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【Leica】A Piece of PREMIUM COLLECTION – MP3 LHSA SpecialEdition Set –

【Leica】A Piece of PREMIUM COLLECTION – MP3 LHSA SpecialEdition Set –

MapCameraで取り扱う中古品の中で、流通数や生産数が少ない希少品や限定モデルなどに与えられる名称、「PREMIUM COLLECTION」。

本シリーズでは、A Piece of PREMIUM COLLECTIONと称し、そんな製品たちを一つずつ紹介いたします。

第七弾は、Leica MP3 LHSAスペシャルエディションセットをご紹介いたします。

 


 

前回、第五弾の「A Piece of PREMIUM COLLECTION – MP 0.72 & Summicron 35mm Special Set -」の中で、1956年に登場した「Leica MP」をオリジナル、つまりは元祖として、様々なMPの復刻モデルが登場したとお話ししました。

今回のMP3も、そんな派生モデルの一つとなります。

MP3 LHSA SpecialEditionは、2005年全世界1000台限定(ブラックペイント:500台、シルバー:500台)で発売されました。

LHSAとは「LEICA HISTORICAL SOCIETY of AMERICA」の略で、1968年にアメリカのライカ愛好家によって創立された、世界を代表するライカコレクタークラブの名称です。

彼らは団体の創立記念などに合わせて、数々の記念限定モデルの製作を企画してきました。

古くは1978年10周年記念モデルとして刻印を施したフィルム一眼レフ機R3や1993年25周年のM6限定モデル。

また2000年M6TTLのブラックペイントモデルや、最近では2018年50周年としてアポズミクロン M50mm F2.0 ASPH.のブラックペイント・シルバークローム記念モデルも発売されました。

MP名義の限定モデルとして、2003年35周年モデルのMP ハンマートーンLHSAセットに次いで出されたのが、MP3 LHSA SpecialEdition Setです。

先に出たMP ハンマートーンLHSAセットが同年発売されたMP 0.72に特殊な塗装を施したモデルであったのに対し、MP3 LHSA SpecialEdition Setは、よりオリジナルのMPに近い仕様となっています。

オリジナルのMPについては前回も触れていますが、あらためてご紹介。

1954年華々しいデビューを飾ったレンジファインダー機Leica M3は、速写性に優れたカメラとして高い評価を受けました。

特に、巻き上げレバーを装備したことは十二分に速写性の向上につながるものでした。

ところが、さらに速写性を求める報道カメラマンなどのたっての要望により、バルナック型に使用されていた巻き上げ装置ライカビットが取り付けられるように公式改造したものが登場。

それがのちの1956年、MPとして販売されることになりました。

MPの「P」は、プロフェッショナルの意。

報道の現場では不必要なセルフタイマーを排し、内部の巻き上げ軸をビット使用が可能なように改造。

自動復元方式のフィルムカウンターをやめ、カウンター板をつけ手動でセットする方式に。 これはその後のM2に採用されています。

そんな希少なMPを今の世に蘇らせたい、そういう思いは強く、これまでにMPの名を冠した様々な復刻モデルが製作されてきました。

中でもLHSAが企画したMP3 LHSA SpecialEditionは、オリジナルのMPに対するリスペクトがひときわ高く、そのディテールを忠実に再現したモデルです。

右がMP3 LHSA SpecialEdition、左はM2

ボディ正面から見た時、目につく違いというのは露出計のための電池蓋が存在することくらい。

M2ではなくなってしまった、ファインダーや採光窓・距離計窓を縁取る枠飾りが、製作者の並々ならぬ拘りを感じさせます。

側面には「ドッグイヤー」などと称される独特な形状を持ったアイレット(ストラップ吊り環)が。 勿論、オリジナルMPと同じです。

天板を見ると、シャッターダイヤルにMRメーターなどを取り付けるための溝もしっかり彫られています。

そして、現行MPでは簡素化されてしまった刻印も、オリジナルに近いものに。

オリジナルでは「ERNST LEITZ GMBH WETZLAR GERMANY」とあるものが、「LEICA CAMERA AG SOLMS GERMANY」となっています。

時代の移り変わりを感じさせる部分。 ウエッツラーからソルムスに工場が移転していた時代の製品だと分かります。

ファインダーはブライトフレームが35mm、50mm、90mmの3種類。 M2同様、レンズを装着することによってそれぞれ単独で表示され、撮影者はフレーミングに集中できます。

そしてライカビットに目を向けると、しっかりと「leicavit MP」という刻印が。

こちらもオリジナルを忠実に再現していますが、表からは見えない内部に「LHSA」のロゴが入っていて判別が可能になっています。

オリジナルのライカビットMPが当時のMPやM2・M1にのみ装着できるのに対し、このライカビットはM4-2以降の機種に装着可能となっています。 対応機種が異なりますので注意が必要。

さらにこのMP3 LHSA SpecialEdition Setには、限定モデルのレンズも付属します。

ズミルックス M50mm F1.4 ASPH.です。 レンズ自体は2005年当時の非球面レンズを組み込んだものですが、注目すべきはその外装。

通称「貴婦人」と称される初代ズミルックス50㎜のフォルムを忠実に再現しています。

初代同様、工芸品を思わせるような精緻なローレット加工が施された鏡胴に、当時最新の光学性能を備えたレンズが組み込まれた、まさに夢の組み合わせともいえるレンズ。

このレンズだけでも所有欲をくすぐるに足るものです。

このMP3 LHSA SpecialEdition Setは、先に述べたように2005年全世界1000台限定で発売されました。 ブラックペイントとシルバーが500台ずつ。

そのうち、ライカビットとズミルックスレンズが同梱された完全セット品が各375セット。

残りの各125セット分は、海外で単品販売されました。

今回ご紹介したものはセット品。 ボディ・ライカビット・レンズが一つの元箱に収納されています。

コレクションするにふさわしい逸品。この機会に是非。

 

■今回ご紹介した機材はこちら↓


■現行MP 0.72はこちら↓


 


 

[ Category:Leica | 掲載日時:25年10月17日 19時25分 ]

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