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【Nikon/Voigtlander】Z5にてAPO-LANTHARの写りを楽しむ

【Nikon/Voigtlander】Z5にてAPO-LANTHARの写りを楽しむ

先月撮影したものとなります。

Voigtlanderは、カメラが発明される以前の18世紀から活躍していた光学機器メーカーです。オーストリアのウィーンで創業し、後にドイツへと拠点を移しました。世界で最も歴史あるカメラメーカーの一つに数えられます。

カメラの歴史と共に歩んできたVoigtlanderですが、ツァイス・グループ企業との提携合併や倒産など、数々の変遷を経てきました。しかし、1999年に日本のコシナがフォクトレンダーブランドの商標使用許諾を得たことにより、現代においてその名を冠するレンズが再び誕生することとなりました。

今回用意した「Voigtlander APO Lanthar 90mm F3.5 SL 」は、無骨な印象の外見が特徴です。
鏡筒からピントリング、フード取り付け部に至るまで、重厚な金属感が感じられるデザインで、現代のスマートなレンズデザインとは一線を画す堅牢な外観を持つ一本と言えるでしょう。

APO-LANTHARの「APO」とは、赤緑青の三色の光に対し、色収差を補正する光学設計を意味しており、
鏡筒のデザインで特徴的な赤・緑・青のラインの意匠は、ドイツ時代からの伝統的なものとなり、上記の意味をあらわすものとなるようです。
色収差が高度に補正したレンズの称号になるもので各種の収差を徹底的に排除した画像が得られるかと思います。

マニュアルレンズを使用するうえで欠かせないフォーカスリングのトルク感は、このレンズにもしっかりと施されております。
適度に粘りのあるヌメリ感がマニュアルフォーカスでピントを合わせていく微調整には必須となり、それを楽しめることも、このレンズを所有する意味になるかと思います。

ピントリングを繰り出すと全長が伸びますが、全体的に中望遠のレンズのわりにコンパクトなサイズに収まっているのも特長です。

さて今回、この「Voigtlander APO Lanthar 90mm F3.5 SL」を使用するにあたり、「Nikon Z5」「Nikon FTZ」と組み合わせて用意してみました。
Nikon ミラーレスカメラ Zシリーズのボディのフランジバックは16mmと短く、オールドレンズと言われるものは物理的に装着できないものを除き、マウントアダプターを介してほとんどのメーカーのものは使用可能ですので、いろいろなメーカーのレンズを使用してみたい方には「Nikon Zシリーズ」はお勧めできると言えるかもしれません。

先月は茨城県の水郷地帯に足を延ばしてみました。
例年あやめの見ごろは6月の半ば頃でしたが、訪れてみるとまだ6分程度の開花状況だったので今年は遅咲きの状況だったようです。
後から確認したところ6月後半に入り見ごろを迎えたのですが、そのころには夏の暑さに花が負けてしまい、すぐに終盤を迎えたとのことです。

見ごろ前の開花状況ではありましたが綺麗に咲くあやめに出会うことはできました。
「Voigtlander APO Lanthar 90mm F3.5 SL」は開放からコントラストが高めで、中望遠レンズの割には寄せながらの撮影に向いており、最短撮影距離0.5m時にて約0.28倍までの接写を可能となっています。
野外の花々の撮影に持ち出すにはとても向いているかと思います。

「Nikon Z5」は現在後継機の「Z5II」が出ております。当然後継機のほうが性能がよろしいわけですが、フルサイズデジタルミラーレスカメラのエントリークラスの機種として決して外せない重要なファクターがあります。
それはコストパフォーマンスにすぐれていること。つまりエントリークラスのカメラとしてはとてもお安く始めることができる点です。

こういうと性能面に不安が残るように思えますが、画像エンジンは同世代の機種の上位機種と同じ画像処理エンジンEXPEED 6を搭載しており、5段分の手ブレ補正性能も内蔵しています。
273点のフォーカスポイントに加え、瞳AFもありますし、描写に関しても妥協なく精緻で質感のある画像を得ることができます。
後継機に比すれば高感度耐性やAFの追従などに不足があるかもしれませんが、同世代の上位機と比しても撮影機能としては既に十分な性能を持っている機体ともいえますので、Nikonのミラーレスカメラを始めようという方には、とても向いているのではないかと思います。

「Nikon Z5」と「Voigtlander APO Lanthar 90mm F3.5 SL」は、システム全体としてコンパクトにまとまっており、APO Lantharの設計がもたらす色収差の少ない描写を存分に活かせる組み合わせです。

ボケ味は非常に柔らかく美しいため、背景が自然で素直にぼけてくれます。これにより、ピント面のシャープで緻密な解像感と相まって、被写体が際立つ立体感のある画像を得られるでしょう。

Voigtlander などのオールドマニュアルレンズに興味がある方は、是非この組み合わせもご検討いただいてみてはいかがでしょうか。

梅雨も明け本格的な夏が始まったようです。
撮影を楽しむ際にはくれぐれも暑さの対策を怠らぬよう気を付けてお出かけくださいませ。


[ Category:Carl Zeiss & Voigtlander Nikon | 掲載日時:25年07月22日 12時00分 ]

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