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WITHIN120K -ライカ旅行記 Q3 編-
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2025年2月20日にLeica Boutique MapCamera Shinjukuは12周年を迎えます。
今年の連載はテーマ『Journey』と『“12”周年』にちなみ、マップカメラのある新宿から半径120キロ圏内での撮影旅行をスタッフが計画。旅の供にカメラが選ばれるようになってから100年となる今年、「旅」を通してカメラの楽しさ、ライカの面白さをお伝えするべく、マップカメラスタッフ12名が旅に出ました。その名も「WITHIN 120K」
第四回目となる今回の撮影地は、千葉県の内房にある「鋸山」。
新宿からの直線距離は、東京湾を跨いで約60Kmの距離。もっとも陸路では、列車で千葉駅を経由し海岸線沿いに約110Kmの道のりになります。
鋸山は、千葉県安房郡鋸南町と富津市との境に位置する標高329.5メートルの山。日本百低山にも選定されています。
とはいえ、低山といえど山は山。そんなところを、山登り未経験、かつ日頃休日は一日ゴロゴロして終わるのが常という私がなぜ目的地に選んだか。
ネットの観光ガイドなどをながら見しながら立てた、当初の計画を簡単にご紹介します。
【当初の計画】
・鋸山登山の出発点である浜金谷まで
私の家は23区の南部、大田区の中でも神奈川県寄りの所にあります。
そこから千葉の浜金谷まで、先に述べた列車で千葉駅を経由するルートがあるのですが、もう一つ、逆に南下して神奈川県の久里浜まで列車で行き、港から東京湾フェリー(通称、金谷フェリーとも)で金谷まで、およそ40分の船旅を楽しむというコースもあるのです。
調べたら所要時間も料金もそれほど差はありませんでした。
・浜金谷から鋸山山頂まで
勿論、きちんとした登山ルートがあるのですが、なんと山頂付近まで行けるロープウェーもあります。
山頂まで約4分、ガイドにはお子様連れのファミリーやワンちゃん連れの方もOKとあります。
そう、気軽にルンルンと山頂まで行き、ちょいちょいと名所を観光、行き帰りには優雅に船旅を満喫する。私の頭の中にこんなコースが出来上がっていました。
【そして、現実】
旅行予定日の数日前、改めて経路を確認しておこうとネットで鋸山ロープウェーを検索すると、
「1/14~2/14 ロープウェー設備の点検のため運転休止しております。」
千葉県の観光案内には、そんなこと書いてなかったのですが…
……山登りは必須となりました…
旅行予定の前日から、都内でも結構な風が。
当日朝6時頃目覚め、ネットで東京湾フェリーのサイトを調べると、
「本日の運行状況:欠航 強風のため全便欠航します。」
……まぁ、列車の旅も良いものです…
本当なら三浦半島と東京湾、房総半島という壮大な地図になるはずだったのですが…
今回お供の機材は、「Leica Q3」。
6030万画素の高画素機ながら、質量約743gという軽量を誇るレンズ一体型カメラ。
さらに、フルサイズ撮影時28mmの画角からクロップすることで35mm・50mm・75mm・90mmの画角での撮影が可能。日頃単焦点レンズ数本を持ち歩き撮影している身としてはうれしい限り。
何より今回は山登りが控えています。機材は出来るだけ軽く、レンズ交換も不要というのは、まさにうってつけです。
そして、もう一つ用意した機材が…。後ほどご紹介します。
・・・
旅行当日、朝は仕事に出掛ける時間と全く同じに家を出ました。
「くれぐれも無理しないようにね」
心配そうに送り出してくれる妻。 …でも、口の端が僅かに苦笑しているようにも見えたのは気のせいでしょうか…
列車を乗り継ぎ、浜金谷駅に着いたのは午前11時過ぎ。およそ2時間半の行程でした。
駅前は… 何もありませんでした。快晴でのどかな冬の日差し、ただ吹く風はかなり強め…
早速登山道へ… いえ、その前にせっかくなので港の方へ。
金谷港です。「欠航中」の大きな看板が、嫌でも目を引きます。
そして、海は…
めっちゃ荒れてました… とにかく風がすさまじく、カメラを構えてまっすぐ立っていることができません。
試しに動画も撮影してみたのですが、強力な手ブレ補正機能も全く歯が立たず。10秒ほどグラグラと揺れ動く画像が残りました…
向こうに見えるは三浦半島、神奈川県です。
「あぁ、船旅したかったなぁ…」なんて、ゆっくり感慨に浸ってもいられません。「と、飛ばされる…」早々に退散しました。
港近くの食堂で早目の昼食。山登りに入ってしまうと、全くお店はないようです。
名物という「房総フライ定食」を。地魚のお刺身とも迷ったのでが、こちらに。
大きめの黄金アジフライの下には、サワラとカレイのフライが隠れていました。どれもフワフワで美味、ソースやしょうゆをかけることなく完食。
17cmまで寄れるQ3のマクロ撮影機能を用いて、さらにアップで… 忘れてました、全部食べちゃった…
腹ごしらえも済ませ、そしていよいよ登山開始です。
鋸山は、建築資材に適した「房州石」と呼ばれる凝灰岩が採掘された山。
