
【Leica】アナログとデジタルの融合。M11-D
昨今のデジタルカメラは様々な便利機能が詰め込まれているのが当たり前になってきています。
しかし、M型デジタル機は手振れ補正やオートフォーカスといった便利機能は搭載されていません。
そのシンプルさこそ写真を撮るという行為をより深く楽しむのに最適と言えます。
そんなM型デジタル機の中には、究極のシンプルさを追求したシリーズがあります。”D”シリーズです。
Dシリーズはデジタルカメラでありながら、背面液晶が搭載されていません。
背面液晶を撤廃するということはデジタルカメラのデジタルたらしめている部分を取り払ってしまったと言っても過言ではないくらいです。
Dシリーズはこれまで、M-D(Typ262)、M10-D、M11-Dの三機種が発売されています。今回はその中から最新のM11-Dを持って撮影にでかけました。お供に着けたレンズはVoigtlander APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical VMです。
このレンズは、フルサイズのMマウントに最適化された非常に性能の良いレンズとして知られています。
アポクロマート設計により、軸上色収差などの様々な収差を徹底的に排除し、且つ解像力やコントラストの再現性に関しても妥協なく作られています。Leicaからも同じ焦点距離、アポクロマート設計を搭載した、Leica アポズミクロン M50mm F2.0 ASPH. がありますが、値段はその1/13です。
まさにハイコストパフォーマンスを体現するような一本です。
今回の撮影では、ISO感度は基本的に400固定で撮影してみました。アナログ機らしさを楽しむ為です。
ただ、そこにデジタル機の気軽さを残すために、その他の露出設定はすべてオートにしています。
本来であれば背面液晶が配置されている部分にISO感度ダイヤルが配置されており、ISO感度の調整をスムーズに行うことができます。
M11-Dは背面液晶が無く、撮影した写真を確認するにはアプリ「LeicaFOTOS」を使用して写真を確認する、あるいはSDカードからデータを移す必要があります。
ただ、今回は、撮影中にデータを確認しないことにしました。こちらもISO感度と同じくよりアナログらしく楽しむためです。
写真を確認せずに行う撮影は、プレビューで一喜一憂することがないので、ある意味ノンストレスで撮影することができました。
また、これは撮影を進めていく中で気が付いたことですが、シャッターを切った後に液晶が無いにもかかわらず、液晶がある部分を確認してしまうことが多くありました。これは普段の撮影の中でルーティンとして体に染みついてしまっていたのだと思います。
M11-Dを一言で表すなら、撮影するという行為を雑味なく楽しむことができるカメラといったとこでしょうか。
「デジタルカメラのメモリが許す限り撮り続けることができる点」と「アナログカメラの撮影に没頭できる点」を併せ持つそんなカメラだと感じました。
今回はデジタルの気軽さを残すために露出設定を一部オートにしていましたが、次回はフルマニュアルで撮影してみたいです。
今回は敢えて撮影した写真を確認せずに撮影を行いましたが、Leicaのアプリ「Leica FOTOS」と接続することで、写真の確認はもちろん、様々なデジタルフローを取り入れることが可能です。必要な機能だけを厳選することで、使い手にぴったりな究極のシンプルカメラを手にすることができます。
撮影という行為を思う存分楽しみたいそんな方にオススメしたい一台です。