【マップカメラ情報】SIGMA DP2s レポート
SIGMA DP2sとは
2010年3月27日、SIGMAからDP2の後継機種DP2sが発売されました。
DP2からの外観の変更点は、背面にボタン操作に関する白(撮影機能関連)と赤(再生機能関連)のプリントが施され、ボタン操作の視認性が向上しています。
カメラ部分の変更点はAFアルゴリズムの最適化によるAFの高速化と、パワーセーブモードが追加され使い勝手が向上していました。パワーセーブモードは、液晶モニターが消えたときに撮像素子の電力消費を抑えるスリープモードの様な動作となります。
センサーはDPシリーズではおなじみの、光を3層構造の素子で受光する35mm判換算約1.7倍のFOVEONセンサー。レンズはもちろんDP2と同じく専用設計の24.2mm F2.8(35mm判換算約41mm相当)の高画質レンズで、ローパスフィルターの無いFOVEONセンサーがそのレンズの性能を引き出し、強烈な解像感のある写真を写し出します。もちろん、大型センサーによるコンパクトデジカメでは味わえない大きなボケを作れるのも、このカメラの魅力です。
前機種のDP2も、このDP2sの発売に先立ってAF高速化のファームウェアがリリースされました。これによりDP2sとの大きな違いは、パワーセーブモードと背面の操作ボタンの印刷の有無となりました。DP2ユーザーは、お持ちのカメラのファームウェアをチェックして、新しいファームウェア(Ver1.04 ※2010年4月の時点での最新版)に更新することをお勧めします。
RAW現像ソフトウェアSIGMA Photo Pro 4.0
DP2sの発売に合わせて、RAW現像ソフトウェアSIGMA Photo Pro(以降SPPと略します)がVer4.0にバージョンアップされ、マルチコアCPU対応と、ISO400以上のRAW画像に対してノイズリダクションの処理を追加することが出来る様になりました。なかでもノイズリダクションは、かなり効果的に色ノイズを除去出来、ISO400、ISO800が常用出来る様になりました。
SPPはDP2s以外の旧機種でも使用出来ます。早速DP2のISO400で撮影したデータにノイズリダクションを追加してみると驚くほど綺麗に仕上がり、改めてRAWで撮影しておいて良かったと思いました。
シンプルなデジタルカメラ
今回は気軽に撮影をテーマにPモードを軸に使いつつ、ボケを演出したいシーンではAモードで絞りを調整して撮影しています。さすがDPシリーズは、絞り開放でも専用設計のレンズとローパスフィルター無しセンサーの解像感のおかげで切れの良い描写をします。
とにかく細かい部分の描写が素晴らしく、遠方まで気持ちよくキッチリ解像しています。掲載している作例写真は縮小なしの「等倍」画像です、その解像感を是非ご確認下さい。
今までのDPシリーズはバッテリーをセーブするために、頻繁に電源を切る様に使っていましたが、新機能が追加されたこともあり、DP2sではパワーセーブモードをメインにして使用してみました。パワーセーブモードはレンズ鏡筒が伸びた状態で固定されますので、フードアダプター(HA-21)を装着してレンズ鏡筒をガードする様に使用しています。尚、パワーセーブモードの設定は、LCDの消灯時間を30秒にしすぐパワーセーブモードに移行で出来る様にしています。
実際に使ってみると、電源ON/OFFに伴うレンズ鏡筒の伸縮とカメラの起動時間がないため使い勝手が向上しました。スナップ撮影には便利な機能です。
また、このフードアダプターには46mmのフィルターが装着出来ます。さらに、ステップアップリングを使用すれば、一般的な多彩なフィルターを装着可能となります。52mm、55mm、58mmなど一眼レフ用のアクセサリーが使用可能となります。純正アクセサリーにもありますが、クローズアップレンズがあれば、マクロ撮影が可能になります。純正のクローズアップレンズよりも寄れる製品もありますので、色々と試して見るのも発見があり、これもおもしろさの一つです。。
コンパクトデジカメの今後
常に持ち歩く携帯電話のカメラ機能が便利になり、手軽に撮れて、1,000万画素超え・・・と、携帯電話に対してコンパクトデジカメの「魅力」とは何なのかを説明するのが難しくなって来ました。
昨年からマイクロフォーサーズシリーズや、SIGMAのDPシリーズ、RICOHのGX(APS-Cセンサーモジュール)、LeicaのX1など大型のセンサーを搭載したコンパクトデジカメがしっかりと市場を形成しはじめたおかげで、このカテゴリーのコンパクトデジカメの魅力の一つ、「比べればすぐわかる圧倒的な高画質」という訴求ポイントが見えてきた気がします。
かつてCONTAXやMINOLTA、RICOHなどから発売されていた、高画質と個性的な写りの「高級コンパクト」と言うカメラカテゴリーがありましたが、大型センサー搭載のデジタルカメラの登場で本当の「高級コンパクトデジカメ」というジャンルが形成され始めているのではないでしょうか。
もちろん、コンパクトデジカメ故に万能ではありませんが、一眼レフには無い魅力を持つ高級コンパクトデジカメの中でも、SIGMAのDPシリーズはFOVEONセンサーの素晴らしい写りがある限り、魅力的なカメラであることは間違い在りません。
「カメラ好き(機械や性能)」と「写真好き(写り重視)」があるとすれば、DP2sは断然後者にお勧めしたいカメラです。
そして、DPシリーズにはデジタルカメラとしての熟成と、あっと驚く様なレンズを搭載したカメラなどのにも期待しています。
作例写真
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露出モード:P-プログラムオート / 露出補正:0 / ISO感度:100 / シャッター速度:1/320秒 / 絞り値:F7.1