江戸時代中頃から大正にかけて、切り出された房州石は横浜港や台場の整備、皇居の造営などに使われ日本の近代化を支えたそうです。
山で切り出した石の柱は手押しのネコ車に載せ、「車力」と呼ばれる女性たちが麓まで運んだとか。
その車力が通った道が、現在登山道として整備されています。
轍になっているのは、重い荷重がかかった車輪が何度も何度も通ったためとか…
背面液晶をチルトさせ、ローアングルで。Q3になって可能になった構図です。 …って、この辺りではまだ多少こんな余裕もありました…
写真を撮るために立ち止まり、がいつしか休むために立ち止まり言い訳代わりにシャッターを押す、に…
「このピント合焦面の浮き上がりが!」なんていう感想が出たのは、家に帰ってPCに取り込んでからです。
(撮影は記念撮影用に携行したコンパクトカメラで)
見晴らしの良いところでは必ず立ち止まりました。そして、休みました。
さて、今回の機材です。
普段、撮影にはマップカメラと横濱帆布鞄がコラボしたカメラキャリングトートバッグを愛用しているのですが、今回は山登りもありリュックサックに。
カメラバッグ型のものは持ち合わせていないので、タウンユースのものにインナーケースを入れています。
Q3には、ARTISAN&ARTISTのストラップ ACAM-102を。シンプルで柔らかく、首掛けにも手首に巻くにもフィットし気に入っています。
そしてもう一つ、「Leica TRINOVID 8×20 BC」ライカの双眼鏡です。
ライカ双眼鏡には「NOCTIVID」「ULTRAVID」「TRINOVID」といったシリーズがありますが、「TRINOVID」は中でも比較的お手頃なもの。
とはいっても、そこはライカ。見えはとてもクリアで素晴らしいものです。
かつて中古で購入したもので、レザーの外装。現行の「TRINOVID」は、外装がラバーになっています。フォルム的には現行の「ULTRAVID」に近いです。
「8×20」という倍率・レンズ口径はコンパクトで、バッグにちょこっと入れておくには最適のサイズ。
(コンパクトカメラで撮影)
で、その双眼鏡でのぞくと(ゆっくり休憩しながら…)、対岸の神奈川県もより見えてきました。
あちこち見ると、はるか向こうに見覚えのある建造物が。半円形の形は、なんと横浜みなとみらいのヨコハマ グランド インターコンチネンタル ホテル。
後で調べたら、直線距離で約37kmほどありました。
さらに上ると分岐点が。そこから様々な石切場の遺構が続くエリアとなりました。
登山道の入り口から、およそ45分。随分ゆっくり登ってきたつもりでしたが、そんなものでしたか。
でも、すでに明日以降の筋肉痛は確約状態になっていました。
これらがすべて人の手により切り出されたものというのが驚きです。元がどんな姿であったのかも興味深いところです。
さらに進むと海が見えるところに。右手白い波が重なっているあたりが金谷港です。遠っ…
そして出入口があり、拝観料を払うとそこから「日本寺」というお寺の境内に。鋸山の観光スポットとして有名な「地獄のぞき」は、この境内にあります。
正直よく調べてなかったので、入り口でもらった案内図を頼りに先に進みました。(思えば、これがいけなかった…)
いきなり現れる「百尺観音」。そして断崖の上にあるのが「地獄のぞき」のようです。
「地獄のぞき」… うん、崖です…
こんな感じ… 風が強かったので、手すりに身を寄せながら…
でも、実際に突端まで行くと、丈夫な手すり(ありがとう)のおかげもあって意外と怖くない…
これはあれですね、上のようにお連れの方に手前や、もっと離れて横から記念写真を撮ってもらうのが良さそうです。 …まぁ、一人なもんで…
もらった案内図によると、これより先は道端の石仏を見ながら階段を下っていく模様。なるほどと下りていったのですが…
行けども行けども下までたどり着かず… 後で調べたら約10万坪(東京ドーム7個分)の敷地だそうで… 出口までたどり着くのに、閉園時間ギリギリまでかかりました。
上2枚、「Leica Looks Eternal」で。
従来の「フィルムモード」の切り替えより効果の際立つ「Leica Looks」。なかでも「Eternal」は、画により深みが出て気に入っています。立体感も増すような…
案内図ではお寺を出ると、浜金谷駅の隣の保田駅まで遊歩道を歩いてすぐな感じになっていたのですが、道端の道標には「保田駅まで1.8km」の文字が… って、おい…
上2枚、「Leica Looks Eternal」で。
最後まで波乱だらけの旅行となりましたが、その間ずっと首から提げていたLeica Q3。
ワンタッチの操作で簡単に様々なモードに切り替えられので、同じ場面で幾種類もの描写を楽しむことができます。
ついつい時間の経過を忘れ、予定を狂わしてしまうことも…
もっともっと使いこなしてみたいカメラです。
そして、鋸山も…
もう少し暖かくなったら、今度は妻を連れて船&ロープウェーを駆使したルンルンハイキングを楽しみたいものです。
現在マップカメラでは「Leica Boutique MAPCAMERA Shinjuku」12周年を記念してフォトコンテストを実施しています。
ライカ製品以外のカメラで撮影した写真でも参加可能!ぜひみなさまの「旅」の写真をお待ちしております。