【Nikon】機材を軽量化して東京近郊を撮り歩く
おかげさまで本日、8月13日でマップカメラは創業30周年を迎えました。これもひとえに皆様のご愛顧のおかげと感謝の気持ちでいっぱいでございます。今後も変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。
まだまだ暑い日々が続いていますが、30周年の創業祭もいよいよ終盤!
本日も「夢中」をテーマに、スタッフがいま夢中になっている「モノ」「コト」を紹介いたします。
さて今、私が夢中?になっているものは機材の軽量化です。
趣味としてカメラを始めたのが今から約35年前。まだフィルムカメラ全盛期で、オートフォーカス機が普及し始めた頃でした。
カメラにも様々な新機能が搭載されていく進化が著しい時代だったこともあり、新製品や上位モデルへの憧れが膨らむばかり。気がつけば最新フラッグシップ機を乗り換え続けるスタイルになっていました。体力と行動力に満ち溢れていた頃はボディ2台に大三元レンズと三脚をバックバッグに詰め撮影に出掛けていたものですが、年齢を重ねるにつれその重さが堪えるようになり、今ではレンズを2本持ち出すのも躊躇うようになってしまいました。そしてついに機材自体の軽量化に着手。この夏「Nikon Z9」から「Z8」へ機材を乗り換えました。ニコンには「Z6III」や「Z f」などより軽く魅力的なモデルが多数ありますが、何故「Z8」にしたのかと言うと、「Z9」で使用していたアイカップやメモリカード等のアクセサリーをそのまま使用できるという点が大きかったです。あとメーカーのキャッシュバックキャンペーンも。
正直、今の撮影スタイルに「Z8」はオーバースペックと理解しつつも、長年培ってきたフラッグシップ機への憧れは捨てきれなかったということです。
もちろんレンズも軽量化に努めていて、最近のお気に入りはマウントアダプターを介してライカ用レンズを使用しています。
今回は「Leica ズミクロン M50mm F2.0 レンズフード組込(6bit)」を使用しました。デジタルカメラの登場により途中から6bitコードが追加されましたが、レンズ自体は1994年生まれでマップカメラと同じく今年30周年を迎えています。
本レンズの特徴と言えば、最近主流の非球面レンズが使われていないということ。逆光時など、撮影環境が厳しいシーンで見せるコントラストの低下にオールドレンズぽさを感じますが、周辺までよく写る高性能レンズです。時々見せるクラシカルな表現に毎回驚き、これが楽しみでもあります。
夏休みシーズンは鉄道で遠出するのに便利なきっぷがあるので、ここぞとばかりに東京近郊への日帰り旅を繰り返しています。
「Z8」のファーストカットは熱海で。いかにも夏と言った青空と海の色を綺麗の捉えてくれました。ヨットのポールなど細かいところもしっかり描いています。ボディとレンズの連携が行われないアダプターでの撮影でも、手ぶれ補正はしっかり効きますし、見やすいファインダーのお陰でスムーズな操作が可能です。ライカボディを使用すると露出が暗めに転ぶことが多いのですが、ニコン機ではそんなこともなく、むしろこの方が使いやすいのではと思わせるほどです。
色の派手さを抑え、被写体の質感をしっかり捉えると言う面でニコンとライカの画作りはとても似ているので、とても自然な色で描いてくれます。
ライカレンズの唯一の難点、近接撮影もヘリコイド付きアダプターを使うことでクリア。花びらに落ちた花粉までしっかり捉える繊細な写りと柔らかな大きなボケが確認できました。
熱海に来ると必ず立ち寄るのが来宮神社。御神木の大楠は樹齢2100年以上と言われ、幹を1周すると寿命が1年延びるという伝説があるほどのパワースポット。
歴史ある被写体を雰囲気よく切り取るのがライカのイメージ。ニコンのカメラでもそんなイメージを壊すことなく切り取ってくれました。メーカー問わずレンズの特性をそのまま活かしてくれる印象です。
ボディだけで430gもの軽量化に成功したことでフットワークが軽くなり、鉄道旅のペースも上がってきました。翌週の休みに向かったのは高崎です。北陸(長野)新幹線の開業ですっかり影が薄くなってしまった信越本線をさらに2駅ほど乗り進めると縁起達磨発祥の地である少林山達磨寺に辿り着きました。
高崎駅といえば駅弁の「だるま弁当」が有名で、その元となる達磨寺がずっと気になっていたのです。と言いつつも信越本線を利用の際は、もっぱら横川駅の「峠の釜飯」派だったのですが…。
旅の醍醐味はその地ならではの食事にありつく事。駅弁のフリをしつつ選んだのはパスタでした。群馬県は全国有数の小麦の産地ということで、高崎にはパスタの名店が多いと耳にしたので。
運ばれたきたナポリタン。ベーコンやウインナーではなく海老が入っていたことに少し驚き、思わずカメラを取り出しました。近接可能なアダプターのおかげで後ろに下がることなく撮れる便利さもありますが、やはりサッと撮り回せるサイズになったメリットは大きく感じます。
最後は世界遺産でもある「富岡製糸場」を見学。多くの観光客が途切れた隙を狙って撮ったカットは、ピントのツメが甘かったのか想像以上に柔らかな描写になり、より歴史を感じさせる画になりました。仕事での撮影など失敗できないシーンではオートフォーカス頼りになりますが、プライベートでのんびり撮る際はマニュアルフォーカスもまた良いものです。
そういった面でも見やすいファインダーは重要で、ニコン機の丸型ファインダーとアイカップは譲れないアイテムです。
『Nikon Z8』は、ZシリーズのフラグシップモデルZ9に搭載された機能や性能を、より軽量コンパクトなボディにギュッと凝縮したことで静止画・動画問わず優れた機動力とフットワークの良さを手に入れることができる1台に仕上がっています。今回は「ニコンボディ × ライカレンズ」という組み合わせで日本とドイツの王道メーカーが作り出すクラフトマンシップの魅力を存分に味わうべくじっくりと撮影を楽しみましたが、野鳥やスポーツなど動体撮影でアクティブに撮影される方も多いはず。シャッターボタンの全押しから最大1秒間遡って記録ができる「プリキャプチャー」も搭載しているのでじっくりと撮影を楽しみたい方はもちろん、よりアクティブに動きの速い被写体を撮影した方にもどちらの用途にもおすすめしたい1台です。
メーカの垣根を超えたその美しい造形美。純正ニッコールレンズはもちろん魅力的ですが、時にはこのようにマウントアダプターでよりディープな世界を楽しんでみるのはいかがでしょうか。
夢中になることは人それぞれ、スタッフの”夢中”をご紹介するブログシリーズ、次回もぜひお楽しみに。