
【Canon】プロカメラマンが仕事で使うレンズが、実は1万円台で買えると知っていますか?
突然ですが、皆様はプロカメラマンの持っている機材についてご存じでしょうか。
大きなボディに大きなレンズ、大きなフラッシュにたっぷりの予備バッテリー、さらには三脚やレフ版を想像する方が多いかと思います。
もちろんそういった機材を使用する方も多いのですが、出張カメラマンや町の写真館の場合、様々なレンズを使い分ける方が多いのです。
さて、筆者が住んでいた県にはたくさんの写真館がありました。
仕事柄取引先としてそれらに行くことが多かった私は、よく営業をしながらカメラマンの使用機材を盗み見たものです。
大半の写真館はCanonの機材を使用しており、ボディは6D系・R6系より上のランクがメインでした。
レンズに関してはまちまちですが、やはりEF24-70mm F2.8L II USMとEF70-200mm F2.8L IS II、が鉄板でした。
しかしある時気が付きます。
EF40mm F2.8 STMやEF50mm F1.8 STM(EF50mm F1.8 II)を持っている方が非常に多いことに!
これらを「抑えの1本」として持っているスタジオもあれば、「キメの1本」で使用しているスタジオもありました。
仕事と言えばLレンズだと思っていた筆者は大層驚き、カメラマンとの話に花が咲いた際に質問してみたのです。
その結果、
・写りに関しては絞れば十分、必要なら開放も躊躇なく使う
・メインで使わなくてもイメージカットで活躍するからお守りで持っていく
・小さいレンズの方が子供たちが安心して笑ってくれ、いい絵が撮れる
といった理由を聞くことができました。
筆者はCanonユーザーでしたので、この話を聞いた後はEF40mm F2.8 STMとEF50mm F1.8 STMをよく持ち出すようになり、今ではLレンズで撮影した写真の数を上回るようになりました。
何かと物価が高騰している今だからこそ、1万円台中盤で手に入るこれらのレンズの“良さ”についてお伝えしたいと思います。
まずは、EF40mm F2.8 STMから。

このレンズの特徴は、何と言ってもその小ささ、軽さではないでしょうか。
例えば地域行事の取材撮影や、本番前のロケハンのお供としてEF24-70mm F2.8L II USMとともに運用されることが多いようです。
後述のEF50mm F1.8 STMが状況によっては主役レンズとなる事もある中、こちらは抑えやサブ的な役割が目立ちました。
さて、このレンズは絞り解放で使用した場合、周辺光量低下がそこそこ目立ちます。
これを是とするか、非とするかで話は変わってくるのですが、筆者としては良いことなのではないかと思います。
昨今流行りの「エモい系」の画作りで、あえて周辺光量低下を取り入れていることからも、ユーザーには好意的に受け入れられているのではないでしょうか。
上の写真では、海の中央が若干白っぽく、両端がしっとりと暗くなったことで白昼夢のような描写となってくれました。
スマホやPCで編集はしていませんので、撮影すればそのままこの雰囲気が味わえます。これをより一層楽しみたい場合は、カメラ側の周辺光量補正を「しない」に設定してみましょう。

先程の写真では中央が白っぽくなっていましたが、それを「ちょっとやり過ぎかな?」と感じる場合は、ほんのわずかに絞るだけでコントラストがしっかりとしてきます。
この写真はf3.5に絞ったカット。若干の周辺光量低下を残しつつも、中央部の描写がかっちりとしてきているのが見て取れます。
もともと大きな癖がなく、素直でシャープな写りをするレンズなので、変に身構えずどんどん使っていけます。

40mmという画角を「中途半端」だと感じる方もいるかと思いますが、あえて言わせてください。
中途半端だからこそ良いのです。
35mmや50mmは「引けば広角、寄れば標準として使うことができる」と言われますが、その特徴はむしろ40mmこそ生かせると考えています。
35mmでは寄ると少し遠近感(パース)が目立ちますし、50mmでは引いても広角になりきれないことが多いのです。
しかし40mmは不思議とそうしたことが無く、どちらに転んでもつぶしが効くのが美点。
中庸と言い換えても良いかもしれません。

