
ボディについてもひと世代前のLeica M10シリーズを使用してみる事に。2400万画素という事で、
都会の真ん中の花壇に堂々と咲いている一輪の向日葵。
ハイライト部分にふわりと滲みが出ているのは、やはりオールドレンズらしさがあります。
細部まではっきりと描写ができる現代の最新性能が詰まったレンズも目を見張るものがありますが、優しい写りをしてくれるこのレンズもまた違った感覚で撮影ができるので楽しいです。
無限遠や少し絞っての撮影ではきちんと被写体を描写してくれます。
そうはいっても細部まで細やかにカリカリと写しすぎることはなく、やはり柔らかさがどこかに感じられる写りになっています。
プランターの花は造花で工事中の囲いの中にあり、「なぜこんなところに花があるのか」と目に留まりました。
上の写真は2枚ともガラスや透明なパネルを通しておりますが、ライカのカメラとレンズの出す空気感というのでしょうか、ついそういったシーンの写真を撮ってみたくなります。
最短撮影距離に近いところで撮影してみました。
もともとの2ndのレンズでは最短撮影距離1mだったのに対し、復刻版では70cmまで寄ることができるようになっています。
かなり被写界深度も浅く、背景には滑らかな大きなボケを作り出すことができます。
ライカの作例を見ていてもう一点筆者が好きなのが、コントラストが高い写真になります。
適正露出に完全に合わせるよりも、少しアンダーに調整する方がシャドウ部の階調性をより表現してくれるように感じます。
昼から夕方にかけて歩き回って撮影しておりましたが、そこまで疲労を感じなかったのはM型のコンパクトさによるものでしょうか。
このレンズのカラーバリエーションはシルバーのみの真鍮製で単体で持つとずっしりとした重みを感じますが、それは同時に存在感を示し所有欲を満たしてくれるものでもあります。
復刻版として販売されている今回紹介したレンズは、オールドらしさも残しつつ、現代的な点も取り入れられている優れたレンズだと感じました。
現行で製造されているので、新品を購入すれば保証がついてくるのも嬉しいところです。
ライカのM型は全てMFになりますが、オールドらしい写りを探している方には一度試していただきたいレンズになります。