【マップカメラ情報】Nikon AF-S 85mm F1.4G レポート
待望の新しい85mm
ギターアンプといえばMarshall(マーシャル)を指すように、この世に存在するものには代名詞がついているものが数多くある。それはレンズでも同じで、ポートレート用レンズといえば主に85mmの単焦点レンズのことを指して言われている。
焦点距離85mmの単焦点レンズは、その歪みの少ない素直な描写と開放付近での大きくやわらかいボケ味、そして被写体(モデル)との物理的距離を近すぎず遠すぎず適度にとれる、ということ等から、人物撮影にはいつも焦点距離85mmのレンズが使われてきた。 また、様々なメーカーが技術の推移を結集し、激しくしのぎを削るレンズでもあるため、銘玉が多く存在し、いつも人気が高いのだ。 そして2010年9月、約15年振りにニッコールの大口径“ポートレート用レンズ”が新たに発売された。「AF-S 85mm F1.4 G」だ。 このレンズも先述の例に漏れず、多くのニコンユーザーが望んでいたレンズだったことは間違いない。
より快適になったピント合わせ
超音波モーター「SWM(サイレントウェーブモーター)」によるオートフォーカスは、捉え方に個人差あると思うが、心地良い速さで迷いがなく、ピントを合わせたいと思ったところに“すっ”と合う。撮影者の呼吸に合わせて作動しているように感じた。
快適になったのはオートフォーカスばかりではない。マニュアルフォーカス時の操作感も向上させているのだ。前モデルで採用されていたM/Aリングで切り替える方法から、本レンズではM/Aモードが採用され、スムーズにマニュアルフォーカスへ移行出来るようになった。また、ピントリングに従来のものより改良された新しいMF駆動機構を搭載しており、適度なトルクがあって操作がしやすく、オートフォーカスだけでは決まりきらないときの微妙なピントの調整が違和感なく出来るようになった。
圧倒的な耐逆光性能
ニコンのナノクリスタルコートはやはり素晴らしい。逆光でもどんな状況でも驚くほどシャープでクリア。光の“カタチ”が見て取れる程だ。 粗探しをするつもりではなかったが、ますます悪条件下で撮影してみたくなったので、わざと強い光源を入れた構図をし、さらに開放で撮影してみた。しかしそれでもゴーストやフレアが非常にしっかりと抑えられており、大きなコントラストの低下もなく解像感も充分。もはや唸るしかない。
普通であれば、逆光などの難しい場面ではレンズに対する光の角度に気を配ったり、光を遮るために別の道具を用意したりと、フレアやゴーストを抑えようと何かと面倒なことになるものだが、このレンズならそのような心配は殆どない。恐らく、少々過信するぐらいが丁度いいのだろう。
このレンズにはもう、既存の常識など通用しないのだ。
Nikon AF-S 85mm F1.4G 詳細
レンズ構成 | 9群10枚 |
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絞り羽根枚数 | 9枚 |
最小絞り | 16 |
最短撮影距離 | 0.85m |
最大撮影倍率 | 1:8.3 |
フィルター径 | 77mm |
最大径×長さ(mm) | 86.5×84 |
質量 | 595g |
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■作例写真 撮影機材:Nikon D700 +AF-S85mmF1.4G