
【Voigtlander】「写りすぎない」のが愛おしい。純正レンズには絶対に出せない、とろけるような光とボケ味の魔法
Canon製ミラーレス一眼カメラユーザーの多くはマウントアダプターを使用したマニュアルフォーカスレンズ(以降MFレンズ)やサードパーティ製MFレンズを使用する方が少ないように筆者は感じています。具体的エビデンスはありませんが、他社ユーザーの方がMFレンズを使用している割合としては多いと思います。考えられる理由としては初代EOS Rシリーズで発生していた周辺部のマゼンタ被りが原因と考えています。初代EOS Rシリーズ(EOS R EOS R6 EOS RP など)は採用センサーに一眼レフ時代のセンサーを軸に開発されいるようでそれが影響しているとも言われています。しかしながらそれらの機種以降のカメラでは顕著なマゼンタ被りが発生することはなく現行のAFレンズのみならず過去のMFレンズも問題なく使用できるようになりました。
さて、今回ご紹介するレンズはVoightlander製MFレンズNOKTON 40mm F1.2 Asphericalです。マウントはRFマウントを採用しています。さらにマウント部に電子接点も搭載しているので絞り値などのExif情報や、電子接点が無いと作動しないフォーカスガイド・レンズ補正プロファイルの使用といった現代のAFレンズと変わらない機能性を有します。また、当レンズ公式サイトにもEOS R、RP、R6使用時にマゼンタ被りが生じる恐れがあるという注意書きがあります。該当ユーザーは購入前に実機でテストしてみることを推奨します。使用ボディはEOS R6 Mark IIIです。Raw形式での撮影ですが、Lightroom上でプロファイルをカメラ標準に割り当てているのみで、クロップや他の調整は行なっておりません。
こちらのレンズですが、Canon RF用の他にもNikon ZとSony E用のラインナップがあります。
まずは開放F値で撮影した作例からご紹介します。

非常になだらかなボケ感です。合焦面の滲みはほとんど確認されず抜け感のある綺麗な描写をします。MFレンズなのでピントを自身で合わせる必要がありますが、Voightlanderのピントリングは非常に精密に造られておりピント合わせが容易に行えます。若干白色にマゼンタが乗っているような感じもしますが許容範囲内でしょう。

開放F値だと周辺光量落ちが顕著に発生しています。絞り込むとある程度解消しますがそれは1つの味と捉えられるくらいです。また開放F値だと周辺部はかなり流れてしまい解像度の低下が確認できました。ただし昔のオールドレンズのように全く使い物にならないほどの解像度低下ではありません。ピント面は非常にシャープでとても説得力と独特の雰囲気を醸し出します。

とても明るいF値のおかげで何ら変わりない日々の風景も味のある美しい写真にする事が出来ます。開放F値が1.2の為シャッタースピードの上限が1/4000のカメラだとシーンによっては露出オーバーになる可能性があります。NDフィルターや電子シャッターを用いるなど工夫が必要になります。今回使用したEOS R6 Mark IIIはメカシャッター時で1/8000、電子シャッター時に1/16000までレリーズが可能なのでNDフィルターなしでも運用出来ました。

純正レンズとは雰囲気の違う描写を楽しめます。やはり白色の。加えて撮影者が自らピントを合わせることによって撮影すること自体を楽しめます。

撮影日は2月某日ですが、桜が咲いていました。こちらも開放F値で撮影していますが、被写界深度が薄いこともあってピント面以外は大きくボケています。加えて、ぐるぐるボケになることもなく使いやすく感じます。

人馴れしている野鳥がいたので最短撮影距離付近まで近づいて撮影をしました。少し被写体が動いただけでもピントがはずれてしまいますがピントが食いついた時の説得力は非常に強力です。

純正レンズでは表現できないような独特の質感が非常に素晴らしいです。40mmという昨今大人気の焦点距離で広すぎず・狭すぎない絶妙な焦点距離と非常に明るいF値のおかげでとても使いやすいレンズでした。

絞り込んで撮影すると非常に良好なパフォーマンスを発揮します。周辺部のビルも柱一本一本繊細に描写しています。スナップのみならず風景撮影にも適していると思います。

アポランターシリーズと比較すると解像力では劣る所がありますが、独特の立体感や醸し出す色味に関しては勝る部分があると思います。

最後に開放F値で撮影した際に発生したフリンジをご紹介します。画像上部の枝に明らかなフリンジが発生しています。各現像ソフトである程度補正可能レベルではありますが、完全に除去することは難しいレベルでした。しかしながら少し絞れば改善するので、大きな問題ではないと感じました。
いかがでしたでしょうか。今回はVoightlander NOKTON 40mm F1.2 Aspherical RFマウントをご紹介いたしました。非常に明るい開放F値と純正レンズとは一風変わった描写が特徴のレンズです。MFレンズが難しいと思う方もいると思いますが、先に述べた通り、フォーカスガイドやピーキング機能を駆使することによって快適な撮影が可能になります。MFレンズの1本目としても非常におすすめです。
【先行レビュー】Voigtlander2本目のRFマウント『NOKTON 40mm F1.2 Aspherical』を動画で紹介します



