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【Leica】WITHIN120K -ライカ旅行記 Q3 43編-

【Leica】WITHIN120K -ライカ旅行記 Q3 43編-

2025年2月20日にLeica Boutique MapCamera Shinjukuは12周年を迎えました。
今年の連載はテーマ『Journey』と『“12”周年』にちなみ、マップカメラのある新宿から半径120キロ圏内での撮影旅行をスタッフが計画。旅の供にカメラが選ばれるようになってから100年となる今年、「旅」を通してカメラの楽しさ、ライカの面白さをお伝えするべく、マップカメラスタッフ12名が旅に出ました。その名も「WITHIN 120K」

今回の撮影地は、千葉県香取市で小江戸と呼ばれる古い街並みを楽しめる「佐原」へ赴くことに。
新宿からは直線距離にして70kmほどですが、列車に揺られつつ数回の乗り換えを経て片道約2時間の旅程と相成りました。
旅のお供は「Leica Q3 43」です。それでは旅行の様子をご覧下さい。

・・・

撮影当日は気持ちの良い快晴で、列車に揺られること数時間…午前9時過ぎに佐原駅へ到着しました。この日は週末という事もあり、佐原駅で降りる旅客もそれなりにいたように感じます。
今回なぜ佐原を旅先に選んだかというと、この地が「小江戸」と呼ばれていたからという点が大きく、埼玉県川越市にも同じく「小江戸」と呼ばれる古い町並みが残っていますが、同じ呼称を持つ地域に行ってみたかったという単純な動機です。

改札へ向かおうかなと思っていると、「乗り換えの方はゼロ番線へ~」というアナウンスが聞こえてきます。あまり聞き馴染みのなかったワードに頭の中には疑問符が浮かんでいましたが、あとあと調べてみると全国的に見ても約30ほどの駅に存在しているという事を知ります。ホームの決まり方には一定の法則性があり、駅長室を起点としてそこから1、2と番号を振って行く方式が比較的多いようですが、のちに乗り場を増やそうとなった際に、物理的な成約等で駅長室側に乗り場を増やす必要が出た際に0番線という名称を用いるそうです。なるほど確かに合理的。ちなみに佐原駅においてはカシマスタジアムへ向かうための鹿島線ホームが0番線となっているようです。そんな事を知らなかった筆者は初めて見た0番線を見て、ハリー・ポッターに登場する「9 3/4番線」みたいだなと思っていたのでした。

佐原は古くから水郷の町として栄えており、その風景を眼で見て、写真に収めたいというのが旅の目的です。そこで駅から少し離れた小野川沿いの街並みを目指しますが、道すがら歩いているなかなか趣のある外観の建物がチラホラと目に飛び込んできます。旅のお供に選んだLeica Q3 43でLeica Looksから「Leica Chrome(CHR)」を選択してパチリ。柔らかなハイライトとトーン、ややティール寄りの青と鮮やかなオレンジが特徴的なLeica Looksです。こういったカラープロファイルはLeica Q3から搭載され始めましたが、この「Leica Chrome」については初期からあったプロファイルではなくアップデートで追加が行われたものとなっています。

また、Leica Q3 43についても少し触れておきましょう。Leica Qシリーズではお馴染みだったSummilux 28mm F1.7 ASPH.ではなく、新規光学設計のAPO-Summicron 43mm F2 ASPH.を搭載しており画角そのものが異なる機種となっています。この43mmという焦点距離については諸説ありますが、PENTAXにも「FA 43mmF1.9 Limited」というレンズがありそちらでは「35mm判フィルムの対角線が43mmであり、標準レンズはそのフォーマットの長さを焦点距離とする」という考え方があるようです。
そういった考え方に則っているのかは定かではありませんが、実際にファインダーを通してフレーミングしてみると実に使いやすい画角で、特に風景を収める=広く使いたい時に50mmほどの窮屈さがないのです。それでいてパースの効果も穏やかな画角ですので、押してよし引いてよしの画角だと思えます。
更にはAPOの名を冠しているようにApochromat仕様となっており、パープルフリンジなど色の滲みの原因となる色収差を徹底的に抑制しています。つまるところ非常によくまとまったパッケージングのカメラであり、触ってしまったが最後、筆者の物欲を刺激して仕方がない一台となってしまいました。
程なくして小野川沿いに広がる佐原の街並みに到着。川沿いには柳が植えられ、よく見る観光写真などでは緑が映えるスポットですが、今回は冬ということでやや寂しい風景にも思えます。しかしながら瓦屋根を連ねる古い街並みは変わらず美しく、タイムスリップしたかのような錯覚に陥ります。
小野川には鴨や白鳥が生息しているようですが、朝日が昇り、煌めく水面にちょうどよく居合わせてくれました。
いつもの旅行であれば本当にざっくりとだけ行きたいところを決めてから、あとは現地について割と行き当たりばったりな旅程となる事が多いのですが今回は撮影を兼ねた旅行でもあるため何箇所か行きたいところを予め検討しておく事としました。GoogleMapのストリートビューとピン挿しを利用しながら当たりをつけていましたが、これがなかなか便利です。


