
【Leica】A Piece of PREMIUM COLLECTION – M-A Titanium Set –
MapCameraで取り扱う中古品の中で、流通数や生産数が少ない希少品や限定モデルなどに与えられる名称、「PREMIUM COLLECTION」。
本シリーズでは、A Piece of PREMIUM COLLECTIONと称し、そんな製品たちを一つずつ紹介いたします。
第6弾となる今回は、「Leica (ライカ) M-A チタンセット」をご紹介いたします。
根強い人気のあるチタンシリーズ。今回はそんな魅力の一端に迫ります。
・チタニウムの始まり
アルミニウムやマグネシウムなどが20世紀初頭から工業用途で活用されていたことに対し、チタニウムの素材としての活用は戦後からとされています。
チタニウム自体の発見は歴史的にはもっと古いですが、精錬の過程で不純物を取り除く技術の確立が課題となったり、加工難度・素材としてのコストも相応に高いことから、工業製品への素材としての普及に時間がかかりました。
チタン素材には、軽量なわりに高強度で耐食性も高く、非常に安定した素材であるといった長所があり、現在では航空宇宙産業分野や医療分野を中心に活用が多く見られます。
カメラへの使用では、概ね1980年代前後に一部のプロフェッショナル向けカメラからはじまりましたが、既存のアルミニウムやマグネシウムなどの素材への完全な代替とはならず、前述のようなプロ仕様機や限定モデルなどへの採用に留まりました。
Leicaにおいては、1995年に通常モデルで以前紹介したMiniluxにチタン素材が採用されたことが最初と考えられます。
ちなみに、1992年にLeica M6 チタンが登場してはいますが、こちらは真鍮製の外装にチタンカラー塗装を施したもので、実際にチタン素材を採用しているわけではありません。
▽Miniluxをご紹介した記事はこちら▽
以後、2001年のM6 TTLのチタンモデルの登場を皮切りに、素材にチタンを採用した、限定チタンモデルが登場していくこととなりました。
・M-Aの登場
LeicaのM-A (Typ 127)が登場したのは、2014年のこと。
「写真撮影の本質に立ち返ることを象徴する、真の機械式レンジファインダーカメラ」として、既に存在していた「MP 0.72」から露出計を取り去ることで、完全機械式のカメラとした機種として、登場しました。
このカメラは、Leicaの試作機である Ur Leica (ウルライカ)が1914年に登場してから100年の節目に企画されたもので、ブラックとシルバーのカラーバリエーションがラインアップされました。
M-Aは今なお(2025年10月現在)販売を継続しており、現在では希少な新品で入手可能なフィルムカメラであるといえます。
・M-Aチタンセット
さて、今回ご紹介のM-Aチタンセットは、2022年に250セット限定というかたちで登場しました。
従来のチタンセットと同様に、随所に削り出しのチタンパーツを採用することで、通常のM-Aとは一風変わった出で立ちになっています。
セットとなったレンズ「アポズミクロン M50mm F2.0 ASPH. 」は、1956年に登場した初代ズミクロン M50mm F2 固定鏡筒を意識した外装の特別仕様となっています。
今までLeica から登場してきたチタンセットの中でも、コレクション性も実用性も抜群な本機種。
生涯の相棒として、ぜひいかがでしょうか。
■今回ご紹介した機材はこちら↓