【マップカメラ情報】Panasonic LUMIX GF2 レポート

大きく変わった操作系

　これまで幾度となく世界最小や最軽量を生み出してきたパナソニックから、またひとつ新しい世界最小・最軽量のカメラが誕生した。2010年12月に発売された「LUMIX GF2」だ。前モデルの「LUMIX GF1」も大分小さなボディだったが、本機はそれよりもさらにひとまわり小さくなった。フラッシュ内蔵のレンズ交換式デジタルカメラとしては世界最小・最軽量を謳っている。小型化された本体からは前モデルにあったモードダイヤルやAF/MFボタンなどが消え、外観はとてもすっきりしている。消えたボタンで行えた操作はボディ背面のタッチパネル液晶で行うようになっている。

　タッチパネル液晶の画面上で、ピントを合わせたいと思ったものに触れるだけでカメラが自動でピントを合わせてくれる。さらに「タッチでシャッター」機能を使用すれば、ピントを合わせてそのままシャッターまで自動で切ってくれるという、とても便利な機能だ。一度画面をタッチすると、その場所にAFポイントが移動してピントを合わせるのだが、本機が面白いのはこれから。新たに「タッチぼかしコントロール」を搭載し、画面に表示されたスライドバーを左右になぞるだけで、ピントが合っているところ以外のぼけの量を調節できるのだ。液晶で表示されたイメージのままの写真が簡単に撮影できるのも本機の大きな魅力となっている。

表情豊かな画像処理機能

　その場の状況で表現したいイメージがあるのなら「マイカラーモード」がオススメだ。「ポップ」、「シネマ」、「シルエット」など8種類のプリセットの他に、自分好みの設定を作ることができる「カスタム」を加えた全9種類が用意されている。効果の度合いも素晴らしく、同じ被写体で様々なモードを試したくなるので、最終的に初めのイメージとかけ離れた写真に満足することもあるが、またそれがなんとも楽しいこと。この機能は写真にも動画にも使用可能だ。また、日中の屋外のような明暗の差が激しい場面で活躍するのが「インテリジェントDレンジコントロール」。白トビと黒つぶれを同時に抑え、階調豊かで見た目に近い画像に仕上げる。今では同じような機能を持ったカメラも珍しくはないが、今回改めて使用すると、この機能のありがたみを実感することができた。

　カメラマンは時として、より高い解像力が欲しくなることもある。そんなときは「新・超解像技術(I.R超解像)」の出番。この機能は、主に画像全体の中の細かい部分やグラデーションになっているところをカメラが自動で判断し、それぞれに適した処理を施すものだ。使用して見違えるほど仕上がりが変化するというものではないのだが、過度に効果が掛かって不自然になってしまうよりもこちらの方が使いやすい。違和感の無い自然な仕上がりで、被写体本来の質感が再現される。

レンズキットのレンズもリニューアル「LUMIX G 14mm F2.5 ASPH」

　レンズキットととしてセット販売される交換レンズもリニューアルされた。35mm判換算で28mmの広角撮影が楽しめるパンケーキレンズは、とにかく“軽い”が第一印象。レンズ単体の重さが約55gと、なんとMサイズの卵一個よりも軽量なのだ。それにもかかわらず中身もしっかり詰まっていて、レンズ構成は5群6枚。歪曲収差を良好に補正する非球面レンズを3枚使用している。作例にも表れている高い解像力と抜けの良さはさすがだ。最短撮影距離は18cmと短めで、被写体に近づいて背景をぼかしつつも広角レンズならではの遠近感を強調した写真が撮影できる。部類としては広角に入るレンズだが、少し広めの標準レンズとして普段使いをするのも面白い。