
【Nikon】DXフォーマットの未来を切り拓く。「NIKKOR Z DX 16-50mm F2.8 VR」 / 「NIKKOR Z DX MC 35mm F1.7」先行レポート
本日10/16に、Nikonから「NIKKOR Z DX 16-50mm F2.8 VR」と「NIKKOR Z DX MC 35mm F1.7」が発表されました。
APS-C機ユーザー待望の、F2.8通しズームレンズと小型軽量なマイクロレンズです。
ニコンフロアスタッフが東京・新宿の「ニコンプラザ東京」にて先行体験してまいりましたので、早速レポートさせていただきます。
APS-C用のF2.8通し高性能ズームレンズ「NIKKOR Z DX 16-50mm F2.8 VR」
Nikonの明るいAPS-C用ズームレンズといえば、デジタル一眼レフ(Fマウント)用のAF-S DX NIKKOR 16-80mm F2.8-4E ED VR を思い出す方も多いのではないでしょうか。
ナノクリスタルコートによる逆光耐性や、抜けの良いクリアーな写りで今なお人気の銘玉です。
しかしZマウントのAPS-C用レンズは、長らく明るめの純正ズームがラインアップされておらず、純正ではフルサイズ用しか選択肢が無い・・・という状況でした。
せっかくのAPS-C機、「性能は譲れないけれど、機材をコンパクトにして撮影したい!」という方も多かったはず。
このレンズの登場で、その夢がかなうこととなりました。それも、とびきりの描写力とともに。
まずは仕様をご紹介いたします。
・レンズ構成:11群12枚(EDレンズ1枚、非球面レンズ2枚)
・最大径×全長(レンズマウント基準面からレンズ先端):約74.5 mm×88 mm
・重量:約330 g
・最短撮影距離:焦点距離16mm時:撮像面から0.15 m、焦点距離50mm時:撮像面から0.25 m
・絞り羽:9枚(円形絞り)
・フィルター径:67mm
・AF駆動用モーター:STM
APS-CのZシリーズにキットズームとして設定されているNIKKOR Z DX 16-50mm F3.5-6.3 VRとサイズを比べてみました。
流石に沈胴状態の16-50mmが相手では違いがありますが、スペックから考えると非常にコンパクトだと感じます。
ズームした状態はこちら。
がたつきなどは一切なく、非常にビルドクオリティの高いレンズだと感じました。
特徴1:開放F2.8の表現力
35mm判換算で24-75mm、そしてF2.8というスペックは、先日発売となったNIKKOR Z 24-70mm F2.8 S IIを思い出させます。
言ってしまえばトップエンドのズームレンズと同じ仕様なのです。
EDレンズ1枚と非球面レンズ2枚を盛り込んだレンズ構成を採用。
絞り開放ではポートレートなどに向くソフトな描写、絞り込めば高い解像感を楽しめる、一粒で二度おいしいレンズとなっています。
更に短い最短撮影距離(広角0.15m/望遠0.25m)のおかげで構図の自由度が高く、「あともうちょっと寄りたい!」という時にしっかりと応えてくれます。
(キットレンズとして用意されているNIKKOR Z DX 16-50mm F3.5-6.3 VRの最短撮影距離は、広角側で0.25m/望遠側で0.3mです)
パースペクティブを強調したダイナミックな表現や、被写体にクローズアップしてとろけるようなボケを楽しむのも思いのまま。
特徴2:レンズシフト方式の手ブレ補正(VR)に対応
薄暗い室内や夜景撮影で気になる手ブレ。
本レンズはレンズシフト方式の手ブレ補正(VR)を内蔵しており、写真中央部で5段分の補正効果を得られます。
2025年10月時点で、NikonのZマウントのAPS-C機はボディに手ブレ補正機構を持たないため、このレンズを組み合わせることで撮影の安心感がグッと増す事でしょう。
また、ボディ内手ブレ補正(センサーシフト式手ブレ補正)を搭載した一部カメラとの組み合わせでシンクロVRにも対応。
その場合は中央・周辺ともに5.5段分の補正効果を発揮します。
特徴3:使って嬉しい、様々な特徴
MFリングを兼ねたコントロールリングにより、カメラ側の設定でフォーカスやISO感度、絞り値などの機能を割り当て可能。
フィーリングがしっとりとしており操作性がとても良く、ついつい回したくなってしまいました。
AF用のモーターは駆動音が静かなSTMを搭載しており、動画撮影時でも快適に撮影ができます。
AF速度はまさに“電光石火”。シャッターボタンを半押しした瞬間にピントが合っているので、まるで最初から合焦していたかのように感じました。
