
Leica SL3やQ3に搭載された最先端のイメージプロセッサー「Maestro IV」では
画像処理の高速化や低ノイズに寄与し、Leica独自の色再現性を実現しています。
そして、Maestro IVでは新たな機能として撮影者の好みに応じて変更可能なカラープリセット「Leica Looks」が使用できるようになりました。
この連載ではそれぞれ独自のカラールックを持つLeica Looksに焦点を当て、その魅力に迫っていきます。どうぞお楽しみください!
今回は、Leica Q3に「Leica Contemporary – CNT」のLeica Looksを適用し撮影します。
「Leica Contemporary」は、Leica社の紹介では「明るい陰影、自然な色合い、ほのかに赤みを帯びたトーンでモダンな美しさ」とのこと。
Contemporaryとは、直訳で「現代の、同時代の」といった意味合いがあるようです。
撮影に出かける前に。
Leica Q3とえいば、豊富に純正のアクセサリーが用意されていることも魅力の一つ。
置くだけで充電可能な外付けグリップと充電器や、レンズフード、ホットシューにサムレスト、ストラップ、ケース…。
今回は、サムレストと別売レンズフードをプラス。
もともと曲線が多く柔らかな印象を持つQ3のプロダクトデザインですが、アクセサリーを追加するとややソリッドな印象に。
また、ストラップにはARTISAN&ARTISTより栃木レザーストラップ ACAM-284のブラックカラーをチョイス。
栃木レザーとは、「栃木レザー株式会社」が提供するブランドレザーやその製品で、本ストラップのレザーも栃木レザーのものが使用されています。
優しい光沢感を持つブラックカラーに、当て革付近にあしらわれたワンポイントの白ステッチが、しつこ過ぎず、印象的なデザインとなっています。
さて、前準備もできたところで、いざ撮影へ。
Leica Q3 (Leica Contemporary, SS:1/1600,F2.8,ISO100,28mm )
今回撮影に赴くのは、都内の少し大きな公園です。
駅から出て公園まで、やや距離があります。さっそくQ3を取り出し、スナップしながら向かうことに。
ところで、私は普段はレンズ交換式のミラーレスカメラで、ビンテージレンズで遊ぶことが多く、Q3は初めての使用です。
持ってみると、その筐体の軽量さに驚きます。
店頭でご案内をしていると、「重いカメラやレンズの一式を手放して、Q3を買いたい」というお話をよく伺います。
確かに、この機種であれば、ある種のそういったわずらわしさから解放されるだろうと、直感的に感じます。
Leica Q3 (Leica Contemporary, SS:1/2500,F2.8,ISO100,28mm )
当たり前の話ではありますが、普段ビンテージレンズばかり使っている身からすると、AFが搭載されているだけで大変恩恵を感じます。
今回、Q3を使用するにあたっては、多少被写界深度を深く取り、思うままに景観を切り取ろうと考え臨みました。
AFはシャッターを切るまでの工程が減り、シンプルに撮影枚数の向上に寄与してくれます。
Leica Q3 (Leica Contemporary, SS:1/1600,F2.5,ISO100,75mm Crop )
こちらは、デジタルフレームで75mmを選択し撮影した1枚です。
Q3は、段階的にデジタルフレームを選択し、撮影画像をスピーディにクロップすることができます。
過信は禁物ながら、6000万画素ものセンサーを搭載しているため、クロップ後でもなかなかの情報量が残っています。
Leica Q3 (Leica Contemporary, SS:1/250,F2.5,ISO100,28mm)
この公園は、江戸時代に用水を確保するため、川を堰き止め作られた池の周りを、公園として整備した場所のようです。
都内の他の公園とはまた違った景観が魅力的で、来園している方は、ほとりで釣りをしたり、散歩や読書をしたり、昼寝をしたり、思い思いの時間を静かに過ごしているようで、心が安らぐ場所でした。
Leica Q3 (Leica Contemporary, SS:1/500,F2.5,ISO100,28mm)
Leica Q3 (Leica Contemporary, SS:1/800,F2.5,ISO100,28mm)
足を進めると、整然とした静かな池のほとりのイメージから打って変わって、鬱蒼とした樹々が視界を覆います。
この辺りは、野鳥たちが来るようで、観測スポットにもなっているようです。
Leica Q3 (Leica Contemporary, SS:1/250,F2.5,ISO100,28mm)
Leica Q3 (Leica Contemporary, SS:1/250,F2.5,ISO100,28mm)
多様な水生植物が植生しているようで、このエリアでは水面を覆いつくすほどの蓮が広がっています。
二枚目は、その蓮の葉の上のしずくをマクロモードで捉えました。
Leica Q3 (Leica Contemporary, SS:1/2500,F2.5,ISO100,28mm)
池の終着間際では、対岸の建物が水面に反射していました。
思っていたより大きな公園で、軽い散歩のつもりが、いつの間にかちょっとした運動になっていました。
Leica Contemporaryを使用してみた所感について。
ご覧になっていただくとわかるように、コントラストが上がります。
印象としては、CCDセンサーのデジタルカメラで撮っているとも、C-PLフィルターを装着しているときのような感じとも似ているような、そんな感触です。
「自然な色合い」と紹介されている通り、発色は過度に彩度が高いような印象はないですが、
ニュートラルな状態と比較すると、やや濃い発色をする印象があります。この辺りは、前述のコントラストも関係するかもしれません。
Leica Q3は、まさしく現代的なデジタルカメラの一つと言えましょう。
28mmの単焦点レンズ、レンズ固定式のカメラは、他のコンパクトカメラ同様、使い出が難しいととらえられるかもしれませんが、
その実、Leica Q3は、デジタルズームやマクロの搭載等、様々な撮影要件を卒なくこなせてしまいます。
そういった意味で、このカメラだけ持っておけばある程度解決できてしまう、というのは大げさではないかもしれません。
そして、Leica ContemporaryはそんなQ3に遊び心をプラスする、うってつけなLeica Looksと言えるでしょう。
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