筆者自身沢山のレンズを持っていますが、最近は遠出する時ですらこのレンズ1本で済ませることがあります。
良く写り、コンパクトで場所を取らず、広角風・標準風どちらでも撮れる安心感があるので、不安はありません。
防塵防滴ではないことと、AF速度があまり早くない事のみ認識しておけば、日常から旅行まで全て対応できてしまうのです。
この写真で使用しているEOS 6D Mark IIは2620万画素のセンサーを搭載しております。
そのセンサーにレンズが負けてしまうことなく、遠くの波間までばっちり解像、高い実力を発揮してくれました。
さて、次はEF50mm F1.8 STMについてお話いたします。

こちらは言わずと知れた大人気レンズであり、知名度で言えばEF40mm F2.8 STMよりも高いと思います。このレンズで撮られた写真を目にする事も多いのではないでしょうか。
絞りを開ければ柔らかく、絞ればしゃっきりというオールドレンズのような写りが魅力です。
その特性から、ウェディングフォトなどではメインの人物撮影を大型レンズに任せ、式場の内装や小物を撮る“イメージカット用レンズ”として使われることが多いようです。
しかし場所によっては、少し絞った際の写りの良さを買われ、成人の振袖撮影や七五三でメインレンズとして運用されていることもあり、その汎用ぶりがうかがえます。
上の雨の写真は絞り解放です。柔らかな写りが堪能できました。

このレンズはf2.8あたりからしっかりと解像度が立ち上がり、軸上色収差も大きく改善。十分にシャープになってきます。
この写真では少しばかり軸上色収差が残っていますが、写真を害するようなレベルではないので問題ないと思います。
この「ちょっとだけ絞った状態」こそ本レンズの美味しいところ。
思い切りぼかしたいという気持ちをグッと抑え、f2.8~f4あたりまでで使っていただくとうまみをぎゅっと引き出せます。
慣れてくればそのくらいのf値でも十分ボケることが分かり、楽しくなってくるでしょう。

こちらが件のf2.8です。
道路標識が3Dの様に浮き上がり、紅葉の葉は周辺部までしっかりとシャープ。
元データではある程度葉脈も見えます。
紅葉のこってりとした発色に加え、人の服や幹の質感の描き分けもなかなかのものであり、とても1万円台中盤で入手できるレンズとは思えません。

こちらは変化球です。marumiのソフトフィルター「DHG ソフトファンタジー II」を使用しました。
お洒落な洋館でヘビー級の機材を出すのは少しはばかられますが、このレンズならコンパクトなので人目を気にせず撮影出来ます。
今回も推奨のf2.8まで絞っていますので、被写体のエッジはシャープに描写されており、その周りをソフトフィルターのにじみが彩って高画質な幻想写真になりました。
ちなみにボディ手振れ補正のないカメラで屋内撮影する場合でも、f2.8程度なら手振れの心配はありません。
どんどんこの絞り値を使用していただきたいと思います。
▼marumi DHG ソフトファンタジー IIのご紹介記事はこちら▼
さて、駆け足でご紹介してまいりましたが、いかがでしたでしょうか。
EF40mm F2.8 STMもEF50mm F1.8 STMも、「プロ用レンズ」と聞いて想像するような見た目ではありません。
しかしながらその性能はとても立派なもので、実際にプロのレンズとして数多の活躍をしております。
この記事をご覧いただいている方の中にも、人生の記念日にこれらのレンズで写真を撮られた方がいらっしゃるかもしれません。
ひたすらに物価が高騰する今にあって、プライスは小さく、幸せは大きく。
現行のミラーレス機「EOS Rシリーズ」にもマウントアダプターで完全対応する2本のレンズは、色あせることのない銘玉なのでした。
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