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【Leica/FUJIFILM】光が溶ける描写。GFX 100 IIとアポズミクロン M50mm F2.0 ASPH.で巡る桜と洋館

【Leica/FUJIFILM】光が溶ける描写。GFX 100 IIとアポズミクロン M50mm F2.0 ASPH.で巡る桜と洋館

Leica Mマウントの50mmレンズを、FUJIFILM『GFX 100 II』に組み合わせる。
それだけ聞くと、少し変わった使い方に感じられるかもしれません。

今回使用したのは『アポズミクロン M50mm F2.0 ASPH.』。
Leica Mシステムを代表する一本として知られるレンズですが、その魅力は決して M型ライカの中だけで完結しないように思います。

FUJIFILMカメラに装着したアポズミクロンの写真

『GFX 100 II』では、35mmフォーマットに切り替えることなく、ラージフォーマットのまま撮影しました。開放ではわずかに周辺減光を感じる場面もありましたが、ケラレることなく使用でき、35mm判換算約40mmとして楽しめました。
普段、GFレンズを使っていると、このアポズミクロンは驚くほど細身で軽く、小さく感じます。『GFX 100 II』側のグリップがしっかりしているので、ボディ単体を片手で持っても不安定さは少なく、両手で構えた時も左手でレンズをサッと支えながらピントリングを操作できました。さらにボディ内手ブレ補正の強さもあって、実用のうえで身構えるような扱いづらさはあまりありません。

逆光の中のヤマザクラの写真桜越しの雲と青空の写真

桜が咲きほこる山あい、静かな洋館、街の光と影、そして夕暮れの海沿いの風景。
通して持ち歩いてみると、このレンズの価値は「よく写ること」だけではないと、改めて感じます。
今回は、『GFX 100 II』で使う『アポズミクロン M50mm F2.0 ASPH.』が見せてくれた風景を作例とともにご紹介します。

道沿いの一本桜の写真

春の花を撮るレンズというと、もっと寄れるものや、もう少し長い焦点距離を思い浮かべる方も多いかもしれません。ですが今回の組み合わせで感じたのは、換算約40mm前後という画角が、桜のような被写体に意外なほどよく馴染むということでした。

数字だけ見れば、35mmに寄った印象を持つかもしれませんが、実際の感覚はそれよりもむしろ50mmに近いように感じました。ただ、普段の50mmで時々感じるような「少し窮屈」という感覚がなく、視野が少しだけ楽になります。広角というほど広くはないけれど、標準域の息苦しさも薄い。その中間の立ち位置が、歩きながら桜を探す場面ではとても心地よく感じられました。

青空をバックにした椿の写真

一方で、寄りにくさは確かにあります。何か一点だけをピンポイントで狙い撃ちするような撮り方は、それほど得意ではありません。だからこそ、花そのものを切り取るというより、枝ぶりや空の抜け、その場の光まで含めてを切り取る方向に自然と意識がいきました。結果として、単なる花のアップで終わらないのがこの組み合わせの面白さです。

道沿いの桜をボケ気味にガードレールを捉えたカット道沿いの桜並木に寄ったカット

特に印象的だったのは、前後の立体感です。ピント面だけを強くシャープで終わるのではなく、その周囲へなだらかにボケていく。ラージフォーマットで使うことで、その境界の穏やかさがより見えやすくなっているように感じました。

花量の多い桜の密集カット

花の密度が高い場面でも、画面がざわざわしません。一輪を切り取るような使い方もできますが、むしろ少し引いて、花の量感ごと受け止めた時にこのレンズらしい品の良さが出てきます。ピント面の芯のある解像感に止まらず、奥行きをきちんと感じさせてくれるボケ感は派手な華やかさではなく、美しさがあります。春の光の中では、その持ち味が特によく見えました。

