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【Nikon】「あと少し」の思いに手が届く、Z6IIIと軽快な800mmレンズの組み合わせ。

【Nikon】「あと少し」の思いに手が届く、Z6IIIと軽快な800mmレンズの組み合わせ。

秋と言えば何を思い浮かべるでしょうか。食欲の秋、スポーツの秋、読書の秋…。○○の秋という言葉は世に数多あれど、私が思うのは「超望遠レンズの秋」。
夏場私たちと被写体の間にあった陽炎が幾分か息を潜め、重量級レンズを持ち出しても暑さに怯えることもない。
まさに秋は超望遠レンズを持ち出すのに最適な季節なのです。

Nikon Z6IIIにNIKKOR Z 800mm F6.3 VR Sを装着した物撮り

今回撮影に持ち出したレンズはNikonの「NIKKOR Z 800mm F6.3 VR S」。ニコン独自のPF(Phase Fresnel=位相フレネル)レンズを採用し、回折現象をコントロールすることで800mmという超望遠域でありながら手持ちでの撮影を可能にしたZマウントレンズです。
ボディには部分積層型センサーを搭載した「Z6III」を選択しました。フラッグシップのZ9やZ8に比べると画素数では劣りますが、AF性能はほぼ同等、さらにZ9よりも明るい”下剋上”ともいえる高輝度EVFは、秋晴れの日差しの中でも被写体をしっかり捉えることができます。


Nikon Z6IIIとNIKKOR Z 800mm F6.3 VR Sで撮影したサギの写真

Nikon Z6III+NIKKOR Z 800mm F6.3 VR S / 絞り:F8 / シャッタースピード:1/1600秒 / ISO:500

 

Nikon Z6IIIとNIKKOR Z 800mm F6.3 VR Sで撮影したサギの写真

Nikon Z6III+NIKKOR Z 800mm F6.3 VR S / 絞り:F8 / シャッタースピード:1/1600秒 / ISO:720

 

まずは超望遠レンズを手にしたら真っ先にカメラを向けたい被写体である野鳥を撮影してみました。サギは体長が大きく基本的に動きもそこまで速くないので、野鳥の中では最も撮りやすい被写体の一種だと思います。
Zマウントで最長となる800mmという焦点距離は、遠くにいる鳥もぐっと近くに引き寄せてくれます。

Nikon Z6IIIとNIKKOR Z 800mm F6.3 VR Sで撮影した鵜の写真

Nikon Z6III+NIKKOR Z 800mm F6.3 VR S / 絞り:F8 / シャッタースピード:1/1600秒 / ISO:2000

 
Nikon Z6IIIとNIKKOR Z 800mm F6.3 VR Sで撮影した鵜の写真

Nikon Z6III+NIKKOR Z 800mm F6.3 VR S / 絞り:F8 / シャッタースピード:1/1600秒 / ISO:2500

 

続いては鵜を狙いました。よく飛びますが個体数も多いのでこちらも撮影しやすい被写体です。
ボディのZ6IIIは先日初の大型ファームアップであるファームウェアVer2.00が公開され、Z9/Z8に搭載されている被写体認識「鳥」や「飛行機」などが追加されました。これまでと同じ全点自動選択の追尾AFでもより被写体を追いやすくなりました。

Nikon Z6IIIとNIKKOR Z 800mm F6.3 VR Sで撮影した鵜の写真。鵜は画面奥へ飛んでいる。

Nikon Z6III+NIKKOR Z 800mm F6.3 VR S / 絞り:F8 / シャッタースピード:1/1600秒 / ISO:720

 

水面を切るように飛ぶ姿も、自動追尾でピントを合わせ続けることができます。被写体認識性能が弱いとこのような構図で手前の鳥にピントを持っていかれてしまうことがしばしばありますが、Z6IIIは連写の途中、狙った個体だけを追い続けることができました。

Nikon Z6IIIとNIKKOR Z 800mm F6.3 VR Sで撮影した航空機の写真

Nikon Z6III+NIKKOR Z 800mm F6.3 VR S / 絞り:F8 / シャッタースピード:1/1600秒 / ISO:450

 

撮影中音がしたので上を見上げると飛行機が飛んで行ったのでレンズを向けました。三脚などを使用せず手持ちで撮影していると、咄嗟の構図変更がしやすくなります。ボディ重量約760g(バッテリー・メモリーカード含む)、レンズ重量約2385gとセットでもおよそ3kgと、800mmのレンズを使っているとは思えないほどの軽快さです。例えばFマウントで用意されていた800mm「AF-S NIKKOR 800mm F5.6E FL ED VR」はレンズのみで約4590gと、単純に比較こそできませんがいかにこのレンズが軽量であるかがお分かりいただけるかと思います。

Nikon Z6IIIとNIKKOR Z 800mm F6.3 VR Sで撮影したカワセミの写真。よく見るとカワセミが魚をくわえている。

Nikon Z6III+NIKKOR Z 800mm F6.3 VR S / 絞り:F8 / シャッタースピード:1/1000秒 / ISO:2000

 