こちらは500畳を超える与倉屋大土蔵。江戸時代後期から明治にかけては酒造業や醤油の醸造を営んでいたそうですが、その頃に建てられた蔵で、のちに兵器庫や製粉業、米蔵といった様々な用途に利用されたそうです。重要文化財ではないものの、高い塀や無骨で力強さを感じる佇まいは、木造建築が並ぶ景観の中でも目立っていました。現在はイベントが催されるタイミングなどであれば中も見学する事もできるそうな。
続いては伊能忠敬記念館。といっても中は撮影NGのため、看板のみになってしまうのですが。ご存じの方も多いかとは思いますが、江戸時代に日本中を測量してまわり、初めて日本地図を完成させた偉人です。昨今では車のナビやスマートフォンに入っている地図アプリなど、意識せずとも地図を見ていますが、旅へ赴く時には欠かせない道具でしょう。その礎を築いた偉人が青年期から後半生に至るまでこの佐原で生活しており、旧宅等も近隣に残されています。佐原の地を選んだ際は全く意識していなかったのですが、地図というワードを咀嚼しているうちに親近感が湧いてきてしまいました。
古い街並みに止まるスーパーカブもまた乙なものです。

普段は起きないような時間から行動していた事もあり、そろそろ何か食べておきたいなあと歩き回っていると何やら気になる旗が。こちらの正上醤油店さんは老舗の醤油醸造所だそうで、創業はなんと1800年!現在は醤油だけではなくその醤油を用いた佃煮も販売を行っているようで、更には白飯に佃煮を乗せたお弁当を販売していました。
旗ではあさりめしをおすすめしていましたが、焼き蛤弁当もありこちらに即決。お店の隣には休憩所があり買ったお弁当が持ち込めるとの事だったので、寒さをしのぎつつお弁当をいただきます。甘辛く濃いめに煮られた蛤にコシヒカリを使用しているという白飯の甘みが合わさり口の中が幸せです。完食後にもう一度お店に立ち寄り、お土産に佃煮を買った事は言うまでもありません。
Leica Q3でもこういった接写は出来ますが、28mmという画角の場合どうしても広角特有の被写体が間延びした感じが出てしまいますが、Leica Q3 43では43mmという事でこういった旅先でのフードフォトなどでも程よい画角です。

さて、ひと休憩したところで今回持っていったアイテムもご紹介。色々回りたかった事もあって、泊まりで行こうと考えていたので持っているカバンでも最も大きい容量を持つPeak Designのエブリデイバックパック30Lを使用しました。Peak Designといえば日本の折り紙から着想を得た中敷きのFlexFoldが使いやすく、カバン内の気室を荷物や機材に合わせてカスタマイズ出来る点が大変便利です。今回も機材の他に着替えやタブレットPCなどを持ち運んでいましたし、帰りにはお土産を入れるためにFlexFoldを組み替えてスペースを確保するなど大活躍でした。また、Peak Design製品はLifetime Warrantyという無期限の手厚い保証制度が用意されており、文字通り生涯を通して使っている事も魅力のひとつ。
※筆者使用のモデルは既に終売しています


