
【HASSELBLAD】XCDレンズが解き放つ、1億画素カメラの真のポテンシャル③
デジタル時代に中判カメラの魅力を再定義したハッセルブラッド。
その独自の世界観を支えるのが、Xシステムのミラーレスカメラ用に設計されたXCDレンズです。
卓越した光学性能、レンズシャッターによる全速ストロボ同調、そしてコンパクトな設計。
これらは、中判の豊かな階調や空気感を、より身近なものにしてくれます。
このレンズは、プロの現場からハイアマチュアのクリエイティブな挑戦まで、幅広い写真家を魅了し続けています。
この記事では、そんなXCDレンズの魅力と特徴を深掘りしていきましょう。
今回ご紹介するHASSELBLAD XCD 55mm F2.5 Vは、2022年に発売された標準レンズです。
こちらのレンズのスペックをざっくりと紹介すると、35 mmフルサイズ換算で43 mmの焦点距離に絞り範囲が2.5 – 32と扱いやすく、重量も372gとボディとの重量バランスも良いレンズとなっています。
そして、最短撮影距離は0.45mとテーブルフォトや背景ボケを活かしたポートレートなども得意としています。
F5.6 1/2000秒 ISO800
F2.5 1/800秒 ISO64
F2.5 1/600秒 ISO64
XCDレンズのラインナップの中でも55mmという焦点距離は、人間の視野に近くまさに標準レンズのど真ん中と言える画角です。
広すぎず、かといって窮屈でもない焦点距離がこのレンズの魅力です。
開放F2.5という明るさもさることながら、滑らかな前ボケも美しくまさにハッセルブラッドならでは。
また、ハッセルブラッド独自の「ハッセルブラッドナチュラルカラーソリューション(HNCS)」が、見たままの自然で美しい色を再現するため、現像をせずとも撮って出しの写真で満足のいく仕上がりになります。
F10 1/80秒 ISO64
F6.3 1/100秒 ISO64
1億画素を誇るX2Dのセンサーと相まって、雄大な甲府盆地と稜線にまたがる雲が中判カメラならではのダイナミックな描写で、見る人の心を揺さぶります。
X2Dではチルト式の液晶を使うことで、ローアングルの撮影も容易に可能ですが、X2D IIではハイアングルにも対応したチルト式液晶を採用したことで撮影の幅が大きく広がりました。
利便性が向上すると同時に、これだけ大きな画素数を有するカメラで懸念されるのが撮影データの大きさ。
大容量のRAWファイルを扱う上でストレージは大きな課題となりますが、X2D,X2D IIでは1TBの高速SSDを内蔵。
仮にカードを忘れたとしても、問題なく撮影を行うことができます。
F2.5 1/1000秒 ISO64
F2.5 1/20秒 ISO3200
夕日が沈みかけ空がだんだんと暗くなったタイミングで撮影をしても、ノイズが多くのったりせず16ビットの色深度と最大15ストップの広いダイナミックレンジにより、ハイライトからシャドーまで粘り強く、豊かな階調で盆地の景色を切り取ってくれます。
今回はXCD 55mm F2.5 Vを紹介致しました。単なる道具を超え、写真家の創造性を刺激するXCDレンズ。その卓越した描写力は、中判カメラでしか味わえない唯一無二の表現をもたらしてくれます。
「写真を通して、何を伝えたいか?」
この問いへの答えを、XCDレンズはきっと見つける手助けをしてくれるはずです。ぜひ、あなたもこのレンズを手に、新たな物語を紡いでみてください。