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二眼レフカメラと、つながる

2021年の夏、私たちMapCameraは27周年を迎えました。
これもひとえに、日頃ご愛顧いただいている皆様があってこそのこと、いつも本当にありがとうございます。
今年はマップカメラで働くスタッフ一人一人が、27周年にちなみ「○○と、つながる」というテーマでバトンを“(27)つな”ぐことに。

「屈指のカメラ好き」は数居れど、撮るもの、撮る目的は十人十色、否、百人百色とも言えるほどに多様であるはず。
夏休みを思い出すような思い出の毎日から、少しずつお時間を拝借いたしまして「カメラが人とモノを繋ぐ様」をご覧いただこうと思います。

ファインダー越しと表現される世界は隔たれているわけではなく「繋がっている」という事を実感していただけたのなら私達も嬉しい限り。
個性派揃いの全45回、ついに最終回となりました。今夏のお供にどうぞ最後までお付き合いください。

第45回「二眼レフカメラと、つながる」

私とカメラとの本格的な付き合いは、高校時代の写真部からです。カメラ好きな父の影響を受け、始めました。
当時部内では絞り優先AEのニコンとシャッタースピード優先AEのキヤノン、どちらが優れているか毎日のように熱い論戦が繰り広げられていました。
そう、まさにフィルム一眼レフ全盛の時代、今から30年以上も昔の話です。
スタートはニコン派でしたが、大学では父のコンタックスを半ば強引に譲り受けツァイスレンズの魅力にはまり、学業そっちのけで暗室作業に没頭。
フィルム購入の資金に回すために昼は連日カップラーメン、おかげで部内の誰よりカップ麺に詳しくなりました。

自分でフィルム現像・焼き付けをしていると、どうしてもフォーマットの大きな中判カメラに興味が出てきます。
その頃からの憧れだったのが二眼レフカメラ。
とりわけツァイスレンズが付いたローライフレックスの工芸品のようなフォルム、貧乏学生でもいつかは手にしたいと思わせるに十分な神々しさを放っていました
社会人になってもその憧れは消えず、最初に手に入れた中判カメラが「ローライフレックス 2.8F(カールツァイス プラナー80mm F2.8)」、上1枚目の写真、左側の個体です。
1960年発売、二眼レフカメラの完成型とも言われるだけあって操作系に無駄がなく、撮影までの一連の所作が流れるように行え、それだけで腕が上がったように思わせてくれます。
上から覗くファインダーも、大きなスクリーンに映し出される画がまるで映画を観ているようで、ついつい見とれてしまうこともしばしば。
ローライの魅力にはまってしまった私は、すぐに「ローライフレックス 3.5F(カールツァイス プラナー75mm F3.5)」も購入。(同じく1枚目右側です。)
2.8Fより搭載レンズが小ぶりな分ボディバランスがよい3.5Fは、最も多く旅行のお供に連れだした個体でもあります。

二眼レフカメラのほとんどがレンズ固定式、そのためいろんなレンズを試してみたくなったらボディごと手に入れなくてはなりません。
というわけで…

写真2枚目、左は「ローライコード II(カールツァイス トリオター75mm F3.5)」、右「ローライコード Vb(シュナイダー クセナー75mm F3.5)」
ローライフレックスの簡易版的扱いもされますが、露出計やオートマット機構などを省いた軽量ボディはちょっとしたお散歩のお供にぴったり。
特に左「ローライコード II」銘板のレタリングの優美さといったら… I型からII型前期までしか存在せず、そこにこだわり探した1台です。
写りも3枚玉トリオターのオールドレンズらしい柔らかな描写が魅力。

二眼レフカメラの元祖はローライですが、一眼レフやレンジファインダー機に比べ機構が簡単なため、世界中で製作されました。
というわけで…

3枚目左は「M.M.P マイクロコード(ロス エクスプレス77.5mm F3.5)」銘板にあるようにイギリス製です。右「セムフレックス(サム ベルチオ75mm F4.5)」はフランス製。
どちらもお国柄を感じさせる気品漂う佇まい。特に「セムフレックス」で撮った東京の街はどこかパリを思わせるような写りに… なったらいいな…

勿論、日本でもたくさんのメーカーがこぞって二眼レフカメラを製作。全盛期には、メーカー名の頭文字がアルファベットのA~Zまで全て存在したとも言われています。
というわけで…

