
去る2月24日、SIGMAが新製品発表会を行いました。
CP+前の突然のサプライズ、期待に胸をときめかせながら、弊社スタッフが取材に行ってまいりました。
まずはぜひ動画をご覧ください。
引き続き写真でもご紹介いたします。
「撮ること」の喜びにフォーカスした、シンプルかつエレガントなデザインのフルサイズカメラ BF。
単焦点に匹敵する光学性能と明るさを備えた超望遠ズームレンズ SPORTS 300-600mm F4 DG OS。
広角から超望遠、マクロ撮影まで1本で様々なシーンに対応したAPS-C対応の高倍率ズームレンズ CONTEMPORARY 16-300mm F3.5-6.7 DC OS。
どれか1つだけでもワクワクしてしまうほどの大型新製品が、一度に3つもリリースされたことに喜びを隠せません。
新製品発表会の様子と共に順番にご紹介させていただきます。
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SIGMA BF
今回一番の目玉となるのは、突如発表されたフルサイズミラーレスカメラのBFで間違いないでしょう。
7時間という途方もない時間をかけアルミニウムインゴッドから削り出されたボディは、カメラ史上初となるまったく継ぎ目のない筐体を実現しています。
これまでのどのカメラとも違う、本質的な美しさをまとったボディラインに、遊び心をくすぐるインターフェースを搭載した新型機。
驚きが止まりません。
気になるマウントはLマウントを採用。
Lマウントアライアンスに賛同している各メーカー(Leica,Panasonicなど)のレンズが使用できる為、レンズ選びに困ることはないでしょう。
すっきりとした背面に並ぶのは、3つのボタンと1つのダイヤルです。
これらの操作系にはミラーレスカメラとして初のハプティクス(※力や振動、動きを皮膚感覚として与えること。スマートフォンのボタンなどに採用されています)を採用し、新時代の操作感を実現しています。
最上部の横長の丸はステータス表示部で、F値などが表示できるようになっていました。
側面には高速充電・データ転送に対応したUSB-Cポートが。
センサーの位置を示すマークもみられます。
ストラップホールはひもを通してループをくぐるタイプを採用していました。
別売りのアクセサリーとして「ハンドストラップ HS-11」の発売も予定されています。
カメラボディのカラーと合わせてブラックとシルバーの2色展開となっております。
洗練された美しいボディと同時に使用するのに相応しいシンプルな丸紐ストラップです。
早くもBFと一緒に使用してみたく非常に楽しみです。
実際にハンズオンしてみると、その軽さに驚嘆!
ボディ単体の重量は388gと、その高い質感から予想されるよりもはるかに軽量でした。
俗にいう「グリップ」というものは存在しませんが、ローレット加工されたフロントパネルのおかげで不安感はまったくありません。
その後シャッターボタンに指をかけAFを作動させてみると、再び驚かされました。
像面位相差AFとコントラストAFによるハイブリッドAFは、速度・精度ともに従来機と一線を画す性能だったのです。
会場内の様々なものにカメラを向け試したところ、そのすべてで思い通りに合焦してくれました。
ハプティクスの操作感も合わさり、まるでおしゃれなスマートフォンを持っているかのようです。
搭載された3.15型の大型ディスプレイは約210万ドットを誇り、ライブビューでの撮影も画像の確認も非常に快適でした。
撮影に関わる主要な設定をライブビュー画面に、副次的な設定をオプションメニューに、管理機能や詳細設定はシステムメニューに格納するといった、従来のデジタルカメラから情報構造を一新したユーザーインターフェイスを搭載しており、物理スイッチやダイヤルを減らしているのにもかかわらず、撮影に関わる設定が指先ひとつで簡単に操作できます。
また、ボディ内に230GBのストレージを内蔵しており、最高画質設定でJPEG画像なら14,000枚以上、RAW画像なら4,300枚以上、動画なら2.5時間以上の記録が可能とのこと。
メモリーカードのスロットはありませんが、内蔵メモリーはカードエラーを気にせず撮影できるので、安心・安全です。
ここまでの画像で気づいている方も多いかと思いますが、このカメラの登場と時を同じくして、ビジュアルアイデンティティの刷新も行われました。
メーカーロゴを見てみると、従来の力強い書体から、美しくスラっとしたフォントへと変更されています。
知的なBFのイメージにぴったりです。
また、SIGMA創業時より使用されていたシンボルマークも新たな形へと進化しました。
SIGMAの社名の由来でもある「総和」。SIGMAに関わる全ての人々の、技術、知識、経験、英知、情熱の総和によって最高の製品を提供するという、創業以来の信念をギリシャ文字の「Σ」で象徴しています。
じっと見ているとBFやfpのボディを半分に切ったような形にも見え、SIGMA製カメラとのつながりを感じられるデザインと思いました。
SIGMAの、ひいてはカメラ新時代の訪れを予感させるプロダクト、BF。
SIGMA製品が誇るMADE IN JAPANのこだわりが随所に感じられるカメラでした。