お店の軒先でたたずむ黒猫の写真

途中で出会った黒猫も、このレンズの印象を深めてくれた被写体でした。看板の前にちょこんと座る姿は、いかにも目を引く場面ですが、ここでも写りは過剰に演出されたものにはなりません。黒い毛並みの質感、床やマット、背景のガラス面や文字。素材や色の違いをきちんと描き分けながらも、全体の印象は硬くなくどこか穏やかです。コントラストを立てて印象を強くするのではなく、被写体の存在感をそのまま止める、まさにその場の空気感そのままを閉じ込める、そんな組み合わせなんだと思えました。
実際の操作感でいえば、主にファインダーで撮影していましたが、ピントの山は掴みやすく、細かいところだけ拡大表示に切り替えれば、ピント合わせに困ることはほとんどありません。良くも悪くも操作に強い癖はなく、構えてから写るまでの流れはとても素直です。それでいて、結果だけ見ると描写は明らかに良い。その「普通に使えるのに写りは特別」という感覚は、この組み合わせの大きな魅力だと思います。

洋館の外観たたずまいを感じる写真窓から外に向けた写真

場所を移して、建物そのものの質感を確かめてみました。このレンズは、ただシャープというだけではありません。エッジをことさらに硬く見せるのではなく、明るい部分から暗い部分までの境界がとても自然です。そのため、建物の外観を引いて撮った時も無機質というよりかがどこか温かみもあります。人の思いが詰められた洋館特有の空気が、そのまま写真に残ります。

庭先の椅子の写真テラスから見た屋根の写真革張りのソファの写真

『GFX 100 II』のダイナミックレンジの広さや情報量の多さも、ここではかなり効いていました。陰影の階調が豊かで、白壁の明るい面から室内の暗がりまで、途切れずなだらかです。Leica のモノクロ機で見た時の締まりともまた少し違っていて、こちらはもっと情報量を残したまま、落ち着いて引き締まる印象でした。特に陰影のある場面では、その違いがよりはっきり見えてきます。窓の金具や室内の椅子のような近い被写体では、さらにその良さがわかりやすくなります。金属の冷たさ、塗装の古さ、革のしっとりした表情。素材の違いが必要以上に誇張されず、しかし曖昧にもならないのです。

低速シャッターで流れる水を絹のように表現した滝の写真

滝のカットでは、また違う一面が見えました。ここでは色数こそ多くありませんが、苔の湿り気、岩肌の質感、水の白さといった要素が複雑に重なります。暗い場面で輪郭だけを強く立てるような写りではなく、空間の奥にある湿度まで含めて見せてくれる感覚です。水の流れを受ける岩の面、手前から奥への距離、暗部に残る階調。『GFX 100 II』の持つ余裕も大きいとは思いますが、それを支えるレンズ側の描写があってこそだと感じます。自然物を撮った時にも、その性格は変わりません。

新宿の街路スナップのモノクロ写真

一方で、新宿の街に持ち込んでみると、このレンズはまた少し違った顔を見せます。階段に差し込む光、行き交う人、街路の看板、横断歩道と電車。情報量の多い都市の中でも、画面の重心が崩れにくいのが印象的でした。

新宿の街路スナップのモノクロ写真

モノクロにすると、その良さはさらにわかりやすくなります。黒を強く沈めた時でも、単調なコントラストにはならず、光の当たる面と影の部分がきちんと分かれて見えます。それでいて、線だけが浮きすぎることもありません。

階段のモノクロ写真

階段のカットでは、段差の反復と差し込む光によって、画面に自然なリズムが生まれました。街路や横断歩道のカットでは、人物や車両、建物の密度があるにもかかわらず、視線が迷いにくい。それは、中心の描写の強さだけでなく、周辺減光は良い方向に働き、周辺から中心へと向かう視線誘導が破綻していないからだと思います。

