Leicaのボディは大きく2つ。カラーセンサーの従来機とモノクロ専用機の
Monochromがあります。恐らく購入する時も「モノクロ専用機とカラー機ってどこまで違う?」
という部分に悩まされる方も多いはず。実はカラー機でもLeicaのモノクロモードはしっかり作られています。
こちらがQ2のモノクロモードで撮影した写真。パッと見るとこちらでも充分に思えます。
気持ちアンダーに露出補正を掛けておくと雰囲気がとても出やすく撮影も楽しくなります。
暗部の階調もしっかり残っており、このままでも充分な画づくりです。
ISO1600で基本的に撮影していてもあまりノイズ等は気になりません。
Q2の場合はAFで撮影する方が圧倒的に多い中、筆者の場合F8まで絞り込み
MFで被写界深度内に入れて撮影する昔ながらの方法で撮影していました。
所謂レンジファインダー機の撮影方法です。
このような操作方法にスムーズに切り替えられる事はQシリーズの最大の特徴。
こちらも最小限の調整程度。
暗部の階調は深い一方、ハイライト側の耐性は他社機に比べても比較的弱めです。
露出補正を0にしたままだとどうしても明るめに撮影しようとしてしまい、
画のバランスがやや軽めになってしまう為、基本的には少しアンダーで撮影するのが良さそうです。
ここからは個人的に仕上げています。
銀座という場所は様々な再開発が行われている中でも、しっかり根元に昭和から続く雰囲気が
残されている街です。撮影していると1960年~1970年代のモノクロ写真のイメージが
どうも頭から離れず、当時流行っていたコントラストの高いイメージに仕上げています。
ここまでするならMonochromのが良いのでは…?と思うかもしれません。
ただやっぱりカラーでの撮影も多く、Q2のモノクロモードからでもここまで仕上げられます。
プリントまで行っても恐らくモノクロ専用機を使った事がなければ
「どちらがモノクロ専用機で撮影したものか?」と比較したものを出されても恐らくは分かりません。
カラーでそのまま撮るのも良いですが、やはりここはモノクロモードで撮影するとまるで昭和のテイストに…
高梨豊の「東京人」という写真集でもこのように変貌する過程の姿がモノクロームで撮影されています。
そのイメージが頭に浮かび自分でも気が付かずに撮影していた1枚。
「モノクロモード」という画像からここまでグレーのトーンが引き出せる事には驚きました。
フィルムで撮影するとこのようなトーンが現れる事がありましたがデジタルではなかなか再現できず
現像に苦労していた事を思い出します。
最近カメラを持った撮影というのも殆どしておらず、久しぶりにこのLeica Q2を選んでみたところ
その使いやすさに驚きました。基本はM型と同じ使い方をしながら寄ったり、AFが必要な事もある時に
スムーズに操作移行が可能なのはQシリーズにもM型の思想が反映されている事が分かります。
カラーの色もモノクロモードの出来もここまで良いと、Q2は非常にお買い得なモデルとも言えます。
こちらはなんとそのまま撮って出し。露出の癖が理解できればこのように即座に作品のような
写真が現れてくれる事にLeicaの写りが何故多くのユーザーに支持されているのかが伺えます。
本当にモノクロしか撮影をしない!と決心した場合はMonochromに踏み切るのも勿論悪くはありません。
ただ少しでも「やっぱカラーも…」と思ったのなら、Q2を選択する方が後悔は無さそうです。
こちらは開放での撮影。F1.7という明るさを持ちながらもご覧の通り開放とは思えない程に鋭い写り。
反面そこまでボケ味が少ないので、どうしてもボケが欲しいとなるとマクロ域に切り替える必要も。
ふと足元を見ると、この日は曇りでしたが少し光が差しており撮影した1枚。
往年のストリート写真のような、どこか尊厳のあるような写りがやはりLeicaならではなのかと
見返して見ると少しばかり伝わってきます。
28mmとは謳っていますが、使ってみると引いて撮る時は若干広く感じ、寄って見るとなんだか狭い。
実際に比べて見ると実は28mmより若干広く、体感では25~26mm位ではないかと思います。
今まではM型をメインに使用していましたが、初めてQ2を使ってみると気軽に持ち出して使いたいように
使えるオールマイティーな1台として完成されています。若干ウェットな写りも「らしい」描写。
撮影していて少しずつテンションも上がっていきます。
今回は敢えてQ2のモノクロモードをベースに撮影を行いました。
店頭で「モノクロームにするか通常のモデルにするか」とご相談を頂く事も多く、伺った内容によっては
通常モデルをオススメする事が筆者の場合は少し多くなります。
実はこの2枚、M11モノクロームで撮影したものです。
メリハリという意味では暗部とハイライトの階調は最新機のM11モノクロームにやや分があるところ。
純粋な「白と黒」と比較するとやはりQ2の写真はカラーから変換された写真である事は判ります。
しかしライカのモノクロモードは他社のモノクロモードとは少し趣が違い、更にレタッチ等で追い込むと
しっかりと迫力のある写真が撮影できます。
何故通常モデルを提案するのか、それはやっぱり「カラーもモノクロも両方撮れるから」です。
例えば既にMかQ等のボディを所有しているならモノクローム専用機の選択が最適と考えています。
もしも初めて「ライカを買おう」と思った時に1台で気軽に撮影ができるQ2は肩の力を抜いた写真から、
本格的な作品まで生み出す立派な相棒になってくれる事でしょう!
「やっぱりモノクロ専用機がいい!」と思った方はこちら!
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