被写体認識も素晴らしく、犬のフィギュアにカメラを向けた瞬間に目を検出してくれます。
主に動画撮影時に問題となるフォーカスブリージングもしっかり抑制しているので、ピント位置を変えても画角が大きく変わることはありません。
更には対応するカメラとの組み合わせで、動画撮影時に「画質劣化なし/F値一定のまま最大2倍のズームが可能」になるハイレゾズームに対応しています。
APS-Cレンズの新時代を感じさせる、素晴らしいスペック。
今から発売が待ちきれません。
APS-C用の小型軽量マイクロレンズ「NIKKOR Z DX MC 35mm F1.7」
35mm判換算の焦点距離で52.5mm、いわゆる“標準マイクロ(マクロ)レンズ”です。
耐久性に優れた安心の金属マウント仕様、精密さを感じさせる高品位なデザインで、所有する喜びを感じられる1本となりました。
レンズにシーリングを施し、防塵防滴に配慮した設計となっています。
気になるスペックはこちら。
・レンズ構成:7群8枚(ED非球面レンズ1枚)
・最大径×全長(レンズマウント基準面からレンズ先端):約70 mm×72 mm
・重量:約220 g
・最短撮影距離:撮像面から0.16 m
・絞り羽:9枚(円形絞り)
・フィルター径:52mm
・AF駆動用モーター:STM
特徴1:小さな世界をクローズアップ!等倍相当撮影
マイクロレンズの性能指標として重要な「撮影倍率」。
NIKKOR Z DX MC 35mm F1.7は、最大撮影倍率0.67倍を実現。
35mm判換算で等倍相当※の撮影が可能です!
※等倍撮影というのは、イメージセンサー上における像の大きさが、実際の物体とほぼ同一サイズで撮影できるということ。
簡単な例でいうと、100円玉をセンサーの上に置けばそのサイズで写るということです。
NIKKOR Z DX MC 35mm F1.7はDXフォーマット用レンズなので、最大撮影倍率0.67倍を35mm判換算の1.5倍すると1.005となり、「等倍に近い大きさ」で撮影できるということになります。
花についた朝露や小さな昆虫のアップなど、普段は見ることができない小さな世界を大きく写すことができるマイクロレンズ。
1本持っておくと撮影のバリエーションが広がる事間違いなしです。
特徴2:日常でも使いやすい、35mm判換算で標準52.5mm相当の画角
50mmのレンズが「標準レンズ」と言われる理由は、カメラを構えた時に写る範囲(画角)が人の目の視野に近いからです。
自然な感覚で撮影をすることができるので、初めての単焦点レンズとして非常におすすめです。
風景撮影なら後ろへ下がって広角気味に、被写体に近づいて望遠の様に・・・という使い方が出来るので、自分の足で構図を決める楽しさが味わえます。
ポートレートを撮る場合は、モデル適度な距離をとり会話しながら撮影できます。
カフェでテーブルフォトを撮るなら、無理に身を引かずとも自然に撮る事が可能です。
特徴3:撮影を快適にする、様々な機能
最新レンズならではの高性能で、使いやすさも抜群です。
幅広で扱いやすいピントリングは、コントロールリングも兼ねているので、カメラの設定でフォーカスの設定やISO感度、絞り値などの機能を割り当てることが可能です。
AFの駆動モーターにはSTM(ステッピングモーター)を採用。動画で使用する際に嬉しい静音設計となっております。フォーカスブリージングも抑制されているため、マイクロレンズの表現力を活かした動画撮影を存分に楽しめます。
更にフォーカシングで全長の変化がないインナーフォーカス仕様なので、「ピント合わせをしていたら先端が被写体にあたってしまった・・・」というようなことがありません。
ジンバルに乗せた際に重量バランスが変わらない、レンズ内へゴミが入りづらくなる等、利点を挙げればきりがありません。
今まで撮れなかったものが撮れるようになる。
新たな可能性を与えてくれるマイクロレンズから目が離せません。
まとめ
いつの時代も、類まれなる光学性能で写真業界をリードしてきたNikon。
その写りで多くのファンを生み出し続けてきました。
今回発表となった新製品で、そのフィールドがさらに広がったことは想像に難くありません。
「NIKKOR Z DX 16-50mm F2.8 VR」、「NIKKOR Z DX MC 35mm F1.7」。
この新しい眼で広がる可能性に、今からワクワクが止まらないのは筆者だけではないでしょう。
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