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【HASSELBLAD】XCDレンズが解き放つ、1億画素カメラの真のポテンシャル⑤

【HASSELBLAD】XCDレンズが解き放つ、1億画素カメラの真のポテンシャル⑤

デジタル時代に中判カメラの魅力を再定義したハッセルブラッド。
その独自の世界観を支えるのが、Xシステムのミラーレスカメラ用に設計されたXCDレンズです。
卓越した光学性能、レンズシャッターによる全速ストロボ同調、そしてコンパクトな設計。これらは、中判の豊かな階調や空気感を、より身近なものにしてくれます。
このレンズは、プロの現場からハイアマチュアのクリエイティブな挑戦まで、幅広い写真家を魅了し続けています。
この記事では、そんなXCDレンズの魅力と特徴を深掘りしていきましょう。

HASSELBLADのレンズの魅力を探る記事の第5弾となりました。
今回紹介する機材は、XCD 28mm F4 Pです。

XCD 28mm F4 PはPortalbe(携帯性)を意味しており、Xシステムのレンズの中でも245g , 43.5mmと軽量・最小のレンズです。
35mmフルサイズ換算だと22mmの広角レンズで、自然や都市風景などのストリートスナップや建物の撮影に最適です。

907 & CFV 100Cには、コントロールグリップを合わせてより直感的な操作が可能になる組み合わせにしました。

ストラップには京都の老舗組紐店が作り上げた組紐のカメラストラップ「ARTISAN&ARTIST 別注シルクストラップ ACAM-301R 千歳緑」を合わせました。
どんなファッションにも合わせやすい落ち着いた色味としなやかな質感で、結んで手首にかけたり自由自在に扱えるストラップです。

ISO64 F4 SS1/60

XCD28mmはフルサイズ換算すると、22mmの広角レンズです。
それにより、光が差し込む葉っぱの隙間からアスファルトに写る木陰までを1枚に収めることができます。
また1億画素のCOMSセンサーを搭載した907X & 100Cは16bitの色深度を実現しており、木陰が美しく写し出されています。

ISO64 F4 SS1/80

ISO64 F4 SS1/160

途中で花壇がありました。
チルト式の液晶が搭載されているので、こういったローアングルの撮影でも集中して撮影ができます。

フルサイズカメラよりも大きい中判センサーのカメラのため、記載しているF値よりも1段ほど大きくボケると言われています。
それにより自然なボケができ、より写真に奥行きを感じていただけるのではないでしょうか。
写真は立体を平面に写し出しますが、ピント面とボケのバランスによって立体感が感じられるところが写真の面白いところです。

ISO400 F6.8 SS1/60

広角レンズというと情報がたくさん入りやすいために懸念する方も多いのではないでしょうか。
私もその一人でした。

そんな方に一度挑戦していただきたいのがこのXCD 28mm F4 Pです。
確かに広い、けれどイメージしやすい画角にダイナミックなボケが実現でき、表現の幅が広がります。
さらに慣れてくると、撮影する風景を探している時やふらっと街を歩いている時に自分の視野が広くなったように感じ、日常を彩ってくれるレンズです。

ISO64 F8 SS1/80

信号が青に変わってしまったため急いで撮ったのですが、さすがの広角。
ビル全体や人の流れがしっかりと撮れています。
見上げた形で撮っているので、よりビルに迫力が増して見えています。

ISO64 F5.6 SS1/320
ISO3200 F9.5 SS1/100

グッと下から見上げた写真を並べました。
いつも見ている視界より2周りほど広い画角ですが、なぜか記憶の中の景色に近いものを感じます。
建物全体を見て、構造を把握するために頭の中で記憶を繋げているのかもしれませんね。

このレベルの広い画角を求めると撮影者がかがんだりローアングルに設定したり撮影の態勢が厳しくなりがちですが、今回はどちらも立った状態からカメラを目の前に持ってきて撮影することが出来ました。

ISO64 F4 SS1/320

しだれ柳を真下から、最短撮影距離で撮ってみました。
最短撮影距離は0.22mと、思ったよりも近くまで撮ることができます。
柳が降りかかってきそうな躍動感とどこか秋を感じる涼しさ写し出してくれます。

ISO64 F4 SS1/80

まだ日差しに夏らしさが残っているように感じます。
逆光でも程よいフレアが出ており、明暗がくっきりと分かれた写真になりました。

手前のフェンスに近寄って撮ったのですが、その奥の風景を切り過ぎず入れすぎず写せるこの画角。
前ボケ好きの方におすすめしたいレンズです。

ISO1600 F4 SS1/5
ISO3200 F6.8 SS1/8

夜景の撮影では、以前HASSELBLADとFUJIFILMが共同開発をしたパノラマフィルムカメラXpanのアスペクト比(65:24)で撮影してみました。
このくらい短辺が極端に小さい比率やガラス越しの撮影だと、どうしても考えていた構図では窓ガラスの反射や人影が入ってしまう。なんてこともあります。
28mmの広角レンズでは十分な画角で窓に近付いて撮影ができたので、ガラスの反射や人影も気になることはありませんでした。

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今回はXCD 28mm F4 Pを紹介致しました。
単なる道具を超え、写真家の創造性を刺激するXCDレンズ。
その卓越した描写力は、中判カメラでしか味わえない唯一無二の表現をもたらしてくれます。
「写真を通して、何を伝えたいか?」
この問いへの答えを、XCDレンズはきっと見つける手助けをしてくれるはずです。ぜひ、あなたもこのレンズを手に、新たな物語を紡いでみてください。

[ Category:etc. | 掲載日時:25年10月02日 11時00分 ]

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