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【Leica】時を超えて愛される銘玉を再現したレンズが最高だった話

【Leica】時を超えて愛される銘玉を再現したレンズが最高だった話

マップカメラの31周年創業祭がついにスタート!日頃お客様からご愛顧をいただき、今年で31周年を迎えることが出来ました。
創業祭に併せ、毎年テーマを決めてお客様に楽しんでいただけるシリーズブログを執筆していますが、2025年は「BEST BUY」がテーマです。

新しい機材との出会いは、いつも胸が高鳴るもの。しかし、選択肢が多すぎて迷ってしまうこともあります。
この「BEST BUY」シリーズは、そんなあなたの疑問や悩みに寄り添い、本当に「買ってよかった」と思える逸品をマップカメラスタッフが厳選してご紹介します。
性能、使い心地、そして所有する喜び。手に取るたびに新たな発見がある、そんな魅力溢れる製品の世界へ、ようこそ。

Light Lens Labからリリースされている「Light Lens Lab M 50mm f/2 Rigid」をご紹介。ライカファンに限らず、オールドレンズを日頃楽しまれている方にも馴染み深いであろうSummicron M 50mm F2の初代、その中でも固定鏡筒と呼ばれるタイプを復刻した本レンズ。カラーバリエーションはシルバー、ブラックペイント、ブラスゴールドの3種類。今回はLeica M11 ブラックペイントにレンズもブラックペイントの物で合わせて撮影して参りました。どうぞ、ご覧ください。


Summicron M 50mm F2の初代と言えば当時の写真界では「空気まで写る」などと評されるほど、高い描写性能を誇っていました。特に、被写体の立体感や、空間の奥行きを鮮明に表現する能力がずば抜けていたとされています。
様々な逸話が残る初代ですが、本レンズにおいてもオリジナル同じ6群7枚のレンズ構成を踏襲しつつ、使用しているガラス材に至るまで出来るだけ当時の物を再現しているそう。記憶を頼りに絞り値を記載しておくと基本的にはF2とF8を往復していたので、こちらはF2で撮ったショットかと思います。オリジナルの雰囲気を感じていただけますでしょうか。


こちらはF8での描写。絞りを開け切った状態とは違ってソリッドな印象になりましたが、「空気まで写る」を体現するかのような湿度を感じる一枚になりました。手に取り触っているとオリジナルとの細かな違いを感じる事はあるのですが、撮れた写真を見るとオリジナルを使っているのかと錯覚するほどに再現されています。



絞りを開けた際の滲みがかえって心地よく、それでいて日本のじっとりとした夏を感じさせるような雰囲気を匂わせます。この日は生憎の曇り空でしたが、夏真っ盛りという事もありじんわりと汗ばむような気温に。アーバンな雰囲気の集合住宅を抜け、目的地を目指します。
こう見ると周辺光量落ちが結構あるように感じられますが、筆者にとっては寧ろ大好物です。

ほどなく歩くと今回の目的地にたどり着きました。マンモス団地の中に併設された商店街なのですが、建物自体の老朽化や団地住民の高齢化なども伴いシャッターを下ろしている建物も少なくありません。活気を彩るように街灯に結ばれた国旗達も色あせ、この空間が歴史から取り残されてしまったような感覚に陥ります。

照明器具を取り付けるための配線類でしょうか。束ねられているとまた印象的。以前は方々に張り巡らせ、商店街を明るく照らしていたに違いありません。ふと目についてフォーカスしたものではありますが、このくらいの距離感で見られる、浮き上がるような立体感はこのレンズならではかもしれません。

からしのような色合いの瓦屋根に落ちる光と影。まるで時代の移ろいを思わせる明暗のグラデーションをなだらかに描いてくれました。

こんな空間にもぽつぽつと未だに営業を続けているお店もありました。駄菓子というワードを見かけると、子供の頃に食べたやけにしょっぱいラーメンスナックや、ヨーグルトの様な風味の小さなお菓子を思い出します。古き良き時代の面影を残しながらも、今はただ静かに取り残された駄菓子屋。それを写すのはかつて一世を風靡した銘玉の特徴を現代の技術で再現し、復刻されたレンズ。そんな対比を感じつつ柔らかな描写をそのままに、鮮やかに切り取ってくれました。


左からSummicron M50mm F2 固定前期、Summicron M50mm F2 固定後期、Light Lens Lab M50mm F2 Rigid

さて、製品の特長にも触れておく事としましょう。オリジナルのSummicorn 50mm F2の初代はレンズをコンパクトに収納できる沈胴タイプと、より堅牢度を高めた固定タイプが存在していますが、本レンズは冒頭にも触れているように固定タイプの外観を持っています。更にライカのレンズにお詳しい方ならご存じかとは思われますが、実は固定タイプの中にもいわゆる前期型と後期型があり、一目で分かる外見的特徴としてはローレットと呼ばれるピントリングの滑り止め加工が、山側にあるか谷側にあるかという点。本レンズは後期型のデザインを再現しています。


オリジナルは最短撮影距離が1.0mだったのに対して、本レンズは最短0.7mまでの近接撮影が可能となっている点も嬉しいところ。


オリジナルとなるSummicron 50mm F2の固定鏡筒と言えば、現代においても比較的多く流通しておりマップカメラでももちろんお取り扱いがございます。また、様々な個体の中から出来るだけ状態の良いものを探し、これだと思える1本に出会うまで根気よく探す事もレンズ選びの楽しみであると思います。実際、筆者もオールドレンズに関してはどちらかと言えばそういうタイプです。

しかしながら、ある程度の目利きが必要だったり良い状態のものは珍しさから非常に高価に取引されています。そこに一石を投じるかのようなLight Lens Labのレンズ達。高価で手が届く事のなかった、届きづらかった往年の銘レンズを高いクオリティで現代に再現し、オリジナルと比べれば安価に手に取る事が出来ます。再現かオリジナルかの是非についてを考える人もおられるかとは思いますが、往年の写りを再現したレンズが今、新品で手に入れられる。その写りを手軽に楽しむ事が出来るという事は素晴らしい事だと思います。

ライカレンズの魅力をより身近に、そして手軽に味わえるようになった今、この新しい選択肢があなたの写真体験をさらに豊かなものにしてくれるはずです。さあ、「手の届く銘玉」の世界へ踏み出してみませんか?



[ Category:etc. Leica | 掲載日時:25年07月16日 11時00分 ]

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