【Leica】Mレンズと共に過ごした夏
気が付けば今年も残すところあと4ヶ月となりました。
日中はまだ暑い日が続くものの、朝夕は少しづつ涼しくなり秋の気配をすぐそこまで感じます。
筆者は日本の四季の中では夏が一番好みです。
熱さを感じて心がヒートアップしますし、ビールやアイス等、冷たいものもより美味しく感じます。
屋内でのライブイベントは一年中ありますが、野外フェスは夏の季節ならではの熱気と開放感を味わえます。
写真に関してもどこまでも広がる夏の青空と、もくもくとした入道雲はずっと見ていたくなります。
今回掲載する写真は昨年と今年の夏の季節に撮影したものからセレクトしています。
Leica M11 + ズミルックス M50mm F1.4 ASPH. (6bit)
開放では繊細に線を描く描写をし、F5.6あたりまで絞ればカリカリになり過ぎない程度にシャープな描写が楽しめるレンズです。
現行モデルの1世代前のレンズで撮影時にはシルバーのモデルを使いました。
真鍮製のレンズ鏡胴と細身のスタイルは所有欲を満たす造りです。
街ぶら散歩しながらふと見上げた空の青さと、どこにでもある電信柱が
1本すっと空に向かって伸びている様が気に入って、思わずシャッターを切りました。
Leica M11 + ズマール L50mm F2 クローム
戦前に作られたライカスクリューマウントのレンズ。L39マウント、LTM(Leica Tread Mount)とも言われます。
RAYQUAL社製のL/M変換リングを介して使用。
淡いヴェールをまとったようなフレアが魅力のレンズで、オールドライカの描写を手軽に楽しんでみたい方にもおススメです。
年代モノのレンズなのでクモリやスレキズがある個体が多いですがそこも含めて味のある写りになります。
穏やかな色ノリとコントラストは優しい雰囲気も感じます。
手前から奥にかけて吸い込まれてくように細くなっていく道と自転車がマッチし、遠ざかっていく夏の季節を重ねていました。
SONY α7 Mark IV + Leica ズミルックス M35mm F1.4 11301
ズミルックス M35mm F1.4 1stの復刻モデルで”スティールリム”の愛称で親しまれています。
絞り開放での幻想的な描写が魅力的で現行モデルながらオールドライカのテイストが楽しめるモデルです。
あえて太陽が入るように逆光で試してみましたが、コーティングは現代のものを使用しているので
オリジナルのレンズの設計年代が古いレンズにしては意外な程、フレアやゴーストが目立たず感心いたしました。
10万本のひまわり畑に圧倒され、撮影に夢中になっていたら黒の革靴がブラウンになっていたのは良い思い出です。
Leica M11モノクローム + Voigtlander HELIAR classic 50mm F1.5 VM
絞り開放からF4あたりまでは独特な柔らかな描写をしF5.6から一変、6000万画素の
Leica M11モノクロームの解像感にも耐えられるシャープな写りになる描写の変化が楽しいレンズです。
広い公園の中で涼をとれる数少ない売店が目にとまりました。
絞り開放での描写は刺さりそうな松さえ柔らかに写し、硬質な金属製の自転車にシルキーさを纏わせます。
Leica SL2 + アポマクロエルマリート R100mm F2.8
Leica R/SLレンズアダプターを使用。ピントリングの回転角がとにかく広いレンズで最短撮影距離から無限遠まで約2周近く回す程です。
その分、厳密にピント合わせができますし、SL2のピーキング機能もとても活躍しました。
色ノリが良くボケ味もマクロレンズならではの綺麗さで、最短撮影距離まで思いきり梅の実に寄れば
産毛の1本1本も繊細に解像してくれるレンズです。被写体の質感が瑞々しく生命力溢れる存在として描写してくれます。
FUJIFILM GFX100S + Voigtlander HELIAR CLASSIC 50mm F2 VM
都内最大級の公園で水辺がとても広く、様々な野鳥や植物の撮影が楽しめる場所で撮影した1枚。
SHOTENのLeica M/GFX用マウントアダプターLM-FG IVを使用。PROVIAモードで撮影。
1億画素の中判センサーならではの描写力で、アガパンサスの瑞々しい質感と生っぽさが出ています。
解像感だけではなく人の見た目により近いリアルさは、パッと見ただけで迫力を感じました。
レンズはフルサイズ用のものですが絞りによってはケラレがあまり目立たずに使える場合があり、
軽量コンパクトな大きさも手伝って、真夏の公園の散策がしやすくなりました。
いかがでしたでしょうか。
改めて撮影した写真を文章にしながら振り返ると、夏が終わったことをようやく実感できた気がします。
デジタル一眼カメラのメリットの一つは、メモリーカードとバッテリーさえあれば何枚でも撮れることです。
しかし大量に撮った写真をただPCに保存して終わってしまうことも多いと思います。
夏休みの日記のように写真と文章を形にして残しておくと夏の思い出としてまた来年、再来年と
見返した時に、その時感じた自分の思いを鮮明に振り替えることができる価値ある体験に変わるのではないでしょうか。