【BRIGHTIN STAR】MF 10mm F5.6 Fish-eye X-Mount – それは現実をドラマチックに写すレンズ
ご好評をいただいている「BRIGHTIN STAR」連載記事の第4弾は「MF 10mm F5.6 Fish-eye」をご紹介します。
35mm判換算で15mm相当となる超広角レンズで、 “Fish-eye” とあるとおり魚眼レンズです。
超広角レンズはパースが効いた撮影ができるなど撮り方次第で表現の妙を愉しむことができますが、その中でも魚眼レンズはさらに遊び心のある描写を得意とします。
本レンズは絞り値F5.6固定とシンプルで、そのおかげで280gの軽量さ、全長37mmのコンパクトネスを実現したと言えるかもしれません。
またコストパフォーマンスの高さも見逃せません。
マウントは、ソニーE(APS-C)用、フジフイルムX用、マイクロフォサーズ用の3タイプがあり、今回はフジフイルムX用を使用しました。
組み合わせたカメラは「FUJIFILM X-Pro3」です。
それではどうぞご覧ください。
街中で一点に立ちながら、行き交う人のせわしなさを見ています。
壁に描かれた矢印に従って急ぐのか、それとも逆へ行くのか。
それを見つめていたら、どこか傍観者のような気持ちになっていました。
自分も同じ場所にいるのに流れに乗らないだけでこうも傍観できるものかと、ちょっぴり不思議な心地です。
広くない通路でも魚眼レンズのおかげで複数の人の動きと大きな壁を捉えることができました。
季節によっては植物が茂りそうなアーチも、この季節は骨組みがむき出しです。
でもそのおかげで空が見えて、レンガの床には骨組みが影を落としています。
まさにこの季節ならではの瞬間です。
こちらもまたそれほど広くない場所を大きく写し出しています。
本レンズを使うと、とにかく遊びたくなります。
こんな風に子どものオブジェと太陽を組み合わせて、その関係を想像して誇張するのも楽しいです。
レンズの位置や角度を少し変えるだけで大きな変化があり、ここだというところを探すことについ夢中になってしまいます。
砂糖をまぶしたカラフルなグミ、光が反射するほどみずみずしいマンゴータルトなど、おいしいものとその特徴的な器を一緒に写すのも面白いです。
また奥にあるマフィンやドリンクもポイントです。
主題も副題も余すことなく画面に入れられるのです。
最短撮影距離20cmまで近付いているので、素直で柔らかなボケ味もご覧いただければと思います。
街にあふれるアルファベットをスタイリッシュに撮影。
混んだ街では人を入れずに撮ろうと思うと被写体に近づくか切り取るかになりますが、本レンズであれば近づいても写る範囲が広く、こうして周辺まで写すことができます。
誇張した描写が目に飛び込んでくるかと思いますが、背景にした空のグラデーションの美しさにもご注目いただきたいのです。
一口に超広角レンズと言っても描写はそれぞれで、暗部が落ち込みがちなレンズが一定数あるように思います。
本レンズのマイルドで美しい描写、それによる情報量の多さは大いなる長所です。
一枚で「記録」より「表現」したいというときには、本レンズはピッタリかもしれません。
毎日通る見慣れた道も、こんな風に少し特別な感じに撮ることができました。
いかがでしたでしょうか。
どちらかというと考えながら撮るレンズかもしれません。
向かい合ったぶん撮り手のその人らしさが反映されるので、心惹かれる写真が撮れるように思います。
本レンズのカラーはブラックとシルバーがあり、どちらもメタリックなオレンジのラインが入っていて高級感があります。
誰かに見せる機会があっても、このルックスはかっこいいと思ってもらえること請け合いです。
これは驚きのコストパーフォーマンスと言えるのではないでしょうか。
ぜひお手元に置いておいてほしい一本です。