4枚目左は「ミノルタ オートコード III(ロッコール75mm f3.5)」。日本の二眼レフカメラを代表する「オートコード」、人気の高い1台です。
レンズ前板下部に振り子のように動くフォーカスレバーを備え、フィルム走行も平面性を保つためローライと逆に上から下に巻き取るなど、独特の機構を持っています。
右は「東京光学 プリモフレックス オートマットL(トプコール75mm F3.5)」、重厚なデザインがお気に入りの1台。
中央にあるのは「東京光学 ソーヤーズ マークIV(トプコール60mm F2.8)」、右「プリモフレックス」の小型版ともいえる127フィルムを使う「プリモジュニア」の海外輸出版です。
ブローニー120フィルムより一回り小さい127フィルム、スクエアフォーマットは4×4cm。 日本ではもう作られていません。
海外から輸入されたものを使うか、自分で120フィルムを裁断し装填するか… 現像も限られたところでしかできません。 …まぁ、そんなわけで使っていません、でも、可愛いんです。

他にも、いろいろあります… 実家にも仕舞い込んだものがゴロゴロ… えぇ本当にゴロゴロ…

自分でも、よくもまぁ集めたなと思います。
二眼レフカメラの魅力の一つは、そのレトロな顔立ち(フォルム)。
レンズが縦に二つ並んだだけですが、1台1台のカメラがそれぞれ独自の顔を持っていてどれも個性的。
そしてどれも優しい顔をしています。撮られる相手に、決して威圧感を与えない内に秘めた柔らかさがあります。
そんな優しいカメラを持って撮影していると、撮る側も自然と優しい感じになってくるから不思議です。

…ただ、今回撮影していて、カメラ達に「最近ご無沙汰ですね!」「使ってくれないとダメになっちゃうよ!」と責められている感がひしひしと感じられました。
本当、使わないといけないんですが…
昨今、フィルム代も現像代も大変なことになっていて…
限られたお小遣い… またカップラーメンの生活に逆戻りか…

ミノルタ オートコード(ロッコール75mm F3.5)

ローライフレックス 3.5F(カールツァイス プラナー75mm F3.5)

ローライフレックス 3.5F(カールツァイス プラナー75mm F3.5)

ローライフレックス 3.5E2(シュナイダー クセノタール75mm F3.5)

ローライフレックス 2.8E(カールツァイス プラナー80mm F2.8)

他にも作例はあるのですが、スペースの都合このくらいで。
もしお時間がありましたら、#二眼レフは、いかがですか?! ←こちらをどうぞ
どわ~っと出てきます…

・・・
今回のカメラ撮影に使用したのは、4730万画素の35mmフルサイズセンサーを搭載したLeica Q2。

最大画素数で撮影できる28mmの画角に加えて、35mm、50mm、75mmの画角でのクロップ撮影が可能です。
今回は四角い二眼レフボディをなるべく歪みなく撮影するため、50mmの画角を多用しました。

Made in Germanyの銘機ローライを、これまたMade in Germanyのライカで撮る… なんとも贅沢な撮影を体験できました。

 

 

 



・・・
今回のMapCamera 27周年企画「好きと、つながる」ブログ、お楽しみいただけましたでしょうか?!

全45回プラス特別編で、それぞれのスタッフが各自の「好き」を思い思いに語らせていただきました。
ひと言に「好き」といっても、その対象は趣味であったり、ペットであったり、思い出の地や飲食や… 実にバラエティに富んでいて、MapCameraスタッフがいかに変な、もとい個性的な面々の集まりか知っていただけたと思います。
(店舗スタッフも多く参加していますから、この「好き」はよく店頭や電話で話すあのスタッフなんじゃ…、なんて推測していただいても楽しいかと。)
私たちスタッフも、日頃仕事を共にする仲間が実はこんな「好き」を持っていたのかと、改めて驚かされることもありました。

今の状況下、ソーシャルディスタンスが唱えられ周りとの空間的距離が必要不可欠になっていますが、それと同時に人との心理的な「つながり」が薄れてきてしまっているように感じます。
相手を理解することがどんどん困難になり、同時に相手への関心も薄れてきてしまう恐れがあります。
そんな中、自分の「好き」を発信することは、お互いを知るうえでとても効果的なことなのではないでしょうか。
「好き」を語る時、人は誰でも熱く饒舌になるものです。(今回のブログを観ていただければ、お分かりになるかと。)
熱い思いは周囲に伝わります。相手の「好き」を知り、自分の「好き」を知ってもらう。そうして生まれる「つながり」は、今の世の中とても貴重なものだと思います。

今回MapCameraスタッフの「好き」をご覧いただきましたが、皆様の「好き」は何ですか?
その「好き」に写真やカメラが、そしてあわよくばMapCameraが入っていたら最高なのですが!

この度27周年を迎えたMapCameraですが、皆様に「好き」と言ってもらえる店であるよう今後とも精進してまいります。
これからも皆様とつながり続けられますよう、どうぞ末永くよろしくお願いいたします。

[ Category:etc. | 掲載日時:21年08月31日 11時40分 ]

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