
【Canon】無双を超える存在│EOS R1レビュー
2024年11月29日にCanonはフラッグシップミラーレス一眼カメラとしてEOS R1を発売しました。
今までは高性能フラッグシップモデル=一眼レフカメラだったと思いますが、Canonをはじめ各社がミラーレス一眼でフラッグシップモデルを発売しています。これは各社の主戦場がミラーレス一眼カメラに完全移行しつつある事を意味しており、ある意味時代の変革期なのかもしれません。そして今回はそんな時代の変革期にリリースされたEOS R1を風景・人物・動体といったありとあらゆるのシーンで使用し、その性能の素晴らしさを体感してきましたので皆様にお伝えさせていただきます。
さて、今回はタイトルの通りCanonのフラグシップカメラである「EOS R1」を動体撮影の作例を多く掲載しレビューいたします。
○ EOS R1の動体撮影性能
○ 動体撮影を快適にする圧倒的なカメラ性能
EOS R1の基本性能
EOS R1は有効画素数 2420万画素で裏面照射積層CMOSセンサーを採用しています。EOS R6 Mark II のようなCMOSセンサーではなく読み出しが高速な積層型センサーを搭載しています。これにより電子シャッターを使用した際にローリングシャッター現象を限りなく低減することが可能です。
例えば一眼レフのフラッグシップ機であるEOS-1D X Mark IIIのメカシャッター使用時と同等性能を有しています。多くのミラーレス一眼カメラが採用しているCMOSセンサーの場合電子シャッターを使用して高速に動く被写体を撮影すると象が歪む現象やデータのビットレートが低減することがありますが、EOS R1はCanonのフラッグシップモデルです。もちろんそんなことはありません。そしてこれからご紹介する写真は全て電子シャッターを使用して撮影しています。
通常は電子シャッターに変更すると「象の歪みが発生する場合があります」と警告が出ますが、EOS R1は一切出ることはありません。如何にCanonが積層型センサーに自信を持っているかが分かると思います。設定画面はこちらからご確認いただけます。
重量はバッテリーとメモリーカードを含め1115gです。もちろん近年のミラーレス一眼カメラの中では重量級にカテゴライズされますが、EOS 1DX Mark IIIの重量が1440gですからフラッグシップモデルにしては非常に軽量です。
バッテリーはLP-E19を使用します。EOS R3やEOS-1D X Mark IIIと同じバッテリーです。撮影可能枚数はファインダーリフレッシュレートを上げた状態で約510枚とありますが、今回の撮影では1本のバッテリーで1500枚撮影してもバッテリー残量が10%残りました。もちろん撮影環境やシャッター方式によってもこの数値は大きく増減しますが、非常に長いバッテリーライフを持っています。ほぼ一眼レフ機と変わらない撮影可能枚数を有しています。
静物撮影
EOS R1はどちらかというと動体撮影を主とされるユーザーに人気がありますが、ポートレート撮影や風景撮影においても素晴らしい画質を保証してくれます。その理由としてこれまでEOS-1D X Mark III だけに採用されたGDローパスフィルターの搭載が大きく貢献しています。このローパスフィルターは偽色・モアレの発生を抑えることに加えて解像力も高くなるような設計がされています。おかげでEOS R1で撮影した写真は他のカメラで撮影した画像と比べて透明感があり非常に美しい写真が撮影できます。

EOS R1+RF 50mm F1.8 STM 1/400, F1.8, ISO100

EOS R1+RF 24-105 F2.8 L IS USM Z 1/125, F2.8, ISO100

EOS R1+RF 10-20 F4 L IS STM 1/200, F8, ISO800

EOS R1+RF 24-105 F2.8 L IS USM Z 1/320, F2.8, ISO100
どの写真でもCanonらしいクリアかつコントラストがはっきり出た写真を撮影出来ます。ローパスフィルターを搭載した上でこれだけの描写を実現できるのですからCanonの本気度が伝わります。本当に素晴らしい機種です。

EOS R1+RF 85mm F1.2L USM 1/2500, F2.0, ISO100
ポートレート撮影も軽々と対応してくれます。Lightroomにて現像作業をしていますが、RAWファイルの編集耐性も非常に高く、ユーザーの意図する色味・雰囲気に持ち上げることが可能です。

EOS R1+RF 24-70 F2.8 L IS USM 6.3, F10, ISO125
ケーブルレリーズを用いたバルブ撮影も行いました。色の破綻が一切なく編集耐性の強さを裏付けます。ハイライト・シャドウ部の階調性も非常に高く現像作業も非常に捗りました。
動体撮影
Canonのフラッグシップ機を購入されるユーザーの大部分は動体撮影能力の高さを評価して購入されると思います。EOS R1は過去Canonがリリースしたカメラの中では1番のAF性能・被写体認識性能を有していると断言できます。例えば高速で走るレースカーなどはいとも簡単に撮影ができます。実際に撮影した写真と共に解説いたします。

EOS R1+RF 100-500 F4.5-7.1 L IS USM 1/30, F18, ISO100

EOS R1+RF 100-500 F4.5-7.1 L IS USM 1/25, F11, ISO400

EOS R1+RF 100-500 F4.5-7.1 L IS USM 1/30, F22, ISO160
AFスピード・正確さ共にどのメーカーと比較してもトップクラスだと思います。どんな天候・被写体の条件であってもピントを合わせ続けてくれます。被写体検出設定において自動車に限定して撮影しています。一般的な車の場合、ボンネット又は車全体を認識しますが、画像のようなヘルメットなどが写るカットの場合、頭部にピントを合わせ続けてくれます。いずれの撮影においても被写体認識が誤作動することは一切なく本当に信頼できるカメラだと確信しました。