また、カメラの手前に見えているのはPGYTECHのメディアホルダーです。IP54相当の防塵/防滴やシリコンケースによる耐衝撃性を持っていながら、更にUSB3.2規格で接続が可能なType-Cのカードリーダーとしても機能します。もう少しコンパクトなシリーズがあると嬉しいなあと思いつつも、カラビナでカバンに取り付けられる携帯性の良さやそのままカードリーダーとしても使えてしまう利便性は、タブレットPCなどを一緒に持ち歩く筆者にとっては非常に強力なツールです。


さて撮影を続けましょう。こちらは三菱銀行佐原支店旧本館という建物で、佐原の街並みの中に急に現れる洋風建築が目を引きます。以前は実際に銀行の支店として使われていたようですが、現在は市に寄贈され千葉県の有形文化財に指定されています。
再び小野川沿いに戻ったところで、舟めぐりをしている観光客を見かけました。
柳の枯れ枝を前ボケにしてパチリ。新緑の時期だと枝垂れた柳の間を縫うように舟が進むのだろうなあと思いを馳せつつ、再訪を決意したのでした。
今回は全編通して前述したLeica ChromeというLeica Looksを使用していますが、実によくできたカラープロファイルです。フィルムライクなカラーも良いですし、ミッドトーンからシャドウへの移り変わりにおいてシャドウ側が締まりすぎないお陰で程よいコントラストを保っています。
画像処理エンジンがLeica MaestroIVになっている世代でのみ使える機能のため、M型でも使える日はまだ先になりそうな気もしますが、いつか来ると良いなぁと切に願います。

こういった街並みそのものを観光地としている場所でも、よくよく見てみれば軒先には表札があったりします。土地柄古い建物を修繕して宿泊施設としたり、飲食や土産物店としている家屋が多い中で、生活が見え隠れしているのを見かけるとちょっと不思議な気分になります。
別になんでもない一枚ではありますが、縦と横の線が気持ちよく伸びているとついカメラを向けたくなったりしませんか?

そのままの足で一度佐野川近辺を離れ、道の駅・川の駅さわらへ訪れました。道の駅は旅行へ赴く際によく立ち寄ることがありましたが、川の駅という名称は初めて聞きます。調べてみると河川に近いところにある施設で、休憩所や土産物店があったりするようで、つまるところ道の駅の川バージョンといった感じになると思われます。佐原-においては道の駅と川の駅が併設されており、このような名称になっているのだそうです。

実際にこの道の駅・川の駅さわらは利根川に面した場所にあり、空と大きな河川を一望できるロケーションは都会の喧騒を忘れて羽を伸ばせる良いところでした。

もう少しライトアップされているかなと思っていたのですが、昼間とは打って変わって静まり返っていたのが印象的。三脚を持ってこなかった事を若干後悔しつつ、手持ちで撮れる範囲で写真に収めていきました。光学式の手ぶれ補正が入っているおかげでこのくらいの明るさでもギリギリナイトスナップが出来るかなという感じでした。街の光が水面に映り、水鏡になっているのが幻想的。

ふとメモリーカードを見てみれば1日で400枚近い写真を撮っていました。
旅のお供として今回は「Leica Q3 43」をチョイスしましたが、やはりセンサーサイズからは考えられないコンパクトさが何よりも良かったなと感じます。
どうしても機材の重量は歩き回る際の体力に影響しやすく、特に歩き回るような日だとモチベーションにも関わってきます。Leica Q3 43であれば画質も申し分なく、1日中首からぶら下げて居ても全く苦にならないので快適に撮影をすることが出来ました。また、Leica Chromeのカラールックが素晴らしく本当に欲しい機材の仲間入りをしてしまいました。2025年2月の流通状況から言えばまずは予約からとなってしまいますが、これはぜひ手に入れたい機種です。

現在マップカメラでは「Leica Boutique MapCamera Shinjuku」12周年を記念してフォトコンテストを実施しています。
ライカ製品以外のカメラで撮影した写真でも参加可能!ぜひみなさまの「旅」の写真をお待ちしております。



[ Category:Leica | 掲載日時:25年02月21日 18時55分 ]

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