。
この快適さ。ジンバルを利用されている方なら特に幸せを感じるかと思います。

②フィルター径が58mmで統一

フィルター径が統一されていることによりフィルター関係を共有することが可能となっております。
同一メーカーであってもそれぞれのレンズに最適化した作りとなっているため、どうしてもフィルター径の違いによりステップアップリングを用意する必要があります。
そういった余分なアクセサリーを用意する必要がないのは撮影時の荷物削減にも繋がります。

そして、58mm径というコンパクトさによりフィルター代の節約にも力添えしてくれている事には感謝でいっぱいです。

③レンズ側面に大きく焦点距離とT値を記載

これにより撮影時も上から覗かなくても容易にどのレンズが付いているか確認が出来ますし、レンズ交換時もレンズ名を把握できる場所が多い事によりスムーズに作業を進められます。

④前方と側面にタリーランプ搭載

上の写真で確認を頂けるように、動画モード時に緑ランプ、REC時に赤ランプ、写真撮影時は消灯という仕組みとなっており、RECボタンの押し忘れがないかの確認を被写体、周りのスタッフ、撮影者の全方位で行うことができますので安心感が抜群です。
撮影現場で「撮れていなかった」という現実が一番残酷と言っても過言ではないでしょう。
それを防ぐための対策をしてくれているだけでありがたい限りです。

⑤カスタムスイッチとフォーカスホールドボタンの搭載

カスタムスイッチをM1からM2に切り替えると、AF設定時にフォーカスリングを絞りリングとして利用する事が可能となっています。(MF設定時はフォーカスリングとして作動)
カメラ本体のダイヤル特有のクリック感も無いので滑らかな操作で絞り値の変更ができます。

フォーカスホールドボタンはフォーカスホールド機能(AFモード時)とフォーカスセーブ機能(MFモード時)が使用できます。
そしてカメラ本体側のカスタムキー設定から「瞳AF」などの機能を割り当てることも可能ですので自分なりのカスタマイズをお試しください。

上記のスイッチ関連の設定内容は「レンズステーション」と「レンズマネージャー(ソフト)」でも変更可能となっています。

⑥レンズ前面にメタルアクセサリーマウントと電子コネクタ搭載

レンズ前面には別売の専用アクセサリー「V-AFマニュアルフォーカスアダプター」を取り付けることができ、アダプター装着時はレンズ本体のフォーカスリングが絞りリングとして動作するようになり、一般的なシネレンズと同等の機能性を実現します。
更にV-AFレンズでシネマスコープサイズでの撮影を可能にするフロントコンバージョンレンズ「SAMYANG V-AF 1.7x Anamorphic MF Adapter」も提供されていますので痒いところに手が届くアクセサリーが多数ございます。

⑦フォーカスブリージング量の公開とシリーズで統一されたカラーバランス

この両方は動画撮影時の作業効率を高めるのにとても重要な情報になります。
1mから無限遠へフォーカス移動した際の像の拡大率が示されることにより動画編集時の指標となります。
色味に関してもSAMYANGのCCI規格に合わせて設計されており、レンズを交換してもカラーバランスが異なることはありません。

これにより動画編集時の作業がかなり省略され統一感のある映像を容易に作成することが可能となります。


V-AF 24mm T1.9
V-AF 24mm T1.9

ではここから動画からの切り出し写真と共にチェックしていきたいと思います。

まずシンプルに絞り解放の状態から解像力が高くボケ味も美しいバランスの取れたレンズだと強く感じました。
そして広角の24mmでT1.9(F1.8)という解放F値のおかげでしっかりとしたボケ感も得られるので主題と背景の分離感も得られます。

最短撮影距離も19cmとかなり短いので被写体と近すぎてピントが合わないというような場面は基本的に発生することはないでしょう。

V-AF 35mm T1.9

こちらはボディ内の設定でオートフォーカスの速度を遅めにしネコジャラシ(エノコログサ)の手前から奥へフォーカス移動させた場面ですが、リニアSTMモーターを採用したことにより速くて静かなオートフォーカスを実現しておりますが、ゆっくり滑らかなフォーカスにもしっかり対応しており、動画のことをしっかり考えて作られていることがよく分かります。

更にマニュアルフォーカスもフォーカスリングが広く設けられているため手動でも正確なピント合わせが行いやすくなっているのもおすすめポイントです。

V-AF 35mm T1.9

逆光時はゴーストは出るもののコントラストが低くなることはなく安定した撮影が可能となっております。

上のシーンではF11まで絞っているのですが、V-AFは全て絞り羽根が9枚と奇数枚数のため2倍の18本のダイナミックな光芒を表現することもできます。

V-AF 75mm T1.9

75mmは中望遠レンズで画角的にも整理しやすく主題をハッキリさせた撮影が容易になります。

今回はリフレクションも活かした形で撮影してみましたが、前景背景のボケ感も美しく素晴らしい描写をしてくれています。
100mmでも言えるお話ですが歪みが少ないので人物撮影にも適しているレンズです。
広角や標準レンズと組み合わせる事により、クローズアップした画を差し込めるので注目してもらいたい場面で利用するのも効果的です。

V-AF 75mm T1.9

こちらは冒頭でもお話したAFトラッキングテストのシーンです。

フォーカス位置の変化+前後移動させてみましたがしっかり食いついてくれているので大抵の動きに関しては対応が可能でしょう。
そのフォーカスの速さも下のシーンでご確認頂けたと思います。

V-AF 100mm T2.3

サルスベリの花の手前から奥に素早くフォーカスさせたシーンですがボディ内のフォーカス速度設定は標準にしており、その状態でここまでのスピードが出せるようになります。

フォーカスブリージングのパーセンテージが13%と一番大きな値になっている100mmですが、これは1mから無限遠まで移動した際のブリージング量になりますので短い距離でのフォーカス移動であれば気になることはほとんど無いかと思います。
実際にフォーカスブリージングも定点での撮影でない限り違和感を感じることも少ないのでご安心頂ければと思います。

V-AF 100mm T2.3

V-AFシリーズの完成度の高さをお話させて頂きましたが、実際に触ってみるとレンズのちょうどいい大きさや軽さを実感できるかと思います。

シンプルにオートフォーカスもかなり速いので写真撮影にV-AF をご利用頂くのも全く問題ないと筆者自身使用していて感じており、冒頭にもお伝えしたように写真に特化した記事も後編としてアップ致しますので是非ご覧頂ければと思います。

V-AFで揃えることにより「操作性」「色味」の統一に加え、カメラバッグ内の軽量化と省スペース化を図れますので是非ご検討してみてください。

▼後編はこちらから▼

【SAMYANG】V-AFって何?[後編]動画撮影のためのレンズと思いきや写真も撮れる万能レンズだった。

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[ Category:etc. SONY | 掲載日時:24年08月24日 12時00分 ]

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