【HASSELBLAD】光と色で魅せるX2D 100C
今年も残すところあと3週間。
暖かい11月で紅葉をいつ見に行こうかと思っている内にあっという間に冬の季節に移り変わった気がします。
街中ではイルミネーションが煌びやかに点灯しクリスマスの雰囲気に包まれ、
店先では飾り付けやプレゼントの演出等ワクワクする様子が見受けられます。
冬の季節は空気が澄んでおり、光が綺麗にまわって素敵な空間を演出してくれます。
今の時期は16時から17時頃が夕日が綺麗で、マジックアワーといわれるほど写真映えします。
今回はHASSELBLAD 『X2D 100C』と『XCD 75mm f3.4 P』の作例をご紹介します。
フルサイズの1.7倍の受光面積をもつイメージセンサーが搭載された中判デジタル一眼カメラです。
青空と夕日のグラデーションが綺麗に撮れていると思います。
また、オレンジ色を肉眼で見たものに近く再現しており、きめ細かなタイルの質感描写も見事です。
F3.4の絞り開放で撮影した1枚。
『X2D 100C』は大画面の液晶モニターとタッチパネルで直感的な操作が可能なため、
ピントを合わせたいところを画面上でタッチしてピンポイントでフォーカスを合わせられます。
細かい草木の場合、シングルフォーカスポイントだと背景にピントが抜けがちですがしっかりと手前に合わせることができました。
『XCD 75mm f3.4 P』はXCDレンズの中でも携帯性を重視したPシリーズのラインアップに属しますが
さすが最新設計の中判デジタル一眼用のレンズだけあり、被写体は繊細な解像感で描写されボケ味はクリアです。
絞った時の光芒を見るためにF8まで絞りました。
絞り羽根の枚数が8枚と最新のレンズにしては控え目ですが点光源の絞り羽根を夕景のアクセントにするには十分だと思いました。
開放F値が3.4のレンズのため17時前の時間帯だとシャッター速度が1/80、ISO6400まで上がりましたが、
片手で気軽にスナップしても『X2D 100C』の握りやすいグリップと7段分の手ブレ補正が効いているため快適に撮影できました。
一昔前の中判デジタル一眼といえば低感度で三脚に据えてじっくり撮るのが定番のスタイルでしたが、
手持ちスナップ感覚で高画質の写真を残せる事に技術の進歩を感じました。
『XCD 75mm 3.4 P』のレンズは35mmフルサイズ画角換算で59mm相当のやや狭めの標準レンズです。
普段50mmのレンズを常用としている筆者は一歩踏み込んだ画角がスナップに使いやすく、
4:3のアスペクト比も撮影した画像を後から見返してみた時に落ち着いておりしっくりきました。
F8まで絞っていますが、ほぼ最短撮影距離のため、ピントを合わせた前後がしっかりとアウトフォーカスになっています。
硬質な鉄に夕日が綺麗に写りこみ何気ない被写体も画にしてくれる描写力です。
35mmフルサイズ一眼カメラにはまだ採用されたことがない1億画素のイメージセンサーと聞くと
プロ向けだとか業務用向けと思ってしまう方もいるかもしれません。
イルミネーションは1つ1つの豆電球がたくさん集まって光ることにより素敵な景色を見せてくれます。
イメージセンサーとどこか似ていると筆者は思いました。
2400万画素や5000万画素のフルサイズでも充分に綺麗ですが、やはり中判センサーという大きなパレットに
1億個もの画素を詰め込んでみると、1枚の写真の情報量がとてつもなく多いので、よりリアルさを感じます。
まるで目の前で実際に見ているような、その場の空気までも感じられます。
『X2D 100C』は最高のクオリティの写真を手軽に撮影でき、3.6インチの大画面の液晶モニターを持ち、
撮ったその場でまるで現像したポジフィルムを見返すように鑑賞できるのも良い点だと思います。
旅行の帰り道で一緒に行った人と写真を見て、欲しいものがあれば本体内蔵のWi-Fiを
使ってスマートフォンに取り込み手軽に共有することもできます。
16bitの色深度は14bitの64倍にもなる281兆色と、とてつもない色の表現力と15ストップのダイナミックレンジによる明暗のコントラスト、
1億画素の解像感がもたらすリアルさが魅せる迫力はありふれた被写体でさえ作品にする力をもつカメラだと改めて感じました。
HASSELBLADのXCDシリーズのレンズには最高の光学性能と画質を追求したEシリーズ、画質と汎用性を持たせたVシリーズ、
携帯性を重視しながらも中判クオリティをもったPシリーズと様々なレンズラインアップがあります。
どれも素晴らしいレンズで最初の1本をどれにしようか目移りしてしまいますが、まずは好きな画角で選ばれても筆者は間違い無いと思います。
絞り開放からよく写りますしF3.4と一見、暗めに見えるレンズでも中判センサーの表現力によりボケ感は出せますし
7段の手ブレ補正が手持ち撮影をアシストしてくれるからです。
握り心地が良いグリップを持ち、確かなクオリティが得られる『X2D 100C』と共に次はどこに行こうか楽しみになりました。