EOS R1+RF 24-105 F2.8 L IS USM Z 1/1600, F2.8, ISO160
こちらは被写体検出設定を動物に設定しました。イルカが飛び出た瞬間からフォーカスが合い続け躍動感ある瞬間を撮影出来ました。また、撮影時は被写体に対して逆光という難しい撮影環境下でありましたが、フォーカスが迷うことなく被写体に合い続けてくれました。
EOS R1でおすすめしたい3つの機能
本当に多くの機能を搭載し、どんな撮影環境下においても対応できるEOS R1ですが、次の3つの機能が特に優秀であり、これまでの撮影において非常に有効だったのでご紹介いたします。
流し撮りアシスト
1つ目は「流し撮りアシスト」です。この機能は文字の通りで流し撮りをする際に、被写体の動きを解析して静止画撮影時の被写体の動きを予測し、手振れ補正を流し撮りに最適な設定にしてくれるものです。この機能は手ぶれ補正が搭載されたRFレンズ又は一部対応しているEFレンズが必要になります。この機能が非常に優秀で時速数百キロの車をいとも簡単に流し撮り出来るようになります。

EOS R1+RF 100-500 F4.5-7.1 L IS USM 1/25, F20, ISO100

EOS R1+RF 100-500 F4.5-7.1 L IS USM +EXTENDER RF 1.4x 1/30, F16, ISO100
この機能には本当に驚かされました。語弊を恐れずに表現すると、 「この機能で誰でも流し撮りが出来てしまう」 そのレベルです。この機能のためだけにEOS R1を購入しても絶対に損しないでしょう。この設定の有無で流し撮りの成功率が圧倒的に違います。流し撮りアシストはEOS R1のみならず様々な機種で搭載されていますが、その精度・歩留まりの高さは群を抜いていると感じました。対応機種はこちらからご確認いただけます。
Caseスペシャル
2つ目はAF設定における「Caseスペシャル」です。この機能はカメラと撮影する被写体の間にネットや柵がある場合に有効な機能で、フォーカスをネットや柵に取られずに被写体に合わせ続けてくれる設定です。これにより柵・ネット越しの撮影でもフォーカスが迷うことが極限まで低減されます。

EOS R1+RF 100-500 F4.5-7.1 L IS USM 1/25, F22, ISO100

EOS R1+RF 100-500 F4.5-7.1 L IS USM +EXTENDER RF 1.4x 1/30, F16, ISO100

EOS R1+RF 100-500 F4.5-7.1 L IS USM 1/25, F22, ISO100

EOS R1+RF 100-500 F4.5-7.1 L IS USM 1/25, F22, ISO100
これらの撮影した画像は被写体である車の前に飛散防止ネットが1枚または2枚ある非常に撮影条件としては良くないポイントでした。しかしながらこのAF設定を使用することによって車にフォーカスが合い続け、快適に撮影できました。もちろん柵やネットが無い時と比較するとほんの一瞬フォーカスが迷うシーンはありますが、このような撮影環境において非常に有効な設定であると感じました。
飛散防止ネットが撮影位置と被写体の間に完全に覆われていたとしても被写体を検出しフォーカスを合わせてくれます。これには驚きの一言につきます。
視線入力AF
3つ目は「視線入力AF」です。この機能はファインダーを使用した際に撮影者が見た視線の先にAFを合わせるという画期的なものです。つまりはジョイスティックやスマートコントローラーなどを使用しなくとも撮影者がフォーカス合わせたい位置を見続ければフォーカス合うということです。この機能は複数台の車が交錯する時に非常に有効でした。ピントを合わせたい被写体をファインダー内で見続ければその被写体に対してピントが自動で合います。

EOS R1+RF 100-500 F4.5-7.1 L IS USM 1/30, F22, ISO100

EOS R1+RF 100-500 F4.5-7.1 L IS USM 1/30, F22, ISO125
このような撮影したい車両の付近に複数台の車がいると場合によっては撮影者が意図しない位置にピントがある場合がありますが、視線入力AFを使用すればそのようなストレスは無くなります。ピントを合わせたい車両を目で追えばそれだけでピントが合い続けます。
まとめ │ 関連記事のご紹介
いかがでしたでしょうか。今回は動体撮影を中心にEOS R1をレビューいたしました。電子シャッター使用時でもほぼ歪まない性能・被写体認識AF・耐久性・画質。 何をとっても1番だと断言できるカメラだと思います。タイトルにある”無双”という単語はEOS R3がデビューした際のキャッチコピーです。もちろんEOS R3もコストパフォーマンスに優れた非常に素晴らしいカメラですが、その性能を優に超えるでしょう。最近Canon一眼レフフラッグシップモデルであったEOS-1D X Mark IIIが生産完了となりました。この事実は冒頭にも書いた通りCanonもミラーレス一眼カメラへと完全移行することを意味していると考えます。一眼レフユーザーである私にとっては少し悲しい出来事ですが、これだけの性能を有するモデルがラインナップされるのであれば納得です。