大桟橋の俯瞰全景写真

そして最後は海沿いの町。大桟橋に立った時、この組み合わせで最も使う意味を感じました。広い場所だからといって、もっと広角で全部を入れたくなるわけではありませんでした。むしろこのくらいの画角だからこそ、木の床の線、人物の配置、空の抜け方が自然に整理されます。広すぎず、狭すぎず。視線の落ち着きどころをつくりやすいのが、この換算約40mm前後という感覚の魅力です。

デッキを進む人の足元

そしてこのように陰影がはっきり出る場所では、描写がより引き締まって見えました。しかもその引き締まり方は、Leicaのモノクロ機で見た時の方向とはまた違います。こちらは『GFX 100 II』の持つ情報量の多さとダイナミックレンジの広さがベースにあって、その上で像がすっと締まる印象でした。

KingとQueenと長い影の俯瞰

俯瞰気味に床面を見下ろしたカットでは、長く伸びる影まで含めて写真が整いました。デッキに使われた木材の質感。日が傾き始めた温かみのある陽の光。素材の違いを無理なく一枚に収めながら、全体の印象はどこか穏やかです。また、開放で感じる周辺減光も、この場所ではむしろ好ましく働きました。もともとケラレも想定していたので、この程度の減光は大きな問題ではありませんでしたし、中心へ視線を集めてくれるため、寄りにくさを少し補ってくれるようにも感じました。
それ以上に驚いたのは、本来想定していない周辺部まで、きちんと解像していることです。減光していると感じる一方で、像そのものはしっかり保たれている。その部分は、実際に使ってみないと分からない部分でした。

夕日が照らすみなとみらいの写真夕焼けに浮かぶみなとみらい

そして日が落ちていく時間帯になると、このレンズの良さはさらに素直に出てきます。建物がシルエットに沈み、空の色だけがわずかに残る頃。明るい部分を過剰に引き上げず、暗部を潰しすぎず、その間の曖昧な階調を丁寧に描写してくれました。
横浜の夕景を撮っていて感じたのは、この組み合わせが「説明」よりも「余韻」に向いているということです。何が写っているかを明快に伝えるより、その場の空気があとから残る。『アポズミクロン M50mm F2.0 ASPH.』を『GFX 100 II』で使う面白さは、まさにそこにあるのだと思います。

薄明の中寄り添って座る二人の背中

『FUJIFILM GFX 100 II』に『アポズミクロン M50mm F2.0 ASPH.』を組み合わせる。それは決して一般的な使い方ではないのかもしれません。けれど今回あらためて感じたのは、このレンズの魅力は「Leica M」の中だけで完結しないということでした。GFレンズに慣れていると、このレンズは驚くほど細身で軽く、コンパクトです。しかも『GFX 100 II』側のグリップや強力な手ブレ補正もあって、実際の取り回しは見た目以上に素直でした。EVFでのピントの山も掴みやすく、必要なら拡大表示で追い込める。操作に強い癖がないまま、描写だけがきちんと特別です。

『GFX 100 II』で使う『アポズミクロン M50mm F2.0 ASPH.』の写真

ラージフォーマットのまま使った時、開放ではわずかに周辺減光を感じる場面もありました。それでもケラレることなく撮影でき、換算約40mm前後の感覚で、このレンズならではの品位を十分に楽しむことができました。しかもその画角感は、35mmというより、少しだけ窮屈さを手放した50mmに近いものでした。
解像感の高さだけではありません。階調のつながり、面のなめらかさ、ボケへの境界の滑らかさ、そして被写体との距離を自然に保ったまま、その場の空気まで写し取ってくれる感覚。そうした魅力が、センサーサイズの違う土俵でもしっかり存在していました。
「GFX」中判/大判レンズの母艦として使用している方、オールドレンズを愉しまれている方、これからGFXをご検討されている方へ。マニュアルフォーカスレンズの雄としてを『GFX 100 II』で使う『アポズミクロン M50mm F2.0 ASPH.』は、おすすめです。


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[ Category:FUJIFILM Leica | 掲載日時:26年04月19日 17時00分 ]

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