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【HASSELBLAD】XCDレンズが解き放つ、1億画素カメラの真のポテンシャル⑧

【HASSELBLAD】XCDレンズが解き放つ、1億画素カメラの真のポテンシャル⑧

デジタル時代に中判カメラの魅力を再定義したハッセルブラッド。
その独自の世界観を支えるのが、Xシステムのミラーレスカメラ用に設計されたXCDレンズです。
卓越した光学性能、レンズシャッターによる全速ストロボ同調、そしてコンパクトな設計。これらは、中判の豊かな階調や空気感を、より身近なものにしてくれます。
このレンズは、プロの現場からハイアマチュアのクリエイティブな挑戦まで、幅広い写真家を魅了し続けています。
この記事では、そんなXCDレンズの魅力と特徴を深掘りしていきましょう。

今回ご紹介するレンズは『HASSELBLAD XCD 38mm F2.5 V』です。
35mm判換算30mm相当の準広角レンズでレンズの長さがマウント面から63mm、重さ350gと携帯性と描写に優れた1本です。

ISO 64 f2.8F 1/500

X2D 100Cは576万ドット、倍率1.0倍のEVFを搭載しており、晴天の日でも快適に撮影が可能です。
筆者はどんな一眼カメラでも撮影前に視度調整をして撮影に臨むのですが、改めてX2D 100Cのファインダー周りを見渡しても
視度調整する物理的なダイヤルが見当たらず、しばし沈黙。
X2D 100Cはメインメニュー内の「ディスプレイ」設定から「EVFディオプター」を選ぶと電子的に調整ができます。
国産一眼カメラに慣れている筆者は電子補正という発想には至らずハッセルブラッドのユニークな一面を感じました。

ISO64 F8 1/160

XCD 38mm 2.5VのレンズはハッセルブラッドのE、V、Pシリーズのラインアップの内、汎用性を表すV(Versatile)シリーズのレンズになります。
綿密な光学設計による性能と携帯性の絶妙なバランスを実現したモデルです。
実際AF-Sモードで風景、スナップ撮影で使う分にはAFの性能や速度は申し分なく気が向いた瞬間にパッと構えて撮影しても
5軸7段分の手振れ補正と握りやすいグリップのため1億画素の中判デジタル一眼とは思えないほど、気軽に高画質な写真が残せます。
作例はF8まで絞ったもので8枚羽の絞り羽の光芒がアクセントになっています。

ISO 64 F2.5 1/2000

かわって絞り開放でのカット。画面中心に太陽をおき、逆光で目が明けづらい中さっと撮影しました。
光源を中心に優しいフレアとわずかなゴーストがピントを合わせた葉っぱの周りに良い雰囲気を与えてくれました。
葉っぱに当たる日の光の印影や奥行きを感じる立体感があるボケ味は30mm相当の準広角レンズでも中判センサーの実力を感じます。

ISO 64 F2.5 1/1000

1枚目の写真の9時方向の部分をオリジナルデータから等倍切り出ししたものです。
肉眼では完全に見えない木の実がしっかりと写っています。
この作例では通常F8から16くらいまで絞るのが定番ですが、あえて絞り開放で撮影しているので、被写界深度から外れた葉っぱも見受けられます。
中距離で30mm/F2.5のレンズでも中判一眼カメラなので被写界深度の表現の余地があるのが流石だと思います。
発色も濃厚な仕上がりで人間の肉眼に近い色を作るHNCS(ハッセルブラッド・ナチュラルカラーソリューション)により晴天の青空と少し早めの紅葉を楽しめました。

ISO 64 F2.5 1/80

地面に当たる光のコントラストが目にとまり思わずシャッターを切った1枚。
X2D 100Cは3.6インチのチルト式のTFTモニターを搭載しています。
作例はローアングルで構え左手前の草にタッチパネルでピントを合わせました。
背面モニターがとても大きく、綺麗なのでどこにでもある被写体でも思わず撮りたくなってしまうクオリティです。

ISO 64 F2.5 1/1000

今回、X2D 100Cを使ってみて筆者が感銘を受けたのがファインダーを見ながら左手でタッチパネルを触ることで
AFポイントを任意の場所に移動させたり、ダブルタップで拡大ができることでした。
背面モニターでライブビューを使う時は各社、タッチパネルでAFポイントを指定できるのはよくある機能ですが、
ファインダーをのぞいた状態でそれができるカメラは意外と少なかったりします。
3.6インチの大型モニターはそういった直感的な操作をする場合でも活躍することを知りました。

ISO 64 F2.5 1/20

XCD 38mm F2.5Vは換算30mmの画角が広すぎず、狭すぎず、XCDレンズを風景、スナップ用途で選ばれる方にまずは始めの1本としておすすめしたいと思いました。
最短撮影距離も30cmと短めのためテーブルフォトにも丁度良い距離で、普段使いはもちろん旅行にも常用したい1本です。
X2D 100Cとの組み合わせは色再現や質感描写に優れ、中判デジタル一眼カメラを使っているとは思えない気軽さで
高クオリティの写真を残してくれるので、今フルサイズ一眼カメラを使っている方にもステップアップとして中判デジタル一眼カメラデビューに最適の1台です。

今回はXCD 38mm F2.5 Vを紹介致しました。
単なる道具を超え、写真家の創造性を刺激するXCDレンズ。
その卓越した描写力は、中判カメラでしか味わえない唯一無二の表現をもたらしてくれます。
「写真を通して、何を伝えたいか?」
この問いへの答えを、XCDレンズはきっと見つける手助けをしてくれるはずです。ぜひ、あなたもこのレンズを手に、新たな物語を紡いでみてください。

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[ Category:etc. | 掲載日時:25年10月12日 17時00分 ]

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