【マップカメラ情報】Canon EF100mm F2.8L マクロ IS USMレポート
EF100mm F2.8L Macro IS USM
マクロレンズの可能性
マクロレンズというと、雑誌などで目にする花や昆虫などの撮影用レンズで、特殊な用途向けのレンズというイメージをもたれている方も多いかと思います。私も最初の頃は、接写専用のレンズだと思っていました。でも実際にはそんなことはありません。マクロレンズは、近距離撮影「も」得意なオールマイティーなレンズなのです。
例えば、EF100mm F2.8L Macro IS USMと同じ焦点距離の、EF100mm F2 USMと最短撮影距離を比較してみると、前者が30cm、後者が90cmと、60cmも「寄れる距離」が違います。EF100mm F2 USMは中望遠レンズという性格上、ある程度の距離をおいて撮影することが多いと思いますが、写真表現の基本でもある「引き算」でもっと寄って被写体を引き立たせたり、神秘的な表現のイメージカットにしようと思っても、意外と寄れないことがあります。100mmを超える望遠ズームレンズなら、もっと望遠側にして被写体を引き寄せることが出来ますが、単焦点レンズでは足を使って被写体に近づいたとしても、最短撮影距離が写真表現の限界となってしまいます。
マクロレンズなら、こういったシチュエーションでも、もっと寄った撮影が可能です。単焦点レンズながら幅広い表現の可能性を秘めたレンズ、それがマクロレンズなのです。
ハイブリッドIS
遠くの被写体を大きく写すことが出来る望遠レンズは、その性格上小さなブレも拡大されて大きなブレとなってしまいます。キヤノンの望遠レンズには、その手ブレ補正機能をそなえたレンズが、多数ラインナップされています。
マクロレンズは望遠レンズと性格は似ています。マクロレンズは被写体に近づいて、より大きく写すことが出来るレンズ、望遠レンズは被写体を引き寄せて、より大きく写すことが出来るレンズです。マクロレンズの撮影方法は、三脚でしっかり固定してブレないようにしますが、これは超望遠レンズでの撮影と似ています。三脚の使用は、ブレ対策だけではなく、ピント位置をしっかりと固定する為でもあります。
キヤノンが、中望遠レンズでもある100mmのマクロレンズに手ブレ補正機能を投入するのはまさに必然、ユーザーから見れば手持ち撮影によるブレのない撮影の可能性が得られるありがたいレンズとなりました。しかも、そのISは今までの手ブレに対する補正だけではなく、手持ち撮影時に起こる、上下左右のシフトブレを打ち消す「ハイブリッドIS」が採用されました。
その理屈を説明するより、百聞は一見にしかず、実際にレンズを装着してファインダーを覗いて見ると、近接撮影なのにファインダー像がピタっと止まります。素晴らしい効果です。このISで得られるメリットは、手ブレのない写真撮影も勿論ですが、もう一つ、ファインダー像がブレないのでピントの確認が容易になる事です。
高画質・防塵防滴のLレンズクオリティー
旧モデルEF100mm F2.8 Macro USMから、新モデルへの変更点は、手ぶれ補正ISを搭載だけではなく、待望の高画質・防塵防滴のLレンズ化です。フィルター径が58mmから67mmへと大きくなりましたが、レンズの太さが均一になり、旧モデルよりスリムに見える印象です。マクロレンズは、様々な自然環境の中で撮影することが多いので、キヤノンのLレンズ性能なら安心して撮影に集中できます。
レンズフードの内側には、細かい植毛処理が施されており、光の反射を極限まで落としてある事も、最高の画質を得るための一切の妥協を許さないキヤノンクオリティーを感ずにはいられません。
防塵防滴性能・高画質のLレンズ、最新のハイブリッドISを搭載したマクロレンズEF100mm F2.8L IS Macro USMは、「今まで撮れなかったシーンでも撮影が可能になる」そんな期待感を抱かずにはいられない一本です。
EF100mm F2.8L マクロ IS USM 詳細
レンズ構成 | 12群15枚 |
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絞り羽根枚数 | 9枚 |
最小絞り | 32 |
最短撮影距離 | 0.3m |
最大撮影倍率 | 1倍 |
フィルター径 | 67mm |
最大径×長さ(mm) | 77.7×123 |
質量 | 625g |
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■作例写真 撮影機材:Canon EOS 7D※リンク先は50%にサイズを縮小しています。