fpで好評を得た多彩なカラーモードや、6K, L-Logを使用した動画撮影といった「撮影において本当に必要な機能」のみを厳選し、「撮る愉しみ」というシンプルな感情に訴えかけるようなカメラとなっているように感じました。
これは発売が待ちきれません。
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SPORTS 300-600mm F4 DG OS
遮熱塗装とマグネシウム合金を採用した白い鏡筒、新たに搭載されたファンクションリングと見どころいっぱいな超望遠ズームレンズです。
筆者の知る限り、SIGMAで「白いレンズ」がラインアップされるのは久しぶりの事なので、これだけでテンションが上がります。
三脚座にはアルカスイス互換規格を採用。
三脚座を持って運搬するとき滑らないよう、滑り止めのパターンも採用されています。
AF用の動力にはリニアモーター(HLA)を搭載しており、高いAF性能を実現しています。
会場で装着されていたBFとの組み合わせでは、快速・快適なAFを体験できました。
三脚座の根本部分には、撮影時の正確なセッティングの為のクリック・デクリック切り替えスイッチを搭載。
クリック感をONにして縦横の構図をさっと切り替えたり、OFFにして自由な構図をとったりと自由自在です。
鏡筒左には、上から
①フォーカスモード切スイッチ
②フォーカスリミッタースイッチ
③OSスイッチ
④カスタムモードスイッチ
と並びます。洗練されたフォントの高級感がたまりません。
③のOSスイッチに関しては、モードが1と2があり、一般的な撮影に適しているモード1とパン撮影の際に適した上下のブレが抑えられるモード2があります。
カスタムモードも2つまで設定可能で撮影シーンに合わせて最適な撮影設定をすぐに呼び出すことが出来ます。
また、画像右側のマウント部付近には、市販のφ40.5mmドロップインフィルターを装着可能なフィルターホルダーがあります。
鏡筒右側に目を向けると、上から
①SETボタン
②BEEP音の切り替えスイッチ
③ファンクションリングの動作設定スイッチ
が組み込まれています。
鏡筒の先端付近に配されたファンクションリングは、動作設定スイッチを合わせて使うことで
フォーカスプリセットモード:ファンクションリングを左右いずれかに回転させることで、あらかじめ登録したフォーカス位置へフォーカスを瞬時に移動させることができるモード。
パワーフォーカスモード:ファンクションリングの操作によって一定速度でのフォーカシングが可能。動画撮影におけるスムーズなピント送りや、手持ち撮影時にも少ない動きでフォーカシングすることができます。(ファンクションリングを操作する角度によってフォーカス速度を2段階に切り換えることも可能)
の2つの機能を使い分けることができます。
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CONTEMPORARY 16-300mm F3.5-6.7 DC OS
最後にご紹介するのは、APS-C用の高画質な高倍率ズームです。
ミラーレス用レンズとして世界初の約18.8倍のズーム比を達成した上、光学性能にも妥協しない一本。
FLDガラス1枚、SLDガラス4枚、非球面レンズ4枚を効果的に配置することで諸収差を良好に補正し、ズーム・フォーカス全域で安定した描写を誇ります。
広角側が16mm始まりなので、雄大な景色を前にして「画角の中に被写体が収まらない!」という事も減らせます。
更にはフォーカスブリージングも抑えられているので、動画撮影する方にも嬉しい設計となっています。
ズームロックスイッチがあるため、運搬時不用意に鏡筒が伸びる事を防げます。
また、鏡筒はズーミングで大きく繰り出しますが、しっかりした造り故がたつきなどはありません。
防塵防滴に対応した設計ゆえの剛性感が感じられました。
これだけの高倍率を実現しながらも重さはなんと約615gとの軽量さを実現。
この一本あれば撮影できないものはないのではないか、そんな撮る楽しさを呼び起こしてくれるレンズです。
しかも、Lマウント・Eマウント・Xマウント・RFマウントと幅広いマウントでの発売予定のため多くの方に使用いただけるレンズとなっております。
それだけでは終わりません。
先ほどから何度か写真内で登場していますが、白を基調としたブースの中でひと際輝く、美しい金属鏡筒のレンズたち。
そうです、大人気のSIGMA Iシリーズがリニューアルし、従来のブラックに加えてシルバーもラインアップされたのです。
Iシリーズと言えば、奇麗な写真が撮れるだけではなく、持つたびに心躍り触れるたびに喜びを感じられるレンズ群でした。
ただの道具ではなく、憧れや愛着を持って愛せるプロダクトと言えるでしょう。
この度BFの登場に合わせ、シルバーが登場したことでカラーコーディネイトができるようになりました。なんと嬉しいことなのでしょうか。
BF以外でも、Leica SL2やTL、CLのシルバーカラーに合わせても似合いそうです。
もちろん従来のブラックカラーも引き続きラインアップされます。
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今回SIGMAから発表された驚きと喜びに満ちた3製品。
ぜひ続報をお待ちください!