
日ごとに気温も高くなり、通勤途中や休日のふとした瞬間に植物の成長を感じられる機会も多くなってきました。
家では毎年の恒例としてベランダで夏野菜を育てていますが、1日で驚くほど成長していたりします。
そんな新緑もまぶしい初夏におすすめしたいレンズのひとつがマイクロレンズです。
今回は Nikon『Zf』に『NIKKOR Z MC 50mm F2.8』を装着して初夏の公園へ撮影に向かいました。
気軽に持ち歩ける小型軽量なマイクロレンズはクラシカルな外観のボディともすっきりとして似合い携行性も抜群です。早速訪れたハーブ園ではセージやラベンダー、カモミールが花開いていました。虫は蜜集めに忙しそうでしたが、人はのんびりと鑑賞している人が多かったです。
開放F値2.8、最短撮影距離0.16m、等倍撮影と、明るいマイクロレンズ特有の柔らかく大きなボケは被写体を立体的に引き立たせてくれます。
ワーキングディスタンスは約5cm、1cm程度のテントウムシもこのとおり、つやのある体には周囲の光景まで映り込みそうなほどです。この時はじめはふわっとした特徴的な葉を撮影しようとしていましたが、偶然飛んできたテントウムシを主役にするようにシャッターをきっていました。
特徴的な球形の花を咲かせたチャイブは上から俯瞰するように撮影。薄紅の花が美しく観賞用かと思いましたが、ネギの仲間で葉が薬味になるそうです。
ハーブ園の近くにあるバラの植え込みは少々見ごろは過ぎているようでしたが、周辺にはバラのいい香りが広がり訪れる人を楽しませているようでした。数種類のバラの中から特に綺麗な花を探しつつ撮影するのはこの時期恒例でもあります。満開の見ごろの時期であればどのようなレンズでもいいですが、一部を切り取りたいような時にはズームレンズや今回のようなマイクロレンズがおすすめだと思います。
ハーブ園やバラの植え込みを離れて歩いていたら川沿いで面白い葉の形をした植物がありました。中心からくるくると巻くように葉を伸ばしているその中心には生まれたばかりのような小さなカマキリの姿がありました。こんなに小さいのにもう成虫と変わらない姿で少し面白くもあります。
川の周辺の低木に実のようなものがなっていました。帰ってから調べてみましたがおそらくクワ科のヒメコウゾでしょうか、葉の下に隠れるように順番に連なっている球形のものは花が咲き終えた姿のようです。何年も訪れている撮影場所ですが時期や時間で毎回新発見があります。
川を通り過ぎて池や湿地帯の方面にたどり着けば、今回の目的であったアヤメ、カキツバタ、キショウブ園があります。残念ながら今年は近くでまとまって咲いてはくれなかったようです。
一番近くに咲いてくれていたカキツバタは大きな花びらの根元に白い筋が入っているのが特徴のようです。よく似た花の姿のアヤメとカキツバタは毎回見分け方を検索しているような気がします。
このあたりの湿地帯ではよくトンボを見かけることができます。小さなころは虫取り網を持って追いかけていましたがこの頃ではカメラを持って追いかけているから不思議なものです。今回は見慣れない茶色いトンボを見つけ、風にあおられる姿を連写しました。初めて見つけたトンボだと思いましたがどうもムギワラトンボとも呼ばれるシオカラトンボの雌の姿のようです。
この日は気温25度と夏日で曇りでありながらたまに日が射すような暑い日でした。
とはいえまだ真夏ではないので木陰や水辺などは涼しく一休みには最適です。さらに涼を感じようと水車の周辺へ向かい、流れる水を写しとめてみることにしました。透明感と勢いを感じられる水は見ているだけでも涼しさを感じられ、水車や石垣には植物が生い茂り年代も感じさせます。
水車や上流からの湧き水が小川を流れていますがそこではトンボも一休みしているようでした。警戒心が強いようだったのでこの1枚のみ撮影範囲を変更しDXフォーマットで撮影しています。
帰路の途中、あえて太陽をフレーミングしてみました。
光学構成を見直した結果得られた高い光学性能、逆光耐性によりゴーストやフレアを効果的に低減してくれます。
初夏の新緑の生命感あふれる光景は歩いているだけで楽しく癒されるような気分になります。
特に今回のようなマイクロレンズの場合、普段は見逃しがちな小さなものでも撮影できるため被写体探しに集中できます。
この記事では植物や昆虫、水がメインとなりましたが、街中のスナップやポートレート、テーブルフォトにも活躍してくれるおすすめのレンズです。