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露出モード:P-プログラムオート / 露出補正:0 / ISO感度:100 / シャッター速度:1/320秒 / 絞り値:F8.0
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露出モード:P-プログラムオート / 露出補正:0 / ISO感度:100 / シャッター速度:1/320秒 / 絞り値:F7.1
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露出モード: P-プログラムオート / 露出補正: 0 / ISO感度: 100 / シャッター速度: 1/250秒 / 絞り値: F5.6 / 測光モード: 評価測光
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露出モード: P-プログラムオート / 露出補正: 0 / ISO感度: 100 / シャッター速度: 1/250秒 / 絞り値: F7.1
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露出モード: P-プログラムオート / 露出補正: 0 / ISO感度: 100 / シャッター速度: 1/200秒 / 絞り値: F5.6
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露出モード: P-プログラムオート / 露出補正: 0 / ISO感度: 100 / シャッター速度: 1/250秒 / 絞り値: F6.3
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露出モード: A-絞り優先オート / 露出補正: +1.0 / ISO感度: 100 / シャッター速度: 1/400秒 / 絞り値: F2.8
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露出モード: P-プログラムオート / 露出補正: 0 / ISO感度: 100 / シャッター速度: 1/320秒 / 絞り値: F7.1
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露出モード: P-プログラムオート / 露出補正: 0 / ISO感度: 100 / シャッター速度: 1/160秒 / 絞り値: F5.0
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露出モード: P-プログラムオート / 露出補正: 0 / ISO感度: 100 / シャッター速度: 1/200秒 / 絞り値: F5.6
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露出モード: P-プログラムオート / 露出補正: 0 / ISO感度: 100 / シャッター速度: 1/400秒 / 絞り値: F9.0
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露出モード: P-プログラムオート / 露出補正: 0 / ISO感度: 100 / シャッター速度: 1/320秒 / 絞り値: F7.1
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露出モード: A-絞り優先オート / 露出補正: -1.0 / ISO感度: 100 / シャッター速度: 1/160秒 / 絞り値: F2.8
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露出モード: P-プログラムオート / 露出補正: 0 / ISO感度: 100 / シャッター速度: 1/250秒 / 絞り値: F7.1
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露出モード: A-絞り優先オート / 露出補正: 0 / ISO感度: 100 / シャッター速度: 1/1000秒 / 絞り値: F2.8
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露出モード: A-絞り優先オート / 露出補正: 0 / ISO感度: 100 / シャッター速度: 1/500秒 / 絞り値: F2.8
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露出モード: P-プログラムオート / 露出補正: 0 / ISO感度: 100 / シャッター速度: 1/320秒 / 絞り値: F7.1
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露出モード: P-プログラムオート / 露出補正: 0 / ISO感度: 100 / シャッター速度: 1/250秒 / 絞り値: F6.3
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露出モード: A-絞り優先オート / 露出補正: 0 / ISO感度: 100 / シャッター速度: 1/1250秒 / 絞り値: F2.8
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露出モード: A-絞り優先オート / 露出補正: +1.0 / ISO感度: 100 / シャッター速度: 1/500秒 / 絞り値: F2.8
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