そして野鳥撮影の憧れと言えばカワセミが真っ先に思い浮かぶ被写体です。幸運なことに今回の撮影中、何度か出会うことができました。
飛び込みの瞬間は逃がしてしまったのですが、魚をくわえた姿は見ることができました。
Nikon Z6IIIとNIKKOR Z 800mm F6.3 VR Sで撮影したカワセミの写真。

Nikon Z6III+NIKKOR Z 800mm F6.3 VR S / 絞り:F8 / シャッタースピード:1/1600秒 / ISO:2200

 
Nikon Z6IIIとNIKKOR Z 800mm F6.3 VR Sで撮影したカワセミの写真。

Nikon Z6III+NIKKOR Z 800mm F6.3 VR S / 絞り:F8 / シャッタースピード:1/1600秒 / ISO:1800

 

カワセミを撮影したのは実は数回目ですが、人生で最も近くまでカワセミが近づいてくれました。その距離およそ6mほど。800mmという焦点距離をもってすれば、画面いっぱいにその姿を写すことができます。近距離でも正確なAF、また画質も良好なままです。警戒心の強さからこちらに気づくとすぐに飛び立ってしまうイメージがありますが、スペックを考えれば小型なこちらのレンズは、超望遠単焦点レンズ群の中では比較的目立たずに撮影ができるのではないでしょうか。


Nikon Z6IIIとNIKKOR Z 800mm F6.3 VR Sで撮影した皆既月食の写真。月の半分程度が暗くなっている。

Nikon Z6III+NIKKOR Z 800mm F6.3 VR S / 絞り:F6.3 / シャッタースピード:1/10秒 / ISO:100

 
Nikon Z6IIIとNIKKOR Z 800mm F6.3 VR Sで撮影した皆既月食の写真。赤銅色になっている。

Nikon Z6III+NIKKOR Z 800mm F6.3 VR S / 絞り:F6.3 / シャッタースピード:1/2秒 / ISO:2500

 

2025年9月8日の皆既月食もこの組み合わせで撮影しました。普段の月は手持ちでも撮影可能なほど明るいですが、月食中は周囲の星が写るほどに光量が低下し、超望遠レンズでは三脚が必須アイテムです。
月食と言えば皆既中の赤銅色の姿が印象的ですが、超望遠レンズでその姿を捉えるとその最中の月の表情の微妙な変化も楽しむことができます。地球の影が落ちる境目に見られる「ターコイズフリンジ」も撮影することができました。部分食の最中は月の明るい部分と暗い部分の差が激しいので、Z6IIIのセンサーが持つダイナミックレンジの高さを活かして1枚の写真の中に収めています。

Nikon Z6IIIとNIKKOR Z 800mm F6.3 VR Sで撮影したオリオン座大星雲の写真

Nikon Z6III+NIKKOR Z 800mm F6.3 VR S / 絞り:F6.3 / シャッタースピード:1/3秒 / ISO:12800

 

撮影の終わった深夜、オリオン座が東の空に昇っているのが見えたのでカメラを向けてみると、オリオン大星雲の姿が見えました。肉眼ではぼやっとした光しか認識できませんが、超望遠レンズを通して見ることではっきりとした輪郭も見ることができました。特に赤外改造をしていない市販のカメラですが、カバーガラスの薄さが功を奏しているのか、Nikonのセンサーは星の赤を写すのが得意だと感じます。またISO12800での撮影でもノイズが目立たず、望遠鏡や赤道儀などの天体撮影用装備を整えなくてもここまで写せてしまうのは驚きです。


Nikon Z6IIIにNIKKOR Z 800mm F6.3を装着した様子。夜に三脚に据えて天体を撮影している。

カメラを始めたばかりの2018年の皆既月食の際、当時はAPS-C機に300mmレンズを装着して撮影した筆者ですが、思ったように月が大きく写らずやきもきしたのを覚えています。あれから7年が経ち、その間にカメラも大きな進化を遂げました。2018年と言えばZ6/Z7の発売を皮切りにZマウントがデビューした年ですがそこから考えると多くのレンズが登場しました。そして現在Zマウントでは最長の焦点距離を持つ800mmは、あと少し足りないと思っていたシチュエーションで被写体に手を伸ばせるレンズだと感じました。
超望遠レンズの秋を、軽快なZ6IIIと800mmレンズと共に過ごしてみてはいかがでしょうか。

▼日々のスナップにも最適な「Z6III」の記事はこちら▼

【Nikon】魅力的なZマウントボディたちをご紹介します。~Z6III編~

▼モータースポーツ撮影でも使用した「NIKKOR Z 800mm F6.3 VR S」のKasyapaはこちら▼

759: 伸ばした手の先にある光を掴め『Nikon NIKKOR Z 800mm F6.3 VR S』

▼今回使用した機材はこちら▼

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[ Category:Nikon | 掲載日時:25年10月14日 17時52分 ]

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